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煙草(タバコ)



煙草(タバコ)はナス科タバコ属の一年草である。
原産地は南アメリカである。
コロンブスによってヨーロッパへもたらそれた。
はじめは観賞用や薬用に栽培されたという。
日本へは16世紀に鉄砲とともにポルトガル人によって伝えられた。
「タバコ」という言葉もポルトガル語である。
江戸時代には喫煙禁止令がたびたび出されたが、これは防火と贅沢禁止が目的であったそうである。
現在は東北から沖縄にかけて、ほとんどの府県で栽培されている。
しかし、花を咲かせて結実させると葉の品質が落ちるので、栽培用のものは花が切除される。
草丈は150~200センチくらいである。
全草に毛が生える。
葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7~8月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、ピンクないし黄色の漏斗状の花をつける。
花の後にできる実は楕円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
有毒植物で、農業用殺虫剤の製造原料ともされる。
属名の Nicotiana はフランスの外交官「ジャン・ニコ(Jean Nicot, 1530-1600)さん」の名からきている。初めてタバコの種子をフランスにもたらしたことから名づけられた。
種小名の tabacum はネイティブアメリカンの言葉で「タバコ」のことである。
写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Nicotiana tabacum

★摘まれるが定めなりきと知りながら
 気丈に開く煙草の花は



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白妙菊(シロタエギク)



白妙菊(シロタエギク)はキク科キオン属の多年草である。
原産地は南ヨーロッパである。
英名はダスティーミラー(dusty miller)という。
若い苗の葉が美しく、園芸上は一年草として扱われる。
草丈は50~100センチくらいである。
葉と茎の色はシルバーで、フェルト状の毛が密生して美しい。
葉は羽状に裂け、互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~8月である。
茎先に集散花序(枝先に花がつき、その下から枝が出て花をつけることを繰り返すもの)を出し、キク科特有の黄色い小さな花(頭花)をたくさんつける。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Senecio はラテン語の「senex(老人)」からきている。灰白色の毛や白い冠毛のあるものが多いことから名づけられた。
種小名の bicolor は「二色の」という意味である。
亜種名の cineraria は「シネラリア属(Cineraria)のような」という意味である。
写真は7月に野田市の清水公園で撮った。
学名:Senecio bicolor subsp. cineraria

★妙なるは葉や茎のみにあらざると
 花咲かせたり白妙菊は



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パキラ



パキラはパンヤ科パキラ属の常緑高木である。
分類体系によってはアオイ科とされる。
属名のパキラが和名としても採用されている。
原産地は中南アメリカである。
別名をカイエンナット(Cayenne nut)という。
カイエンは仏領ギアナの主要都市の名である。
ナッツを採るための果樹として栽培されている。
樹高は5~20メートルくらいである。
幹はずんぐりとしている。
葉は手のひら状の複葉で、互い違いに生える(互生)
小葉の形は長い楕円形である。
開花時期は5~6月である。
大きな緑白色の花を咲かせる。
花は夜開いて昼前には散ってしまう。
花はよい香りがする。
結実時期は9~10月である。
花の後にできる実は卵形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、長さが10~30センチくらいある。
茶色に熟し、中にある種子は食用とされる。
近年は観葉植物としても人気がある。
属名の Pachira はギアナでの現地名からきている。
種小名の aquatica は「水生の」という意味である。
写真は6月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Pachira aquatica(=Pachira macrocarpa)

★大きな実とても立派なパキラの樹
 南国ムード溢れるように



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小金梅笹(コキンバイザサ)



小金梅笹(コキンバイザサ)はキンバイザサ科コキンバイザサ属の多年草である。
宮城県以南の本州から沖縄にかけて分布し、山地の草地などに生える。
海外では、台湾、中国、ヒマラヤ、インドネシア、マレーシア、インドなどにも分布する。
和名の由来は、金梅笹(キンバイザサ)よりも葉が細く小形であることからきている。
草丈は20センチくらいである。
花茎や花弁、葉には毛が密生している。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は4~7月である。
茎先に花径1センチくらいの小さな黄色い花を1~2輪つける。
花被片は6枚である。
雄しべも6本である。
花の後にできる実は長い楕円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Hypoxis はギリシャ語の「hypo(下)+oxys(尖った)」からきている。
種小名の aurea は「黄金色の」という意味である。
写真は5月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Hypoxis aurea


★細い葉を掻き分け伸ばす花茎に
 小金梅笹黄のアクセント






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腎葉酸葉(ジンヨウスイバ)



腎葉酸葉(ジンヨウスイバ)はタデ科ジンヨウスイバ属の多年草である。
1属1種である。
ギシギシ属とは萼片の数が異なる。
北海道から本州の中部地方にかけて分布し、高山に生える。
海外では、周北極地域と北半球の高山(ロッキー山脈、アルプス山脈、ヒマラヤ山脈など)に広く分布する。
和名の由来は腎形の葉をつける「酸葉」というところからきている。
別名を丸葉羊蹄(マルバギシギシ)ともいう。
草丈は5~30センチくらいである。
全体に毛は生えていない。
根際から生える葉には長い柄があり、腎円形をしている。
開花時期は7~8月である。
茎の上部で枝分かれをしてたくさんの総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、緑白色ないし紅色の花をぶら下げる。
花には花弁はなく、萼片が4枚である。
雄しべは6本である。
花の後にできる実は扁平なそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Oxyria はギリシャ語の「oxys(酸っぱい)」からきている。葉が酸っぱいことを表したものである。
種小名の digyna は「2本の雌しべの」という意味である。
写真は6月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Oxyria digyna


★葉の形違っているのでよくわかる
 腎葉酸葉は高山の花






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