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細葉の菊葉鍬形(ホソバノキクバクワガタ)



細葉の菊葉鍬形(ホソバノキクバクワガタ)はゴマノハグサ科クワガタソウ属(ルリトラノオ属)の多年草である。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
北方領土を含む北海道に分布し、知床半島や南千島の高山に生える。
分類上は菊葉鍬形(キクバクワガタ)の品種の1つとされる。
基本種に比べて葉が細く切れ込み、花は色の濃い大輪である。
「鍬形」の由来は、実につく萼を兜飾りの鍬形にたとえたものである。
「菊葉」は文字通り「菊の葉」に似るという意味である。
草丈は10~20センチくらいである。
葉は卵形で羽状に深く切れ込み、向かい合って生える(対生)。
開花時期は6~8月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、濃い青紫色の花をたくさんつける。
花冠は深く4つに裂けて横に開き、皿のような形になる。
上部の裂片には縦に筋が入る。
2本の雄しべと1本の雌しべの花柱が花から突き出す。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Veronica は聖者ベロニカに捧げられた名である。
種小名の schmidtiana はドイツ人の植物学者でサハリンの研究をした「シュミット(Friedrich Schmidt, 1832-1908)さんの」という意味である。
品種名の lineariloba は「直線状の裂片のある」という意味である。
写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Veronica schmidtiana subsp. schmidtiana f. lineariloba(=Pseudolysimachion schmidtianum subsp. schmidtianum f. linearilobum)

★知床の山奥深く咲くという
 鍬形の花瑠璃も色濃く




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ゴンゴラ・マクラタ



ゴンゴラ・マクラタはラン科ゴンゴラ属の多年草である。
ゴンゴラ属は中南アメリカに25種くらい分布する着生種である。
本種の原産地はトリニダード島からペルーにかけてである。
草丈は80センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)である。
開花時期は6~7月である。
花茎の先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を下垂させ、黄白色の花をたくさんつける。
花径は4~5センチで、褐色の斑がたくさん入る。
花は短命で、次々と咲く。
属名の Gongora はヌエバ・グラナダ(コロンビアとエクアドル)の総督だった「ゴンゴラ(Antonio Caballero y Gongora, 1723-1796)さん」の名からきている。
種小名の maculata は「斑点のある」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Gongora maculata

★きっかいな姿の花にぎょっとする
 不思議育む熱帯アメリカ




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西洋金水引(セイヨウキンミズヒキ)



西洋金水引(セイヨウキンミズヒキ)はバラ科キンミズヒキ属の多年草である。
原産地はヨーロッパである。
イギリスを含めて広く分布し、草地や荒れ地に生える。
英名はアグリモニー(agrimony)という。
全草にアプリコットのような甘い香りがある。
古代ギリシャの時代から薬草として利用されてきた。
打ち身や切り傷の薬となるほか、消化促進などの薬効もある。
草丈は40~60センチくらいである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は披針形(笹の葉のような形)で、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~9月である。
枝先に細長い総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い小さな花をつける。
花弁は5枚、萼片も5枚である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Agrimonia はギリシャ語の「argemone(アザミゲシ属)」からきている。棘が多くて似ているためだが、転用する際に綴りを間違えたという。
種小名の eupatoria は「良き父」という意味である。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Agrimonia eupatoria

★なるほどね金水引の仲間なの
 似ている花がヨーロッパにも




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花石榴(ハナザクロ)



石榴(ザクロ)はザクロ科ザクロ属の落葉小高木である。
原産地は地中海沿岸から西アジアにかけた地域である。
樹高は5メートルほどになる。
枝分かれが多く、棘がある。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉には艶がある。
開花時期は6~7月である。
5センチくらいの筒状をした六弁花をつける。
観賞用の品種で八重咲きのものを花石榴(ハナザクロ)と呼んでいる。
残念ながら実はならない。
属名の Punica はラテン語の「punicus(カルタゴの)」からきている。ザクロの産地と考えたものと思われる。
種小名の granatum は「粒状の」という意味である。
品種名の Pleniflora は「八重咲きの花の」という意味である。
写真は6月に野田市の清水公園で撮った。
紅白の絞りで五彩榴(ゴサイリュウ)という品種である。
学名:Punica granatum 'Pleniflora'

★紅白の絞りの色も鮮やかに
 花石榴咲く仇花なれど




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姫実栗(ヒメミクリ)



姫実栗(ヒメミクリ)はミクリ科ミクリ属の多年草である。
抽水植物で根は水底の土の中にあり、茎や葉が水面から上に伸びている。
北海道から九州にかけて分布し、湿地や河川などに生える。
海外では、北半球の各地やオーストラリアに広く分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は40~90センチくらいである。
葉は線形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は7~8月である。
茎の上部に雄花序、下部に雌花序をつける。
花の色は緑白色である。
花の後に、緑色の球形で栗のイガに似た集合果をつける。
和名の由来は、実が栗のいがに似ていることからきている。
属名の Sparganium はギリシャ語の「sparganon(帯)」からきている。
種小名の subglobosum は「やや球形の」という意味である。
写真は9月に大阪市大植物園で撮った。
学名:Sparganium subglobosum

★面白い形に笑みが浮かび出る
 実栗の仲間個性たっぷり



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