ヘーベ・カルネア・ロセア 夏の花 2016年05月15日 ヘーベ・カルネアはゴマノハグサ科ヘーベ属の常緑低木である。分類体系によっては(APGIII)オオバコ科とされる。ヘーベ属はニュージーランドやオーストラリアを中心に100種以上が分布する。また、園芸品種もたくさん作出されている。ヘーベ・カルネアは1881年にニュージーランドで発見された。ニュージーランド産のパルビフォリア種(Hebe parviflora)とスペキオサ種(Hebe speciosa)の交雑種ではないかと考えられている。ロセア(Rosea)はそこから開発された園芸品種の1つである。樹高は100センチから120センチくらいである。葉は披針形(笹の葉のような形)で、向かい合って生える(対生)。日本での開花時期は5月から7月である。葉の脇から穂状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、小さな紅紫色の花をつける。花冠は4つに裂け、2本の雄しべが突き出る。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Hebe はギリシャ神話の女神「ヘーベー(Hebe, ゼウスとヘラの娘)」の名からきている。種小名の carnea は「肉色の」という意味である。園芸品種名の Rosea は「バラ色の」という意味である。写真は7月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Hebe x carnea 'Rosea'★ヘーベにもいろんな仲間があるんだね 見慣れぬ花にわくわくするよ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
金竜花(キンリュウカ) 夏の花 2016年05月09日 金竜花(キンリュウカ)はキョウチクトウ科キンリュウカ属(ストロファンツス属)の蔓性常緑低木である。ストロファンツス属はアフリカや熱帯アジアに35種から40種くらいが分布する。本種が代表種で、属名の和名もキンリュウカ属という。和名の由来は、黄色い花弁(裂けた花冠)が細くねじれている様子をたとえたものである。別名を山羊の角夾竹桃(ヤギノツノキョウチクトウ)という。これは、二股に分かれて角のように見える実の形からつけられた名である。学名のストロファンツス・ディバリカツスで表示するものもある。本種の原産地は中国の南西部、ベトナム、ラオスで、山道の傍らなどに生える。樹高は2メートルから5メートルくらいである。葉は細長い卵形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は5月から7月くらいである。花冠は黄緑色で5つに裂け、5本の萼片がだらりと紐状に垂れ下がる。喉の部分には赤紫色の模様が入る。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。実の中には白い長い毛が密生した細長い種子がたくさん入っている。全草が有毒だが、薬用としても強い効果がある。生薬名は羊角拗(ようかくおう)といい、ストロファンチンという強心作用をもつ物質が含まれている。属名の Strophanthus はギリシャ語の「strophos(ねじれた紐)+ anthos(花)」からきている。種小名の divaricatus は「広く開いて分かれた」という意味である。写真は5月に東京都薬用植物園の温室で撮った。学名:Strophanthus divaricatus★唸るほど不思議な花の姿見て 実も見たいなと思い強まり花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ヒマラヤ山法師(ヒマラヤヤマボウシ) 夏の花 2016年05月06日 ヒマラヤ山法師(ヒマラヤヤマボウシ)はミズキ科ヤマボウシ属(ベンタミディア属)の常緑高木である。ベンタミディア属はアジアと北アメリカに5種が分布する。日本にも山法師(ヤマボウシ)が分布し、属名の和名はヤマボウシ属という。ただし、分類体系によっては(APGIII)ミズキ属(Cornus)に含め、ヤマボウシ亜属とする場合もある。本種の原産地は中国の南西部(貴州、四川、チベット、雲南省)とヒマラヤ(ミャンマー、ブータン、ネパール、インド)である。標高1000メートルから3200メートルの森に生える。中国名は頭状四照花という。樹高は6メートルから12メートルくらいである。葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は5月から6月である。枝先に花びらのように見えるクリーム色の総苞(花序全体を包む葉の変形したもの)を4枚つけ、真ん中に小さな緑色の花を密生させる。山法師(ヤマボウシ)の場合は総苞の色がもっと白っぽい。花の後にできる実は核果(水分が多く柔らかい果皮をもつ果実)で、秋に赤く熟する。赤く熟した実は食べられる。属名の Benthamidia はイギリスの植物学者「ベンサム(George Bentham, 1800-1884)さん」の名からきている。種小名の capitata は「頭状の」という意味である。写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Benthamidia capitata(syn. Cornus capitata)★花の色少し違って面白い 寒地の木だが葉は落ちないよ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
