柳丁子草(ヤナギチョウジソウ) 春の花 2016年05月24日 柳丁子草(ヤナギチョウジソウ)はキョウチクトウ科チョウジソウ属(アムソニア属)の多年草である。アムソニア属はアジアや北アメリカなどに20種くらいが分布する。日本にも丁子草(チョウジソウ)が分布し、属名の和名をチョウジソウ属という。「丁子草」の名の由来は、フトモモ科の丁子(チョウジ)に似た花を咲かせることからきている。漢字では「丁字草」とも書き、これは花を横から見ると「丁」の字に見えることからきている。「柳」は葉の形をなぞらえたものである。本種の原産地は北アメリカである。アメリカ合衆国のペンシルベニア州からカンザス州にかけて分布し、湿った林の中や河岸に生える。英名はブルースター(bluestar)、テキサスブルースター(Texas bluestar)などである。YListでは表記の名を和名としているが、これを柳葉丁子草(ヤナギバチョウジソウ)とする文献もある。日本へは昭和5年ころに渡来し、主に庭植えとされている。好ましくないことだが、園芸的には「丁子草」として流通している。草丈は60センチから90センチくらいである。葉の形は細長い披針形(笹の葉のような形)で先が尖り、互い違いに生える(互生)。開花時期は4月から7月である。小さい筒形で先が5つに裂ける淡い青色をした花が下向きに咲く。花の後にできる実は円柱状の袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。全草に有毒成分を含み、誤食すると危険である。花言葉は「信じ合う心」である。属名の Amsonia はアメリカの植物学者「アムソン(Charles Amson, 1700's)さん」の名からきている。種小名の tabernaemontana はドイツ人の植物学者「タベルナエモンタヌス(Jacobus Theodorus Tabernaemontanus, 1525-1590)さんの」という意味である。写真は5月に日光植物園で撮った。学名:Amsonia tabernaemontana★似た花がアメリカに咲くことがある ここにもあったそんな不思議が花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
黄花カナダ苧環(キバナカナダオダマキ) 春の花 2016年05月21日 カナダ苧環(カナダオダマキ)はキンポウゲ科オダマキ属(アクイレギア属)の多年草である。アクイレギア属は世界に70種くらいが分布する。また、多くの園芸品種が作出されている。日本にも苧環(オダマキ)などがあり、属名の和名をオダマキ属という。カナダ苧環(カナダオダマキ)の原産地は北アメリカである。カナダのノバ・スコシア半島からロッキー山脈以東のテキサス州にかけて分布する。学名からアクイレギア・カナデンシスとする場合もある。黄花カナダ苧環(キバナカナダオダマキ)はその園芸品種である。表記の名は日本での流通名である。園芸品種名はコルベット(Corbett)という。したがって、正式な名称はアクイレギア・カナデンシス・コルベットということになる。コルベットというのはメリーランド州にある小さな町の名で、この花の最初の発見地である。コルベットは選別種で、萼片も黄色い(したがって全体が黄色い)矮性の品種である。草丈は20センチから30センチくらいである。根際から生える葉には長い柄があり、2回3出複葉である。小葉は扇形で2つか3つに裂ける。開花時期は4月から6月である。茎の上部に長さ2センチから3センチの花を数輪下向きにつける。萼弁は5枚、花弁も5枚で、色は黄色である。雄しべが花弁よりも外に飛び出している。花弁のつけ根の部分は長く伸びて距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)となる。距は日本のものよりも太く、巻き込まずに長く伸びている。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。属名の Aquilegia はラテン語の「aquila(鷲)」からきている。曲がった距がワシの距に似ていることから名づけられた。種小名の canadensis は「カナダの」という意味である。写真は5月に神戸市の六甲高山植物園で撮った。学名:Aquilegia canadensis 'Corbett'★晴れたならどんなに綺麗に写せたか でも雰囲気はよく伝わるよ花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ペラルゴニウム・エンゼルアイズ 夏の花 2016年05月19日 ペラルゴニウムはフウロソウ科テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)の植物の総称である。ペラルゴニウム属は南アフリカを中心に200種くらいが分布する。また、数千にのぼる園芸品種が作出されている。同属のペラルゴニウム・インクイナンス(Pelargonium inquinans)に天竺葵(テンジクアオイ)の和名があり、属名の和名はテンジクアオイ属という。エンゼルアイズ(Angel Eyes)シリーズはそうした園芸品種の1つである。ドイツのドレスデンにある Elsner pac Jungpflanzen という会社で作出された。小輪だが花つきがよく、開花時期の長い四季咲き性の品種である。このような四季咲き性のものは夏咲き天竺葵(ナツザキテンジクアオイ)の名でも通している。草丈は20センチから40センチくらいである。