クレオメ 夏の花 2016年08月21日 クレオメ(cleome)はフウチョウソウ科タレナヤ属の一年草である。分類体系によっては(APG第3版)アブラナ科とされる。タレナヤ属は5種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)かつて属していたクレオメ属(フウチョウソウ属)から分離された属である。本種の原産地は熱帯アメリカである。英名はスパイダーフラワー(spider flower)という。日本へは明治時代の初期に渡来した。 和名は西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ)という。和名の由来は、風に舞う蝶のような花姿で洋種であることからきている。別名をクレオメやクレオメ草(クレオメソウ)という。これは旧属名からきた名である。庭植え、鉢植えで観賞用に栽培されている。逸出したものが全国各地で野生化している。例えば北海道のブルーリストではBランク(北海道に定着している外来種)に選定されている。草丈は80センチから120センチくらいである。葉は手のひら状の複葉で、互い違いに生える(互生)。小葉は5枚から7枚からなる倒卵形で、縁にはわずかにぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は7月から9月である。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、たくさんの4弁花をつける。花の色は桃色が多いが、白や紫色のものもある。4本ある雄しべが長くて目立つ。花は下から上へと咲き上っていく。夕方から咲き始め、翌日の昼ころには花の色が薄くなる。花の後にできる実は長いさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。花言葉は「秘密のひととき」である。8月18日の誕生花である。属名の Tarenaya の語源はまだ調べられていない。種小名の spinosa は「棘の多い」という意味である。写真は7月に札幌の大通公園で撮った。学名:Tarenaya spinosa(異名:Cleome spinosa)★クレオメは頬に紅差す夜の蝶 今宵咲くのは主のためなり☆薄紅に頬を染めれば愛らしく 秘密のときに花は酔いしれ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
シスタス 夏の花 2016年08月09日 シスタス(Cistus)はハンニチバナ科ゴジアオイ属(キスツス属)の常緑低木の総称である。キスツス属は地中海沿岸地方やカナリア諸島などに20種くらいが分布する。同属のキスツス・アルビドス(Cistus albidus)に午時葵(ゴジアオイ)の和名があり、属名の和名はゴジアオイ属という。英名はロックローズ(rock rose)である。これは、この属の仲間全体への呼称である。日本へは大正時代に渡来した。庭植えや鉢植えで愛好されている。園芸的には属名のキスツス(Cistus)を英語風に読んだシスタスの名で流通している。高温多湿を嫌うため日本ではそれほど普及していないが、聖書にも登場する花ということで欧米ではポピュラーな観賞用植物となっている。樹高は30センチから200センチくらいである。葉は細長い卵形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6月から8月くらいである。花径3センチから4センチくらいの杯状の5弁花をつける。花の色は白いものが多いが、園芸品種にはブルー、ピンク、赤、紫などのものもある。開いてから8時間ほどで散ってしまう半日花であるが、次々に新しい花が咲いてくる。花言葉は「人気」である。8月9日の誕生花である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、箱のような形をしている。属名の Cistus はギリシャ語の「kistos(古代ギリシャでのこの植物の名)」からきている。写真は7月に野田市の清水公園花ファンタジアで撮った。学名:Cistus spp.★半日の命なれどもシスタスは 華麗に咲いて命引き継ぎ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
サルビア 夏の花 2016年08月07日 緋衣を纏いサルビア蜜の味サルビア(Salvia)はシソ科アキギリ属(サルビア属)の多年草である。サルビア属は中南アメリカやヨーロッパを中心に900種くらいが分布する。また、多くの園芸品種が作出されている。日本にも秋桐(アキギリ)などが分布し、属名の和名をアキギリ属という。本種の原産地はブラジルで、標高2000メートルから3000メートルの山地に生える。英名はスカーレットセージ(scarlet sage)という。セージはサルビアの仲間を示す言葉である。中国名は一串紅(yi chuan hong)という。日本へは明治時代の中期に渡来した。園芸的には一年草として扱われ、庭植え、鉢植えとして愛好されている。また、逸出したものが一部で野生化している。和名は緋衣草(ヒゴロモソウ)という。サルビアは属名であるが、普通はサルビアといえば本種を指す。YListにも別名としてサルビアの名が記載されている。草丈は50センチから100センチくらいである。茎の断面は四角形である。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6月から11月くらいである。