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長葉面高(ナガバオモダカ)



長葉面高(ナガバオモダカ)はオモダカ科オモダカ属の多年草である。
漢字では「長葉沢瀉」とも書く。
北アメリカに分布する抽水植物で、池沼や河川に生える。
園芸店ではジャイアントサジタリアの名で流通している。
逸出したものが野生化している。
繁殖力が強く在来の水生植物への悪影響が懸念されることから、外来生物法で要注意外来生物に指定されている。
草丈は40~120センチくらいである。
根際から生える葉は長い楕円形である。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は5~9月くらいである。
花径1センチくらいの白い3弁花をつける。
雌雄異株だが、日本に生育するのは雌株だけである。
属名の Sagittaria はラテン語の「sagitta(矢)」からきている。矢形をした葉の様子から名づけられた。
種小名の graminea は「イネ科植物のような」という意味である。
写真は8月に名古屋市の東山植物園で撮った。
学名:Sagittaria graminea


★在来の品種蹴散らし嫌われる
 長葉沢瀉姿は優しく




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カルーナ・ブルガリス



カルーナ・ブルガリスはツツジ科カルーナ属の常緑小低木である。
原産地はヨーロッパ、北アフリカなどである。
カナダ東部とアメリカに帰化している。
1属1種であるが、変種や園芸品種がたくさんある。
エリカに近い仲間で、19世紀の初めにエリカ属から分離された。
樹高は20センチから50センチくらいである。
葉は鱗片状の三角形で、十字形に向かい合って生える(対生)。
葉の質はやや多肉質である。
葉の色は多彩で、葉を楽しむ品種もある。
開花時期は6月から9月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、非常に小さな花をつける。
花の色は多彩で、白、ピンク、紫色などのものがある。
花冠は4つに裂け、長さは3ミリくらいである。
外側にある萼片も4枚で、長さは6ミリくらいあるので花冠よりも目立つ。
八重咲きのものもある。
花の後にできる実は4つのブロックからなるさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
和名は御柳擬き(ギョリュウモドキ)という。
英名はスコッチヘザー(Scotch heather)である。
属名の Calluna はギリシャ語の「kallunein(掃く)」からきている。昔はその枝から箒が作られたことから名づけられた。
種小名の vulgaris は「普通の」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Calluna vulgaris


★黄緑の葉にいっぱいの鈴つけて
 カルーナが咲く高原の夏




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エピデンドルム・パーキンソニアヌム



エピデンドルム・パーキンソニアヌムはラン科エピデンドルム属の多年草である。
属名の読み方は「エピデンドラム」とするものもある。
種小名の読み方は「パーキンソニアナム」とするものもある。
原産地はメキシコからパナマにかけてで、標高1300~2000メートルの高地に生える大形の着生種である。
草丈は40センチくらいである。
葉は肉厚の線形で、垂れ下がる。
開花時期は5~7月くらいである。
唇弁の色は白い。
萼片と花弁は黄褐色を帯びる。
明け方と夕方にそれぞれ異なる香りを発するという。
夜行性の蛾と昼行性の蝶に対応するためと考えられている。
なお、同属は中南アメリカを中心に1000種くらいの原種がある。
日本では属名のエピデンドルムないしエピデンドラムの名でさまざまな園芸品種が流通している。
属名の Epidendrum はギリシャ語の「epi(上) + dendron(木)」からきている。着生種であることを示すために名づけられた。
種小名の parkinsonianum はイギリス人の植物採集家「パーキンソン(J. Parkinson)さんの」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Epidendrum parkinsonianum


★植物の営みなんと面白い
 綺麗な花の秘密に触れて




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アポイ鍬形(アポイクワガタ)



アポイ鍬形(アポイクワガタ)はゴマノハグサ科ルリトラノオ属の多年草である。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
北海道の日高地方にのみ分布し、アポイ岳などの蛇紋岩地帯に生える。
分類上は、北海道に分布する菊葉鍬形(キクバクワガタ)の変種とされている。
菊葉鍬形(キクバクワガタ)が蛇紋岩地で変化したもので、基本種よりも葉が細い。
草丈は10センチくらいである。
葉は卵形で羽状に深く裂け、向かい合って生える(対生)。
葉には軟毛が生え、白っぽく見える。
開花時期は6~8月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の花を固めてつける。
花径は1センチくらいである。
花冠は花びらのように4つに裂ける。
1本の雌しべと2本の雄しべが長く突き出る。
花の後にできる実は平べったいさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、先が窪んでいる。
「鍬形」の由来は、実につく2枚の萼片を兜の鍬形にたとえたものである。
属名の Pseudolysimachion はギリシャ語の「pseudo(偽)+Lysimachia(オカトラノオ属)」からきている。オカトラノオ属に似たという意味合いである。
種小名の schmidtianum はサハリンの植物の研究家「シュミット(F. Schumidt)さんの」という意味である。
変種名の yezo-alpinum は「北海道の高山に生える」という意味である。
品種名の exiguum は「ちっぽけな」という意味である。
写真は4月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Pseudolysimachion schmidtianum var. yezo-alpinum f. exiguum


★数々の種を生み出したアポイ岳
 聳える山に登る日夢見て




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大花靫草(オオバナウツボグサ)



大花靫草(オオバナウツボグサ)はシソ科ウツボグサ属の多年草である。
原産地はヨーロッパである。
別名を大輪靫草(タイリンウツボグサ)ともいう。
学名のプルネラ・グランディフローラで表示するところもある。
日本に自生する靫草(ウツボグサ:Prunella vulgaris ssp. asiatica)は西洋靫草(セイヨウウツボグサ:Prunella vulgaris)と近縁である。
これらに比べて、花も花穂も一回り大きい。
草丈は10~30センチくらいである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は6~8月である。
茎先に紫色の唇状をした花が穂状に固まってつく。
花は唇形に2つに裂け、上の唇は帽子のような形になり、下の唇の真ん中は細かく切れ込む。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。
「靫草」の名の由来は、毛ばだった花穂を靫(矢を携帯する用具)に見立てたものである。
属名の Prunella はドイツ語だが意味のはっきりわかっていない言葉である。
種小名の grandiflora は「大きな花の」という意味である。
写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Prunella grandiflora


★似ていても花の大きさ違ってる
 大花靫は背丈を低く




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