紅頭秋海棠(コウトウシュウカイドウ) 秋の花 2013年10月01日 紅頭秋海棠(コウトウシュウカイドウ)はシュウカイドウ科シュウカイドウ属の常緑多年草である。八重山諸島に分布し、山地の渓流沿いややや湿った林の中などに生える。海外では、台湾、フィリピンにも分布する。「紅頭」は台湾にある発見地の旧島名である。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は40~80センチくらいである。根茎が這って広がる。葉は腎形で長い柄があり、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は3~10月くらいである。茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、白い花をつける。花びら(花被片)は4枚で、外側の大きな2枚が萼片、内側の小さな2枚が花弁である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Begonia はフランス人でサントドミンゴ島の総督だった「ベゴン(Michel Begon, 1638-1710)さん」の名からきている。種小名の fenicis は地名由来のようだがはっきりしない。写真は8月につくば植物園で撮った。学名:Begonia fenicis★温室の回廊下にほの見える 小さな花にピント合わせて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
小楢(コナラ) 春の花 2013年09月30日 小楢(コナラ)はブナ科コナラ属の落葉高木である。北海道から九州にかけて分布し、里山などに生える。海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。別名を柞(ハハソ)という。「ははそ」は古い言葉で、「母」にかかる枕詞でもあった。 樹高は15~30メートルくらいである。幹には銀白色の縦筋が不規則に走る。葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の裏面は軟毛が生えて、やや灰白色を帯びる。乾いた場所に生える葉は小さく、湿った場所では大きくなる。和名の由来は、水楢(ミズナラ)と比べて葉が小さいところからきている。水楢(ミズナラ)は別名を大楢(オオナラ)ともいう。開花時期は4~5月である。葉の展開と同時に花を咲かせる。雌雄同株である。雄花序は長さが6~10センチくらいあり、長く垂れ下がる。雌花序は短く、新しい枝の葉の脇につく。色はいずれも黄緑色である。花の後にできる実は堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)で、秋に熟して細長い楕円形のドングリとなる。かつて東北地方の山村では、小楢(コナラ)のドングリは重要な食料であった。材は木炭の原料とされるほか、椎茸(シイタケ)の原木などに使われる。属名の Quercus はケルト語の「quer(良質の)+cuez(材木)」を語源とするこの属の一種のラテン古名からきている。種小名の serrata は「鋸歯のある」という意味である。写真は4月に富山県中央植物園で撮った。学名:Quercus serrata★生活とつながり深い小楢の木 雄花垂らして風に揺ら揺ら花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
霧島岩杪羅(キリシマイワヘゴ) 観葉植物 2013年09月29日 霧島岩杪羅(キリシマイワヘゴ)はオシダ科オシダ属の常緑多年草である。「羅」の文字にはキヘンがつくが、ここでは仮に用いている。徳島県、宮崎県に分布し、山地の林の中や渓流沿いに生えるシダ植物である。海外では、中国の浙江省にも分布する。ニホンジカの食害で個体数を急速に減らしている。環境省のレッドリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。根茎は短くて直立する。葉身は披針形(笹の葉のような形)で、長さは35~60センチくらいある。上部の半分くらいが幅が広く、先のほうは鋭く尖る。胞子嚢群は中筋と葉の縁の間に並ぶ。属名の Dryopteris はギリシャ語の「dry(樫)+pteris(羊歯)」からきている。樫の木に着生するということから名づけられた。種小名の hangchowensis は中国の「杭州の」という意味である。写真は10月につくば植物園で撮った。学名:Dryopteris hangchowensis★その数がどんどん減っているようだ シダの仲間も大変だよね花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
孟宗竹(モウソウチク) 観葉植物 2013年09月28日 孟宗竹(モウソウチク)はイネ科マダケ属の常緑高木である。原産地は中国である。日本へは1736年に中国から薩摩藩に伝えられたという。現在では、北海道の松前から南西諸島にかけて各地に植栽され、竹林を形成している。しかし、伝わった場所の影響で西に多い。和名の由来は、病床にある母のために寒中に筍を掘った三国時代の人物、孟宗にちなむ。樹高は10~20メートルくらいになる。葉の長さは4~8センチで、枝先に8枚くらいまでつける。「竹の秋」という言葉があるように春に黄葉し、新しい葉に入れ替わる。開花するのは数10年に一度で、開花すると枯れる。俳句では、「竹の秋」が春の季語、「筍」が夏の季語である。属名の Phyllostachys はギリシャ語の「phullon(葉)+ stachys(穂)」からきている。葉片のついた苞に包まれた花穂の形から名づけられた。種小名の edulis は「食用の」という意味である。写真は5月に鎌倉の長谷寺で撮った。学名:Phyllostachys edulis★話には聞いていたけど凄いのは 孟宗竹の伸びる勢い花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
マクロザミア・パウリグイリエルミ 観葉植物 2013年09月27日 マクロザミア・パウリグイリエルミはソテツ科オニザミア属(マクロザミア属)の常緑小低木である。分類体系によってはザミア科とされる。原産地はオーストラリアの北東部である。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Ver.3.1, 2001)では絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。幹は主に地中生である。葉は羽状複葉で、長さが1メートルくらいである。小葉の形は幅の狭い線形である。属名の Macrozamia はギリシャ語の「macros(大きい)+Zamia(ザミア属)」からきている。種小名の pauli-guilielmi は人名由来と思われるがまだ解明できていない。写真は1月に新宿御苑で撮った。学名:Macrozamia pauli-guilielmi★背は低く地中深くに根を張って 羽を広げる原始の姿花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|