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、朱色の唇形をした花をたくさんつける。花のつけ根で赤く咲いているように見えるのは萼である。花はすぐに落ちるが、色づいた萼が残るので長期間咲いているように見える。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。俳句の季語は夏である。花言葉は「燃える思い」である。8月7日の誕生花である。属名の Salvia はラテン語の「salvare(治療)」からきている。薬用になるものが多いことから名づけられた。種小名の splendens は「光輝ある」という意味である。写真は5月に川口市立グリーンセンターで撮った。学名:Salvia splendens★朱に染まり咲くサルビアは夏の陽を 浴びてしおれず花壇いろどり☆ぎらぎらと真夏の陽射し負けはせぬ 燃ゆる想いは古き時より花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ユーコミス 夏の花 2016年08月05日 ユーコミスはユリ科ユーコミス属(エウコミス属)の多年草である。分類体系によっては(APG第3版)クサスギカズラ科とされる。エウコミス属はアフリカの南部に12種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)ユーコミスの名は属名を英語風に読んだもので、園芸的にはこの名称で流通している。園芸品種も含めてすべてこの名称に含まれるが、中心となる品種は本種(エウコミス・アウツムナリス)である。英名はパイナップルリリー(pineapple lily)という。これも、エウコミス属全体を指す名称である。日本へは明治時代の末期に渡来した。庭植えや鉢植えとして愛好されている。本種の原産地も南アフリカである。山地の湿り気のある斜面に生える。草丈は30センチから80センチくらいである。根際から生える葉は幅の広い線形で輪のようになって生え(輪生)、ロゼット状となる。開花時期は7月から8月である。茎先に円柱状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花がたくさんつく。咲き進むと花の色は緑色になる。花径は2センチくらいで、花被片は6枚である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。茎先には小さな葉のような形をした苞がたくさんつく。その姿がパイナップルを連想させることが、英名の由来である。花言葉は「完璧」である。8月4日の誕生花である。属名の Eucomis はギリシャ語の「eu(良)+ kome(髪の毛)」からきている。乾燥地に育って緑に覆われることから名づけられた。種小名の autumnalis は「秋咲きの」という意味である。写真は7月につくば植物園で撮った。学名:Eucomis autumnalis★夏空にとても似合ってチャーミング こんもりと咲くパイナップルリリー☆爽やかな風を思わすユーコミス パイナップルの姿可愛く花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
未草(ヒツジグサ) 夏の花 2016年07月29日 未草(ヒツジグサ)はスイレン科スイレン属(ニンファエア属)の多年草である。ニンファエア属は世界各地の熱帯や温帯に58種が分布する。(Catalogue of Life: 2016 Annual Checklist より)また、多くの園芸品種が作出されている。日本には本種のみが分布する。本種の中国名を睡蓮(shuilian)という。これを音読みしたスイレンがこの仲間の総称となっており、属名の和名もスイレン属という。英名はピグミーウォーターリリー(pygmy water lily)である。本種は沖縄をのぞく日本各地に分布し、池や沼に生える。海外では、中国、台湾、シベリア、インド北部、ヨーロッパ、北アメリカなどに広く分布する。和名の由来は、未の刻(午後2時)ころに開花するというところからきている。実際には午前中に花を開き、夕方にはしぼむ。草丈は20センチから50センチくらいである。葉は根際から生えて水面に浮く。円形でつけ根の部分はやじり形に深く切れ込んでいる。開花時期は5月から10月くらいである。花茎の先に花径5センチくらいの白い花をつける。花弁は8枚から15枚くらいである。萼片は4枚、雄しべはたくさんある。一つの花は3日咲いた後、水中に沈んで実をつける。花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。花言葉は「純真」「信仰」である。俳句の季語は夏である。7月23日の誕生花である。明治時代の末期から栽培品種が輸入されるようになり、逸出したものが野生化している。在来種の遺伝的撹乱が懸念されている。属名の Nymphaea はギリシャ神話に登場する水の女神「ニンファー(Nympha)」からきている。種小名の tetragona は「四角の」という意味である。写真は5月につくば植物園で撮った。学名:Nymphaea tetragona★どきどきと胸躍らせて近づけば 未草咲く清楚な姿☆真っ白な花は水面を飾るよに 静かに祈る未草咲く花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|