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ベロニカ・プロストラタ



ベロニカ・プロストラタはゴマノハグサ科クワガタソウ属の多年草である。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
原産地はヨーロッパで、草地に生える。
草丈は10~20センチくらいである。
茎は地を這って広がる。
葉は細長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉には軟らかい毛が密に生える。
開花時期は5~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の花をつける。
花冠は4つに裂けて皿形に開く。
萼片は4枚、雄しべは2本、雌しべは1本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Veronica は聖者ベロニカに捧げられた名である。
種小名の prostrata は「匍匐性の」という意味である。
写真は5月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Veronica prostrata


★欧州の平原に咲く鍬形は
 地を這いながら花を咲かせて




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アネモネ・ラヌンクロイデス



アネモネ・ラヌンクロイデスはキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草である。
原産地はヨーロッパである。
中央部や地中海沿岸部に分布し、林の中や川岸に生える。
英名はイエローウッドアネモネ(yellow wood anemone)である。
ウッドアネモネは分布域の重なるアネモネ・ネモロサ(Anemone nemorosa)の一般名である。
流通名は黄花一華(キバナイチゲ)という。
草丈は5~15センチくらいである。
根際から生える葉には長い柄があり、3つから5つに浅く裂ける。
茎につく葉は3枚が輪のようになって生える(輪生)。
葉は細かく羽状に裂ける。
開花時期は3~5月である。
茎先に花径2センチくらいの黄色い花をつける。
花弁のように見えるのは萼片で、5~8枚くらいある。
葯(雄しべの花粉を入れる袋)の色も黄色である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Anemone はギリシャ語の「anemos(風)」からきている。
種小名の ranunculoides は「Ranunculus(キンポウゲ属)に似た」という意味である。
写真は4月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Anemone ranunculoides


★もう少し綺麗な花も撮りたいが
 価値はあるよねこれはこれでも




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蔓花形(ツルハナガタ)



蔓花形(ツルハナガタ)はサクラソウ科トチナイソウ属(アンドロサケ属)の多年草である。
属名の読み方は「アンドロサセ」とするものもある。
アンドロサケ属は主に北半球の山岳地帯に自生し、100種類くらいあるという。
日本にも栃内草(トチナイソウ)などが分布するので、属名の和名を「トチナイソウ属」という。
本種の原産地はヒマラヤである。
シッキム地方からカシミール地方にかけて分布し、標高2800~4000メートルの山の斜面などに生える。
英名はロックジャスミン(rock jasmine)である。
草丈は10~20センチくらいである。
茎は地面を這って伸びる。
葉は楕円形で、ロゼット状となる。
葉にはわずかに毛が生える。
日本での開花時期は4~5月である。
自生地では7~8月に咲く。
茎先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、花径は1センチに満たない小さなピンクの花をつける。
花冠は5枚に分かれて真ん中は黄色い。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
チベットでは全草を薬用とし、炎症に効く。
属名の Androsace はギリシャ語の「andros(雄)+sakos(楯)」からきている。
種小名の sarmentosa は「蔓性の」という意味である。
写真は5月に六甲高山植物園で撮った。
学名:Androsace sarmentosa


★びっしりとピンクの花をつけて咲く
 蔓花形は乙女の色香




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牛の毛草(ウシノケグサ)



牛の毛草(ウシノケグサ)はイネ科ウシノケグサ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、山地や高山の岩場に生える。
海外では、北半球の亜寒帯から温帯にかけて広く分布するが、変異が多い。
草丈は20センチから40センチくらいである。
根茎は短く、匍匐茎がない。
多数の稈が叢生する。
葉は針形で2つ折りに畳まる。
毛は生えていない。
開花時期は6月から8月くらいである。
茎先に数個の小さな花をつけた緑白色の小穂をつける。
花の後にできる実はえい果(イネ科の果実で薄い木質の果皮が種子に密着している)である。
和名の由来は葉の様子を牛の毛にたとえたものである。
属名の Festuca はある種のイネ科植物に対する古代ラテン名からきている。
種小名の ovina は「羊の好む」という意味である。
写真は6月に北大植物園で撮った。
学名:Festuca ovina


★面白い名前の草があるものと
 楽しみながら葉を確かめて




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深山霧島(ミヤマキリシマ)



深山霧島(ミヤマキリシマ)はツツジ科ツツジ属の常緑小低木である。
九州の山地にのみ自生し、瓦礫地に群落を形成する。
雲仙、阿蘇、九重、霧島などには大群落がある。
長崎県、鹿児島県では県花にもなっている。
樹高は10~100センチくらいである。
葉は長さが1~2センチの長い楕円形で、互い違いに生える(互生)が、枝先に集まってつくので輪生しているように見える。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
葉には毛が生えている。
開花時期は4~6月である。
枝先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、紅紫色や桃色の小さな花を2~3輪つける。
花径は2~3センチである。
花冠は漏斗状で先が5つに裂け、横に開く。
上部の裂片り内側には細かい斑の入るものと入らないものがある。
萼片は5枚である。
雄しべは5本、雌しべは1本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。
種小名の kiusianum は「九州の」という意味である。
写真は5月に埼玉県立花と緑の振興センターで撮った。
学名:Rhododendron kiusianum


★霊峰に咲くが似合いの花姿
 深山霧島真っ赤に燃えて




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