実栗(ミクリ) 夏の花 2013年07月14日 実栗(ミクリ)はミクリ科ミクリ属の多年草である。抽水植物で根は水底の土の中にあり、茎や葉が水面から上に伸びている。北海道から九州にかけて分布し、池沼や水路に生える抽水植物(根が水底の土中にあって、茎や葉が水面から上に伸びている水生植物のこと)である。かつては水田の周辺などで普通に見られたが、除草剤の使用などで減っている。海外では、北半球の各地やオーストラリアに広く分布する。環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。草丈は50~100センチくらいである。根際から生える葉は長い線形で、茎よりも高くなる。葉のつけ根に近い部分は断面が三角形である。つけ根は茎を抱き、先は丸い。開花時期は6~8月である。雌雄同株である。茎先が枝分かれをして、上部にもやもやとした雄花、下部に毛玉のような雌花をつける。花の後に、緑色の球形で栗のイガに似た集合果をつける。和名は、実を栗のいがに見立てたものである。属名の Sparganium はギリシャ語の「sparganon(帯)」からきている。種小名の erectum は「直立した」という意味である。写真は7月に神代植物公園で撮った。学名:Sparganium erectum★この草は滅びの道を歩むのか 実栗の姿じっと見つめて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
瑠璃溝隠し(ルリミゾカクシ) 夏の花 2013年07月13日 瑠璃溝隠し(ルリミゾカクシ)はキキョウ科ミゾカクシ属(ロベリア属)の多年草である。原産地は南アフリカである。園芸上は一年草として扱う。瑠璃蝶草(ルリチョウソウ)やロベリアの別名がある。ロベリアの名は、学名であるロベリア・エリヌス(Lobelia erinus)の属名からきている。ヨーロッパで多くの園芸品種が作出されている。草丈は10~40センチくらいである。茎の下部につく葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。上部につく葉は線形である。開花時期は5~7月くらいである。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径1~2センチの小さな花をたくさんつける。花冠の先は唇形に5つに裂ける。上唇は2枚の裂片からなり、耳のように立ち上がる。下唇は先の尖った3枚の裂片からなる。花の色は青や紫色、紅紫色白など多彩である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Lobelia はフランドル出身でイギリスの植物学者だった「ロベル(Mathias de Lobel, 1538-1616)さん」の名からきている。種小名の erinus はギリシャ語の「erinos(植物の名前の1つ)」からきている。写真は3月に京都府立植物園で撮った。品種名はレガッタ・ブルースプラッシュとアクア・ブルーアイである。学名:Lobelia erinus★ロベリアは青い花びら埋め尽くし 蝶のごとくに風に舞い舞う花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
深山独活(ミヤマウド) 夏の花 2013年07月12日 深山独活(ミヤマウド)はウコギ科タラノキ属の多年草である。日本固有種である。本州の関東地方から中部地方にかけて分布し、山地や亜高山の林の中や岩場に生える。草丈は50~100センチくらいである。茎は独活(ウド)よりも細い。葉は2~3回羽状複葉である。小葉の形は卵形で先は尾状に尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6~8月くらいである。茎先や上部の葉の脇から散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を出し、花径3ミリくらいの紫色を帯びた緑色の5弁花をつける。花の後にできる実は球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、熟すと黒紫色になる。属名の Aralia は最初の標本についていたケベック州の現地語「aralie」からきている。種小名の glabra は「無毛の」という意味である。写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。学名:Aralia glabra★山に咲く独活の花とのご対面 姿は少し違っているね花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
峰楓(ミネカエデ) 夏の花 2013年07月11日 峰楓(ミネカエデ)はカエデ科カエデ属の落葉低木である。日本固有種である。北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山や高山の林の縁などに生える。樹高は1~3メートルくらいである。葉は手のひら状に5つから9つに裂け、向かい合って生える(対生)。葉のつけ根の部分は心形で、縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)があり、裂片の先は尖っている。葉の柄は赤味を帯びる。開花時期は6~7月である。雌雄同株である。枝先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、淡い黄緑色の花をつける。花径は8~10ミリくらいである。花弁と萼片は5枚ずつある。雄花と両性花がある。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。属名の Acer は「裂ける」という意味のラテン語からきている。種小名の tschonoskii は植物収集家「須川長之助(1842-1925)さんの」という意味である。写真は7月に岩手県の八幡平で撮った。学名:Acer tschonoskii★高山に背丈も低く咲く楓 花の形も変わっているよ花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
姫葉薊(ヒメハアザミ) 夏の花 2013年07月10日 姫葉薊(ヒメハアザミ)はキツネノマゴ科ハアザミ属(アカンツス属)の常緑低木である。属名の読み方は「アカンサス」とするものもある。原産地は西アフリカである。日本へは昭和時代の初期に渡来した。樹高は1~2メートルである。根際に生える葉は楕円形で羽状に深く切れ込み、縁には刺がある。開花時期は5~8月くらいである。茎先に長い穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、淡い紫色を帯びた唇形の花をつける。苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)にも長い棘がある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。同属のアカンツス・モリス(Acanthus mollis)が一般にアカンサスと呼ばれ、和名を葉薊(ハアザミ)という。それよりも小形なので姫葉薊(ヒメハアザミ)の名がついた。学名のアカンツス・モンタヌスで表示をする場合もある。属名の Acanthus はギリシャ語の「akanthos(棘の多い)」からきている。種小名の montanus は「山地に生える」という意味である。写真は2月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Acanthus montanus★姫の名はつけど鋭き棘をもつ 姫葉薊は身を堅くして花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|