葛藤(ツヅラフジ) 夏の花 2015年08月16日 葛藤(ツヅラフジ)はツヅラフジ科ツヅラフジ属(シノメニウム属)の蔓性落葉低木である。シノメニウム属は本種のみの1属1種である。日本にも分布し、属名の和名をツヅラフジ属という。日本では本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山地の石灰岩の林の縁などに生える。海外では、台湾、中国、タイ、ネパール、インドの北部などにも分布する。和名の由来は藤(フジ)に似た蔓性の植物ということからきている。別名を大葛藤(オオツヅラフジ)ともいう。中国名は「風龍」である。茎や根茎を干したものを生薬で防已(ぼうい)といい、利尿・鎮痛作用がある。蔓の長さは10メートルに達する。葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える(互生)。切れ込みのないものもあれば、浅く5つから7つに裂けるものもあり、変化が多い。葉の質は薄く、両面ともに毛は生えない。葉の柄が5センチから10センチくらいあり長いのが特徴である。雌雄異株である(同株のこともある)。開花時期は6月から8月くらいである。枝先や葉の脇から円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、淡い緑色の小さな花をたくさんつける。花弁数は6枚、萼片数も6枚である。花の後にできる実は球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、黒く熟する。属名の Sinomenium はギリシャ語の「sino(中国の)+menis(半月)」からきている。中国産で果実の核が半月形であることから名づけられた。種小名の acutum は「鋭い形の」という意味である。写真は8月に小石川植物園で撮った。学名:Sinomenium acutum★面白味あるではないが葛藤 姿地味でも人に役立ち花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
鬼野老(オニドコロ) 夏の花 2015年08月12日 鬼野老(オニドコロ)はヤマノイモ科ヤマノイモ属(ディオスコレア属)の蔓性多年草である。ディオスコレア属は世界の温帯や熱帯に600種以上が分布する。日本にも山芋(ヤマノイモ)などが分布し、属名の和名をヤマノイモ属という。本種は北海道から九州にかけて分布し、山野の草地や川岸などに生える。海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。地下の根茎は太く長く伸びてひげ根を出す。地上に伸びる茎は右巻きの蔓を出し、木に絡みついて生長する。蔓の長さは数メートルになる。葉は円心形から三角状の心形で先は長く尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない(全縁)。長さは5センチから12センチあり大きい。葉は互い違いに生える(互生)。山芋(ヤマノイモ)とよく似ているが、こちらは向かい合って生える(対生)。また、山芋(ヤマノイモ)にはムカゴがつく。開花時期は7月から8月である。雌雄異株である。花径は2ミリくらいで、花の色は黄緑色である。花被片は6枚、雄しべは6本である。雄花は花穂が直立し、雌花は細長い花穂が垂れ下ってつく。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け種子が散布される果実)で、3個の翼があり、穂状に並んでつく。「野老」の名は、ひげ根の多い根茎を老人になぞらえたものである。「鬼」は近縁種よりも葉が大きいことからきている。根茎には苦みがあり、有毒である。生薬名を菟かい(ひかい)といい、魚毒として利用された。花言葉は「子だくさん」である。属名の Dioscorea はギリシャの医師で植物学者だった「ディオスコリデス(Pedanius Dioscorides, 40-90AD)」の名からきている。種小名の tokoro は日本名の「トコロ」からきている。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Dioscorea tokoro★絡みつき野性の力見せつけて 鬼野老咲く太陽の下花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|