グロキシニア 夏の花 2012年08月23日 グロキシニア(Gloxinia)はイワタバコ科オオイワギリソウ属(シンニンギア属)の非耐寒性多年草である。グロキシニアの名は旧属名からきている。和名を大岩桐草(オオイワギリソウ)という。原産地はブラジルである。18世紀に発見された。この花は高村光太郎の「智恵子抄」にも登場する。ヨーロッパに持ち込まれて品種改良をされ、日本へは明治時代の初期に持ち込まれた。しかし、一般に温室栽培されるようになるのは明治末期以降だという。草丈は10~20センチくらいである。根際から生える葉は広い卵形である。葉には柄があって先は尖り、縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。厚ぼったく、ビロード状である。開花時期は6~10月である。花茎の先に横向きにそれぞれ1つの花をつける。花冠は鐘形で先が5つに裂ける。雄しべは5本、雌しべは1本である。花の色には赤や紫色が基本だが、園芸品種には白や桃色のものがあり、一重咲き、八重咲き、覆輪咲き(花びらに縁取りが入る)など多彩である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Sinningia は19世紀のドイツ人の園芸家「シンニング(Wilhelm Sinning)さん」の名からきている。種小名の speciosa は「華やかな」という意味である。写真は7月に山中湖村の花の都公園で撮った。学名:Sinningia speciosa★大正のロマン伝えるグロキシニア 華麗な姿進化を遂げて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
姫虎の尾(ヒメトラノオ) 夏の花 2012年08月22日 姫虎の尾(ヒメトラノオ)はゴマノハグサ科ルリトラノオ属の多年草である。分類体系によってはオオバコ科とされる。日本固有種である。本州の東北地方から九州の北部にかけて分布し、山地の草原に生える。草丈は40~90センチくらいである。葉は披針形で、向かい合って生える(対生)。葉のつけ根には短い柄がある。 開花時期は8~9月である。茎の上部に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の小さな花をたくさんつける。花は合弁花で、先が4つに裂ける。花穂は10~20センチくらいある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。長い花穂を虎の尾に見立てたのが名の由来である。「姫」とつくが全体に大きく、小さいのは1つ1つの花である。属名の Pseudolysimachion はギリシャ語の「pseudo(偽)+Lysimachia(オカトラノオ属)」からきている。オカトラノオ属に似たという意味合いである。種小名の rotundum は「円形の」という意味である。種小名の petiolatum は「葉柄のある」という意味である。写真は8月に箱根湿生花園で撮った。学名:Pseudolysimachion rotundum var. petiolatum★なるほどと姫虎の尾を眺めやる あれも虎の尾これも虎の尾花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
小向日葵(コヒマワリ) 夏の花 2012年08月21日 小向日葵(コヒマワリ)はキク科ヒマワリ属の多年草である。北アメリカで生まれた園芸品種である。草丈は60~180センチくらいである。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の色は濃い緑色である。葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は7~8月である。花径6~8センチくらいの濃い黄色の花(頭花)を咲かせる。真ん中の筒状花が八重の花弁のようになって美しい。属名の Helianthus はギリシャ語の「helios(太陽)+anthos(花)」からきている。頭花の様子や日に向いて開くことなどから名づけられた。種小名の multiflorus は「たくさん花が咲く」という意味である。写真は8月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Helianthus x multiflorus★大きくてだけど名前は小向日葵 青空の下黄色が似合い花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
高嶺撫子(タカネナデシコ) 夏の花 2012年08月20日 高嶺撫子(タカネナデシコ)はナデシコ科ナデシコ属の多年草である。北海道と本州の中部以北に分布し、高山帯の岩礫地や草地に生える。海外ではユーラシア北部にも分布する。分類上は、北海道や東北地方北部の海岸部で見られる蝦夷河原撫子(エゾカワラナデシコ)の高山型の変種とされている。草丈は10~30センチくらいである。葉は幅の広い線形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は7~8月である。茎先に1~3輪の紅紫色をした花をつける。花径は4~5センチで、花弁は5枚である。花弁のつけ根のほうは爪状で、先のほうは3分の2くらいまで細かく裂ける。花弁のつけ根のほうに紫褐色の毛が生える。雄しべは10本、雌しべは2本である。萼は長い筒形で、先は5つに裂ける。萼のつけ根には2対の苞(葉の変形したもの)がある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Dianthus はギリシャ語の「Dios(ジュピター)+anthos(花)」からきている。「ジュピターの花」の意味で、花の美しさを称えるて名づけられた。種小名の superbus は「気高い」という意味である。変種名の speciosus は「華やかな」という意味である。写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。学名:Dianthus superbus var. speciosus★顔を出し今頃咲いていいのかな 高嶺撫子尋ねるように花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
穂躑躅(ホツツジ) 夏の花 2012年08月19日 穂躑躅(ホツツジ)はツツジ科ホツツジ属の落葉低木である。日本固有種である。北海道の南部から九州にかけて分布し、日当たりのよい山地に生える。公園や庭にも植えられている。樹高は1~2メートルである。よく枝分かれをする。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は7~9月である。枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白ないし淡い紅色の花をつける。花冠は3つに裂け、先が反り返る。雄しべは6本である。雌しべは1本で長く突き出す。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。蜜は有毒で、誤食すると頭痛、嘔吐、下痢などを起こす。秋には紅葉をする。和名の由来は花が穂状につくことからきている。別名を山箒(ヤマボウキ)ともいう。これは、枝を束ねて箒にすることからきている。属名の Elliottia は19世紀のアメリカ人の植物学者「エリオット(S. Elliott)さん」の名からきている。種小名の paniculata は「円錐花序の」という意味である。写真は8月に日光植物園で撮った。学名:Elliottia paniculata(=Tripetaleia paniculata)★くるくるとそっくり返った花姿 角突き出して穂躑躅の咲く花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|