全草に芳香があり、軟毛と腺毛(粘着物質を出す毛)が混生する。葉は円形で手のひら状に切れ込み、互い違いに生える(互生)。縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は3月から11月くらいである。茎先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、花径20ミリくらいの花をつける。花弁は5枚で、上の2枚と下の3枚の大きさや形が違う。花の色には淡い紅色、紫色、オレンジ色などのものがあり、濃淡のグラデーションがかかる。また、複色のものもある。属名の Pelargonium はギリシャ語の「pelargos(コウノトリ)」からきている。実の形がコウノトリのくちばしに似ることから名づけられた。写真は6月に富山県中央植物園で撮った。エンゼルアイズ・ビオラ(Angel Eyes Viola)という品種である。学名:Pelargonium 'Angel Eyes'★濃淡のグラデーションが美しい エンゼルアイズの花に見とれて花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
宜蘭犬枇杷(ギランイヌビワ) 四季咲きの花 2016年05月18日 宜蘭犬枇杷(ギランイヌビワ)はクワ科イチジク属(フィクス属)の常緑高木である。フィクス属は熱帯を中心に800種くらいが分布する。同属のフィクス・カリカ(Ficus carica)に無花果(イチジク)の和名があり、属名の和名もイチジク属という。本種は八重山諸島の石垣島、西表島、与那国島に分布し、石灰岩地などに生える。海外では、台湾、中国南部、フィリピン、東南アジア、インド、オーストラリア北部などに分布する。和名にある「宜蘭」は台湾北東部に位置する地名である。コニシイヌビワや首長無花果(クビナガイチジク)の別名がある。樹高は10メートルから20メートルくらいである。樹皮は灰白色である。気根は出ず、滑らかな板根が発達する。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の質は革質で分厚く艶がある。葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。雌雄同株である。開花時期は周年である。イチジク属なので隠頭花序(花軸の先が膨らんで壷型となり、その中に単性の花を密生する)である。淡い黄色の幹生花で、幹や太い枝にびっしりつく。直径は1センチくらいである。実は淡い紅色に熟する。実はオオコウモリ類の好物で、種子を散布する。実は食用になる。属名の Ficus はイチジクのラテン語古名からきている。種小名の variegata は「斑入りの」という意味である。写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Ficus variegata★イチジクの仲間はどこか似ているね 花の形でなんとかわかる花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ディソスマ・ベルシペリス 春の花 2016年05月16日 ディソスマ・ベルシペリスはメギ科ミヤオソウ属(ディソスマ属)の多年草である。ディソスマ属は中国に数種が分布するが、その識別にはまだ混乱が見られるようである。YListでは、同属からはディソスマ・プレイアンタ(Dysosma pleiantha)1種のみを取り上げ、これにミヤオソウの和名を充てている。そこで、これを代表種と見なし、属名の和名はミヤオソウ属とする。なお、この属名は多くの文献で使用されているが、ミヤオソウを漢字でどう書くのかは確認できていない。本種の原産地は中国である。安徽省、福建省、広西、貴州、河南省、湖北省、湖南省、広西チワン族自治区、陝西省、四川省、雲南省、浙江省などに分布し、標高300メートルから2200メートルの湿った森の中などに生える。中国名は八角蓮という。和名については、蓮の葉草 (ハスノハグサ)とする文献がある一方で、撮影地では本種の和名をミヤオソウとしている。これも混乱しているようなので、学名で表示することとする。なお、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(ver 3.1, 2004)では絶滅危惧II類(VU)に指定されている。分布域は広いが亜集団は小さく、減少しているという。草丈は60センチから90センチくらいである。太い茎の先に大きな葉を2枚広げる。葉は円形で、手のひら状に4つから9つに浅く裂ける。開花時期は5月である。葉の下に暗い紅紫色の花を数輪つける。結実期は9月から10月である。花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。葉や根茎にアルカロイドを含み毒草である。全草を薬用にする。属名の Dysosma はギリシャ語の「dysodes(悪臭のある)+osme(香り)」からきている。種小名の versipellis は「藍色を帯びた黒色に変わる」という意味である。写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Dysosma versipellis(syn. Podophyllum versipelle)★混乱を恐れず調べ行き当たる まあまあこれで精一杯かな花図鑑植物図鑑ミラーサイト|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|