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アポイ鍬形(アポイクワガタ)



アポイ鍬形(アポイクワガタ)はゴマノハグサ科ルリトラノオ属の多年草である。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
北海道の日高地方にのみ分布し、アポイ岳などの蛇紋岩地帯に生える。
分類上は、北海道に分布する菊葉鍬形(キクバクワガタ)の変種とされている。
菊葉鍬形(キクバクワガタ)が蛇紋岩地で変化したもので、基本種よりも葉が細い。
草丈は10センチくらいである。
葉は卵形で羽状に深く裂け、向かい合って生える(対生)。
葉には軟毛が生え、白っぽく見える。
開花時期は6~8月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の花を固めてつける。
花径は1センチくらいである。
花冠は花びらのように4つに裂ける。
1本の雌しべと2本の雄しべが長く突き出る。
花の後にできる実は平べったいさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、先が窪んでいる。
「鍬形」の由来は、実につく2枚の萼片を兜の鍬形にたとえたものである。
属名の Pseudolysimachion はギリシャ語の「pseudo(偽)+Lysimachia(オカトラノオ属)」からきている。オカトラノオ属に似たという意味合いである。
種小名の schmidtianum はサハリンの植物の研究家「シュミット(F. Schumidt)さんの」という意味である。
変種名の yezo-alpinum は「北海道の高山に生える」という意味である。
品種名の exiguum は「ちっぽけな」という意味である。
写真は4月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Pseudolysimachion schmidtianum var. yezo-alpinum f. exiguum


★数々の種を生み出したアポイ岳
 聳える山に登る日夢見て




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