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矢車薄荷(ヤグルマハッカ)



矢車薄荷(ヤグルマハッカ)はシソ科ヤグルマハッカ属の多年草である。
原産地は北アメリカである。
ハーブの一種としても知られ、ベルガモット(bergamot)と呼ばれる。
ただし、この名はミカン科のベルガモットに香りが似るというもので紛らわしい。
属名のモナルダ(Monarda)の名でも流通している。
草丈は60~150センチくらいである。
葉は長い卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先が尖り、軟毛が生える。
開花時期は5~7月である。
茎先に直径4~6センチくらいの花序を出す。
一見するとこれが花のように見えるが、長さ3センチくらいの唇形の花が集まったものである。
花の色には赤、紅紫色、白などのものがある。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
近縁種にディディマ種(Monarda didyma)がある。
こちらのほうは和名を松明花(タイマツバナ)という。
属名の Monarda はスペインの医師で植物学者だった「モナルデ(Nicolas Monardes, 1493-1588)さん」の名からきている。
種小名の fistulosa は「管状の」という意味である。
写真は6月につくば植物園で撮った。
亜種(ssp. menthifolia)の表示があった。「ハッカに似た葉の」という意味で、北アメリカの西部が原産地である。
学名:Monarda fistulosa
学名:Monarda fistulosa ssp. menthifolia


★モナルダの上げる炎はやわらかく
 ベルガモットの香りを添えて




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磯馴葎(ソナレムグラ)



磯馴葎(ソナレムグラ)はアカネ科フタバムグラ属の多年草である。
本州の千葉県から沖縄県にかけて分布し、海岸の岩場に生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国、フィリピン、インド、南太平洋などにも分布する。
「磯馴」は磯に生えることを意味し、「葎」は生い茂る雑草のことである。
草丈は5~20センチくらいである。
茎は枝分かれをし、地を這って広がる。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉は多肉質で艶がある。
開花時期は7~9月くらいだが、沖縄ではほぼ周年開花をする。
茎先に花径4ミリくらいの白い小さな花をつける。
花冠は筒状で先が4つに裂ける。
花冠の真ん中は白い毛で覆われている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Hedyotis はギリシャ語の「hedys(甘い)+otos(耳)」からきている。
種小名の strigulosa は「硬く尖り、ざらざらした面の」という意味である。
種小名の parvifolia は「小さな葉の」という意味である。
写真は5月に沖縄本島の辺戸岬で撮った。
学名:Hedyotis strigulosa var. parvifolia


★撮った花ヒント見つけて解き明かす
 旅の後にはそんな楽しみ




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浜払子(ハマボッス)



浜払子(ハマボッス)はサクラソウ科オカトラノオ属の越年草である。
北海道から沖縄にかけて分布し、海岸の岩場や礫地、砂浜などに生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国、フィリピン、太平洋諸島などにも分布する。
「払子」というのは僧侶の用いる仏具のことで、花の様子をたとえたものである。
草丈は10~40センチくらいである。
全草に毛は生えていない。
茎は根元で枝分かれをし、さらに上部で枝分かれをする。
茎は赤味を帯びることが多い。
葉は倒卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は分厚く、表面には艶がある。
開花時期は4~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径1センチくらいの白い花をつける。
花冠は5つに深く裂け、横に開く。
雄しべは5本で短く、真ん中に雌しべが1本ある。
実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、赤茶色に熟する。
属名の Lysimachia はマケドニア王「リュシマコス(Lysimachus)」の名からきている。
種小名の mauritiana は「モーリシャス島の」という意味である。
写真は5月に沖縄本島の辺戸岬で撮った。
学名:Lysimachia mauritiana


★ぼってりと厚い葉っぱに手を触れて
 生きる力の強さを感じ




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釣鐘葛(ツリガネカズラ)



釣鐘葛(ツリガネカズラ)はノウゼンカズラ科ツリガネカズラ属の常緑蔓性低木である。
原産地は北アメリカの南部である。
枝は10メートルくらい伸びる。
葉は長い楕円形で、向かい合って生える。
開花時期は4~6月である。
葉の脇に橙赤色をした釣鐘状の花を数輪ずつつける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
花の色や香りがカレーに近いので、カレーバインという流通名もある。
属名の Bignonia はフランスの聖職者でルイ14世の司書だった「ビニョン(Jean-Paul Bignon, 1662-1743)さん」の名からきている。
種小名の capreolata は「巻鬚のある」という意味である。
写真は5月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Bignonia capreolata


★ぶら下がる釣鐘葛を写そうと
 近づきみれば微かな香り




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紅紫壇(ベニシタン)



紅紫壇(ベニシタン)はバラ科シャリントウ属(コトネアステル属)の常緑低木である。
属名の読み方は「コトネアスター属」とするものもある。
シャリントウのほうは漢字では「車輪桃」と書き、属名の総称として用いられている。
本種の原産地は中国である。
日本へは昭和時代の初期に渡来した。
樹高は1メートルくらいである。
枝は横に広がる。
葉は幅の広い卵形で。互い違いに生える(互生)。
葉には艶がある。
開花時期は5~6月である。
枝に沿って淡い紅色の花をつける。
花の後にできる実は球形のナシ状果で、秋に赤く熟する。
別名を矮鶏車輪桃(チャボシャリントウ)という。
コトネアスターの名でも流通している。
属名の Cotoneaster はラテン語の「cotoneum(マルメロ)+aster(似て非なるもの)」からきている。
種小名の horizontalis は「水平の」という意味である。
花の写真は5月に川口市立グリーンセンターで撮った。
実の写真は11月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。
学名:Cotoneaster horizontalis


★枝沿いに恥らうように紅い花
 びっしりつけてコトネアスター




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