七島蝦蔓(シチトウエビヅル) 夏の花 2013年08月27日 七島蝦蔓(シチトウエビヅル)はブドウ科ブドウ属の蔓性落葉木本である。蝦蔓(エビヅル)の地域変種で伊豆諸島に分布し、山地の林の縁などに生える。巻きひげで他の木にからみつく。基本種との違いは、葉が大型なことである。葉は心形で、互い違いに生える(互生)。葉は浅く3つに裂け、裂片の先は尖る。縁には疎らに浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。裏面には赤褐色の綿毛が生える。和名の由来は、葉の裏面の色を「エビ」にたとえたものである。開花時期は6~8月である。葉と向かい合って円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、黄緑色の小さな花をつける。花びらは5枚で先がくっつき、開花すると落ちる。雌雄異株である。どちらも黄緑色で、雄花には雄しべが5本あり、雌花にも雄しべが5本と雌しべが1本ある。花の後にできる実は球形の液果(水分を多く含み中に種が1つある)で、10月ころに黒く熟する。甘酸っぱい味がして食べられる。属名の Vitis はラテン語の「vitis(つる植物)」からきている。種小名の ficifolia は「イチジク属(Ficus)のような葉の」という意味である。変種名の izuinsularis は「伊豆諸島の」という意味である。写真は8月につくば植物園で撮った。学名:Vitis ficifolia var. izuinsularis★山葡萄思わすような大きな実 見つけて頬の思わず緩み花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
初雪葛(ハツユキカズラ) 観葉植物 2013年08月26日 初雪葛(ハツユキカズラ)はキョウチクトウ科テイカカズラ属の蔓性常緑低木である。定家葛(テイカカズラ)の斑入り園芸品種である。特徴は、新しく出た葉が白やピンクなど五色葉になることである。匍匐性で、地面を這うように広がる。古くから庭園用として使われてきたが、最近は鉢物やガーデニング用としても人気がある。蔓の長さはは3~6メートルくらいになる。葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。冬の紅葉、春の新緑など一年を通して楽しめる。開花時期は5~9月である。花を咲かせるのは稀である。花の色は最初は純白で、終わりに近づくと黄色くなる。スクリューのような形をしている合弁花で、5つに裂けている。花のつけ根の筒には雄しべ5本と雌しべが入っている。茎や葉を切ると出る白い乳液はステロイドを含み、有毒なので注意が必要である。属名の Trachelospermum はギリシャ語の「trachelos(首)+sperma(種子)」からきている。種子がくびれていることから名づけられた。種小名の asiaticum は「アジアの」という意味である。写真は7月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Trachelospermum asiaticum 'Hatuyukikazura'★派手やかに葉の色変えて変化する 初雪葛地面を覆い花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
蜀黍(モロコシ) 未選択 2013年08月25日 蜀黍(モロコシ)はイネ科モロコシ属(ソルガム属)の一年草である。原産地は熱帯アフリカである。紀元前3000年には既にエジプトで栽培されていたという。アジアでも紀元前より栽培され、日本へは室町時代に中国から渡来した。中国名は高粱(コーリャン)という。英名はソルガム(sorghum)である。熱帯では主食として用いられるほか、酒類、菓子、ブドウ糖などの原料とされる。日本では、南九州などで飼料作物として栽培されている。草丈は1~3メートルくらいである。葉は披針形(笹の葉のような形)で長い。開花時期は8~10月である。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、たくさんの花をつける。花の後にできる実はえい果(イネ科の果実で薄い木質の果皮が種子に密着している)である。9~10月ころに熟する。属名の Sorghum はラテン語の「sorgo(サトウモロコシ)」からきている。種小名の bicolor は「2色の」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Sorghum bicolor★蜀黍はいかなるものと調べれば これは驚き高粱の花花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
小笠原木麻黄(オガサワラモクマオ) 春の花 2013年08月24日 小笠原木麻黄(オガサワラモクマオ)はイラクサ科カラムシ属の常緑低木である。小笠原諸島の固有種である。海岸の崖地や山地の岩場、沢沿いなどに生える。樹高は1~2メートルである。樹形は株立ち状となる。葉は卵形でざらつく。葉の先は尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は3~4月である。葉の脇に長さ20~30センチの穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を垂れ下げ、ピンクを帯びた白い小さな花をたくさんつける。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。8月ころに黒く熟す。樹皮が強靭ではないので繊維材料としては利用されない。属名の Boehmeria はドイツの植物学者「ボーマー(Georg Rudolf Boehmer, 1723-1803)さん」の名からきている。種小名の boninensis は「無人島の(小笠原の)」という意味である。写真は7月に小石川植物園で撮った。学名:Boehmeria boninensis★木本のイラクサなんてあるんだね モクマオの名の伝播はいかに花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
枝垂れ槐(シダレエンジュ) 夏の花 2013年08月23日 枝垂れ槐(シダレエンジュ)はマメ科エンジュ属(クララ属)の落葉低木である。原産地は中国である。日本へは仏教と相前後して渡来したものと推定される。中国では、古くから槐(エンジュ)は縁起のよい木とされている。中でも変種の枝垂れ槐(シダレエンジュ)はその最高種とされ、庭木として珍重されてきた。基本種は高木となるが、本種は低木である。樹高は3~5メートルくらいである。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互生(互い違いに生える)する。小葉の形は卵形である。開花時期は7~8月である。枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)をつけ、淡いクリーム色をした蝶形の花を咲かせる。また、10~11月には数珠状にくびれた豆果(莢の中に種子が入るもの)をつける。花を乾かしたものは生薬で槐花(かいか)といい、煎じて止血薬にする。属名の Styphnolobium はギリシャ語の「styphn(縛った)+lobos(片)」からきている。莢がところどころでくびれることから名づけられた。種小名の japonicumは「日本の」という意味である。変種名の pendulum は「下垂の」という意味である。写真は8月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Styphnolobium japonicum var. pendulum(syn. Sophora japonica var. pendula)★照り返る夏日に負けず花つける 枝垂れ槐の優雅な姿花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|