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季節の花

いま咲いている花

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アングロア・クリフトニー



アングロア・クリフトニーはラン科アングロア属の多年草である。
原産地はコロンビアである。
標高1000~1800メートルの地域に生える着生種である。
草丈は50センチくらいになる。
葉は大形の披針形(笹の葉のような形)である。
開花時期は春から夏である。
花径は9センチくらいあり、鮮やかな黄色である。
唇弁には紅紫色の網目が入る。
花はよい香りがする。
この属の植物はチューリップオーキッドの愛称がある。
花冠がカップ状でチューリップに似ているからである。
属名の Anguloa はペルー人の植物学者「アングロ(Don Francisco de Angulo)さん」の名からきている。
種小名の cliftonii はイギリス人の蘭愛好家「クリフトン(Clifton)さんの」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Anguloa cliftonii


★なるほどね言われてみればチューリップ
 葉っぱがずいぶん大きいけれど




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大帽子花(オオボウシバナ)



大帽子花(オオボウシバナ)はツユクサ科ツユクサ属の一年草である。
露草(ツユクサ)の突然変異した変種である。
滋賀県草津市を中心にした湖南地方で江戸時代の中期から栽培されている。
また、草津市では市の花に指定されている。
花の色から青花(アオバナ)とも呼ばれる。
和紙に染み込ませて乾燥させ、青花紙をつくる。
水に溶ける性質を利用して、友禅染の下書きに使用される。
草丈は60~100センチくらいである。
葉は細めの卵形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~8月である。
花径は3~5センチと大きい。
3枚の花びらのうち2枚が大きい。
残りの1枚は小さな白い色をしている。
露草(ツユクサ)と同様に早朝花を開き、午前中に閉じる。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
化学合成した色素が登場して栽培量は減少している。
花が大きいので観賞用にも栽培されている。
また、糖質吸収を妨げる作用があることがわかり、健康食品として注目されている。
和名の由来は、露草(ツユクサ)の別名である帽子花(ボウシバナ)からきている。
属名の Commelina はオランダの「Commelin家」からきている。一族から出た3人の学者のうち2人が業績を残したことから名づけられた。
種小名の communis は「普通の」という意味である。
変種名の hortensis は「庭園栽培の」という意味である。
写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Commelina communis var. hortensis


★変われども花の命の短さに
 面影とどめ大帽子花




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岩金梅(イワキンバイ)



岩金梅(イワキンバイ)はバラ科キジムシロ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地の岩場に生える。
海外では、朝鮮半島にも分布する。
草丈は10~20センチくらいである。
根際から生える葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)である。
稀に小葉5枚の奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)となることもある。
小葉の形は菱形状の卵形である。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)があり、裏面は粉白色となる。
葉の質は硬い。
開花時期は6~8月くらいである。
茎先に集散花序(茎先に花がつき、少し下から横枝が出てその先にも花がつく)を出し、黄色い5弁花を10輪くらいつける。
花径は1センチくらいで、花弁の先はわずかにへこむ。
萼片、副萼片はそれぞれ5枚で先が尖る。
雄しべと雌しべはたくさんある。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
和名の由来は、岩場に生え梅に似た黄色い花を咲かせるということからきている。
属名の Potentilla はラテン語の「potens(強力)」の縮小形である。同属の1種に強い薬効があったのでつけられた名である。
種小名の dickinsii は植物採集家「ディッキンス(Dickins)さんの」という意味である。
写真は9月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
園芸的には屋久島岩金梅 (ヤクシマイワキンバイ)とも呼ばれる矮性種である。
学名:Potentilla dickinsii


★岩場には岩場に向いた花が咲く
 岩の間に根を張りながら
☆爽やかなレモン色した岩金梅
 緑の葉っぱも岩場を飾り




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アルクトテカ・カレンデュラ



アルクトテカ・カレンデュラはキク科ワタゲハナグルマ属(アルクトテカ属)の多年草である。
属名の読み方は「アークトセカ」とするものもある。
種小名の読み方は「カレンジュラ」とするものもある。
原産地は南アフリカのケープ地方である。
和名を綿毛花車(ワタゲハナグルマ)という。
草丈は15~20センチくらいである。
茎には褐色の毛が生える。
葉は根際から生えて、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となって地面に広がる。
葉の長さは20センチくらいで、深く波状に切れ込んでいる。
開花時期は5~7月である。
花(頭花)の大きさは4~5センチで、蒲公英(タンポポ)に少し似ている。
花は昼間開いて夜には閉じる。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
匍匐茎を出して繁殖をする。
属名の Arctotheca はギリシャ語の「arktos(熊)+theke(ケース)」からきている。果実の形状から名づけられた。
種小名の calendula はラテン語の「calendae(毎月の第1日)」からきている。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Arctotheca calendula


★遥々と海を渡って辿り着き
 根を張り広げ逞しき花
☆太陽の光集めん花びらは
 くるくる回る春の風車か





甘茴香(アマウイキョウ)



甘茴香(アマウイキョウ)はセリ科ウイキョウ属の多年草である。
原産地は地中海沿岸地方で、南ヨーロッパから西アジアにかけて分布する。
分類上は、茴香(ウイキョウ)の栽培変種とされている。
基本種の茴香(ウイキョウ)は古代エジプトの時代から栽培されていたという。
草丈は1~2メートルくらいである。
全草に甘い香りがある。
葉は3~4回羽状に裂け、互い違いに生える(互生)。
裂片は糸状となって細かく、鮮やかな緑色をしている。
開花時期は6~8月である。
茎先に複数の散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、傘のような形になって黄色の小さな花をつける。
英名はスイートフェンネル(sweet fennel)である。
フェンネルは「茴香」のことである。
別名をローマ茴香(ローマウイキョウ)ともいう。
葉はハーブ、種子はスパイス、茎は野菜として利用される。
俳句では「茴香の花」が夏の季語である。
花の後にできる実は円柱形の分果(複数の子房からできた果実)で、2ブロックで構成される。
属名の Foeniculum はラテン語の「faenum(乾草)」からきていて綴りを誤ったもの。糸状に細く裂けた葉の形から名づけられた。
種小名の vulgare は「普通の」という意味である。
変種名の dulce は「甘味のある」という意味である。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Foeniculum vulgare var. dulce


★近づいてそっと香りを嗅いでみて
 甘く切なくあなたを包む


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