犬菊芋(イヌキクイモ) 夏の花 2012年08月08日 犬菊芋(イヌキクイモ)はキク科ヒマワリ属の多年草である。原産地は北アメリカの中部である。日本でも逸出したものが野生化し、空き地や河原などに生えている。菊芋(キクイモ)と極めて近い仲間で、両者を区別しないとする説もある。草丈は1~3メートルくらいである。茎は直立し、毛はほとんど生えていない。葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。下部の葉は向かい合って生える(対生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。葉のつけ根の部分はくさび形である。開花時期は7~9月である。花径は6~8センチくらいである。頭花は筒状花も舌状花も黄色い。舌状花は8~15枚くらいである。本種の場合、舌状花の先がやや尖るのが特徴である。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。長い地下茎の先には塊茎を形成する。本種の塊茎は菊芋(キクイモ)に比べて小さい。塊茎は食用ないし飼料用とされるところから、役に立たないということで「犬」の字が冠せられた。なお、近縁種の菊芋擬き(キクイモモドキ)には塊茎ができない。属名の Helianthus はギリシャ語の「helios(太陽)+anthos(花)」が語源。日に向いて開く様子や花の姿をたとえたもの。種小名の strumosus は「腫れたような膨らみのある」という意味である。写真は9月に北大植物園で撮った。学名:Helianthus strumosus★野生ゆえ芋の形は小さいが いざそのときと犬菊芋は花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
愛鷹麝香草(アシタカジャコウソウ) 夏の花 2012年08月07日 愛鷹麝香草(アシタカジャコウソウ)はシソ科ジャコウソウ属の多年草である。静岡県、山梨県、愛媛県に分布し、山地の谷間に生える。草丈は15~40センチくらいである。近縁種の麝香草(ジャコウソウ)に比べて小さく、茎や葉にたくさん毛が生えている。葉は卵形で、互い違いに生える(対生)。葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は7~9月である。茎の上部の葉の脇から1センチくらいの柄を出し、濃い紅紫色で唇形をした花を下向きにつける。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。和名の由来は、静岡県の愛鷹山で発見され、茎や葉が麝香(ジャゴウ)のようなよい香りがするというところからきている。属名の Chelonopsis はギリシャ語の「chelone(亀)+opsis(似た)」からきている。花冠の形が亀の首に似ているということで名づけられた。種小名の yagiharana は発見者「八木原傅三郎さんの」という意味である。写真は8月に日光植物園で撮った。学名:Chelonopsis yagiharana★ひっそりと紅紫の花一つ 谷間に咲かせ風待つように花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
アベリア・ホープレイズ 夏の花 2012年08月06日 アベリア(Abelia)はスイカズラ科ツクバネウツギ属の半常緑低木である。アベリアは属名だが、和名を花園衝羽根空木(ハナゾノツクバネウツギ)というアベリア・グランディフローラを指すことが多い。野生種を元につくられた園芸品種である。台湾衝羽根空木(タイワンツクバネウツギ:Abelia chinensis)とアベリア・ウニフロラ(Abelia uniflora)の交雑種だと考えられている。中国で作出され、日本へは大正時代に渡来した。アベリア・ホープレイズはその改良された品種の1つである。特徴は、葉に白い斑が入ることである。樹高は1メートルくらいである。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の質はやや厚く、艶がある。開花時期は7~10月くらいである。枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白ないし淡い紅色を帯びた花をつける。花冠は鐘形で、長さが2センチくらい、花径が1センチくらいである。筒部は淡い紅色を帯び、先は5つに裂けて開き、色は白い。萼片は5枚である。雄しべは4本、雌しべは1本である。花にはよい香りがある。属名の Abelia はイギリス人の医師「アベル(C. Abel)さん」の名からきている。種小名の grandiflora は「大きな花の」という意味である。写真は7月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。学名:Abelia x grandiflora 'Hopleys'★葉の色が目映いほどに美しく 花は清楚に息長く咲き花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
アメリカ凌霄花(アメリカノウゼンカズラ) 夏の花 2012年08月05日 アメリカ凌霄花(アメリカノウゼンカズラ)はノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の落葉蔓性木本である。アメリカの東南部からメキシコ湾岸にかけて分布し、林の縁などに生える。日本へは大正時代の末期に渡来した。庭木や公園樹として栽培されている。蔓性で他の植物や人工物に寄りかかって成長し、長さは2~5メートルくらいになる。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。小葉の形は卵形で、4~6対で構成される。開花時期は7~9月である。枝先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、赤橙色ないし黄橙色の筒状の花をつける。凌霄花(ノウゼンカズラ)よりも花径は小さく、筒は長い。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、長い楕円形をしている。凌霄花(ノウゼンカズラ)と交配された園芸品種も作出されている。属名の Campsis はギリシャ語の「campsis(湾曲)」からきている。雄しべが弓形をしていることから名づけられた。種小名の radicans は「根を出す」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Campsis radicans★細長い筒の先では反り返る 花の姿が個性を示し花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ビロード葵(ビロードアオイ) 夏の花 2012年07月31日 ビロード葵(ビロードアオイ)はアオイ科ビロードアオイ属の多年草である。原産地は東ヨーロッパで、沼地や湿地に生える。英名をマーシュマロー(marsh mallow)という。「マーシュ」は湿地を意味する言葉、「マロー」はアオイの仲間のことである。古代ギリシャ時代から薬用とされてきた。乾燥させた根茎、葉、花は緩和剤や軟膏として用いられる。草丈は100~120センチくらいである。茎や葉にはビロードのような感触がある。葉は卵形で切れ込みがあり、互い違いに生える(互生)。開花時期は5~9月である。葉の脇に淡い桃色の5弁花をつける。花径は2センチくらいで小さい。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。別名を薄紅立葵(ウスベニタチアオイ)という。お菓子のマシュマロの原料とされてきたのもこのハーブである。昔は喉を守る食べ物であったという。属名の Althaea はギリシャ語の「althaino(治療)」からきている。薬効があることから名づけられた。種小名の officinalis は「薬用の」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Althaea officinalis★うっすらとピンクに染まる花びらが 優しく揺れるビロード葵花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|