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グロキシニア



グロキシニア(Gloxinia)はイワタバコ科オオイワギリソウ属(シンニンギア属)の非耐寒性多年草である。
グロキシニアの名は旧属名からきている。
和名を大岩桐草(オオイワギリソウ)という。
原産地はブラジルである。
18世紀に発見された。
この花は高村光太郎の「智恵子抄」にも登場する。
ヨーロッパに持ち込まれて品種改良をされ、日本へは明治時代の初期に持ち込まれた。
しかし、一般に温室栽培されるようになるのは明治末期以降だという。
草丈は10~20センチくらいである。
根際から生える葉は広い卵形である。
葉には柄があって先は尖り、縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。
厚ぼったく、ビロード状である。
開花時期は6~10月である。
花茎の先に横向きにそれぞれ1つの花をつける。
花冠は鐘形で先が5つに裂ける。
雄しべは5本、雌しべは1本である。
花の色には赤や紫色が基本だが、園芸品種には白や桃色のものがあり、一重咲き、八重咲き、覆輪咲き(花びらに縁取りが入る)など多彩である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Sinningia は19世紀のドイツ人の園芸家「シンニング(Wilhelm Sinning)さん」の名からきている。
種小名の speciosa は「華やかな」という意味である。
写真は7月に山中湖村の花の都公園で撮った。
学名:Sinningia speciosa


★大正のロマン伝えるグロキシニア
 華麗な姿進化を遂げて




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姫虎の尾(ヒメトラノオ)



姫虎の尾(ヒメトラノオ)はゴマノハグサ科ルリトラノオ属の多年草である。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
日本固有種である。
本州の東北地方から九州の北部にかけて分布し、山地の草原に生える。
草丈は40~90センチくらいである。
葉は披針形で、向かい合って生える(対生)。
葉のつけ根には短い柄がある。
開花時期は8~9月である。
茎の上部に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の小さな花をたくさんつける。
花は合弁花で、先が4つに裂ける。
花穂は10~20センチくらいある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
長い花穂を虎の尾に見立てたのが名の由来である。
「姫」とつくが全体に大きく、小さいのは1つ1つの花である。
属名の Pseudolysimachion はギリシャ語の「pseudo(偽)+Lysimachia(オカトラノオ属)」からきている。オカトラノオ属に似たという意味合いである。
種小名の rotundum は「円形の」という意味である。
種小名の petiolatum は「葉柄のある」という意味である。
写真は8月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Pseudolysimachion rotundum var. petiolatum


★なるほどと姫虎の尾を眺めやる
 あれも虎の尾これも虎の尾





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小向日葵(コヒマワリ)



小向日葵(コヒマワリ)はキク科ヒマワリ属の多年草である。
北アメリカで生まれた園芸品種である。
草丈は60~180センチくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の色は濃い緑色である。
葉の先は尖り、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~8月である。
花径6~8センチくらいの濃い黄色の花(頭花)を咲かせる。
真ん中の筒状花が八重の花弁のようになって美しい。
属名の Helianthus はギリシャ語の「helios(太陽)+anthos(花)」からきている。頭花の様子や日に向いて開くことなどから名づけられた。
種小名の multiflorus は「たくさん花が咲く」という意味である。
写真は8月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Helianthus x multiflorus


★大きくてだけど名前は小向日葵
 青空の下黄色が似合い




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高嶺撫子(タカネナデシコ)



高嶺撫子(タカネナデシコ)はナデシコ科ナデシコ属の多年草である。
北海道と本州の中部以北に分布し、高山帯の岩礫地や草地に生える。
海外ではユーラシア北部にも分布する。
分類上は、北海道や東北地方北部の海岸部で見られる蝦夷河原撫子(エゾカワラナデシコ)の高山型の変種とされている。
草丈は10~30センチくらいである。
葉は幅の広い線形で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は7~8月である。
茎先に1~3輪の紅紫色をした花をつける。
花径は4~5センチで、花弁は5枚である。
花弁のつけ根のほうは爪状で、先のほうは3分の2くらいまで細かく裂ける。
花弁のつけ根のほうに紫褐色の毛が生える。
雄しべは10本、雌しべは2本である。
萼は長い筒形で、先は5つに裂ける。
萼のつけ根には2対の苞(葉の変形したもの)がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Dianthus はギリシャ語の「Dios(ジュピター)+anthos(花)」からきている。「ジュピターの花」の意味で、花の美しさを称えるて名づけられた。
種小名の superbus は「気高い」という意味である。
変種名の speciosus は「華やかな」という意味である。
写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。
学名:Dianthus superbus var. speciosus


★顔を出し今頃咲いていいのかな
 高嶺撫子尋ねるように




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穂躑躅(ホツツジ)



穂躑躅(ホツツジ)はツツジ科ホツツジ属の落葉低木である。
日本固有種である。
北海道の南部から九州にかけて分布し、日当たりのよい山地に生える。
公園や庭にも植えられている。
樹高は1~2メートルである。
よく枝分かれをする。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は7~9月である。
枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、白ないし淡い紅色の花をつける。
花冠は3つに裂け、先が反り返る。
雄しべは6本である。
雌しべは1本で長く突き出す。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
蜜は有毒で、誤食すると頭痛、嘔吐、下痢などを起こす。
秋には紅葉をする。
和名の由来は花が穂状につくことからきている。
別名を山箒(ヤマボウキ)ともいう。
これは、枝を束ねて箒にすることからきている。
属名の Elliottia は19世紀のアメリカ人の植物学者「エリオット(S. Elliott)さん」の名からきている。
種小名の paniculata は「円錐花序の」という意味である。
写真は8月に日光植物園で撮った。
学名:Elliottia paniculata(=Tripetaleia paniculata)


★くるくるとそっくり返った花姿
 角突き出して穂躑躅の咲く




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