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紅頭秋海棠(コウトウシュウカイドウ)



紅頭秋海棠(コウトウシュウカイドウ)はシュウカイドウ科シュウカイドウ属の常緑多年草である。
八重山諸島に分布し、山地の渓流沿いややや湿った林の中などに生える。
海外では、台湾、フィリピンにも分布する。
「紅頭」は台湾にある発見地の旧島名である。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は40~80センチくらいである。
根茎が這って広がる。
葉は腎形で長い柄があり、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は3~10月くらいである。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、白い花をつける。
花びら(花被片)は4枚で、外側の大きな2枚が萼片、内側の小さな2枚が花弁である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Begonia はフランス人でサントドミンゴ島の総督だった「ベゴン(Michel Begon, 1638-1710)さん」の名からきている。
種小名の fenicis は地名由来のようだがはっきりしない。
写真は8月につくば植物園で撮った。
学名:Begonia fenicis

★温室の回廊下にほの見える
 小さな花にピント合わせて




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小楢(コナラ)



小楢(コナラ)はブナ科コナラ属の落葉高木である。
北海道から九州にかけて分布し、里山などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
別名を柞(ハハソ)という。
「ははそ」は古い言葉で、「母」にかかる枕詞でもあった。
樹高は15~30メートルくらいである。
幹には銀白色の縦筋が不規則に走る。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の裏面は軟毛が生えて、やや灰白色を帯びる。
乾いた場所に生える葉は小さく、湿った場所では大きくなる。
和名の由来は、水楢(ミズナラ)と比べて葉が小さいところからきている。
水楢(ミズナラ)は別名を大楢(オオナラ)ともいう。
開花時期は4~5月である。
葉の展開と同時に花を咲かせる。
雌雄同株である。
雄花序は長さが6~10センチくらいあり、長く垂れ下がる。
雌花序は短く、新しい枝の葉の脇につく。
色はいずれも黄緑色である。
花の後にできる実は堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)で、秋に熟して細長い楕円形のドングリとなる。
かつて東北地方の山村では、小楢(コナラ)のドングリは重要な食料であった。
材は木炭の原料とされるほか、椎茸(シイタケ)の原木などに使われる。
属名の Quercus はケルト語の「quer(良質の)+cuez(材木)」を語源とするこの属の一種のラテン古名からきている。
種小名の serrata は「鋸歯のある」という意味である。
写真は4月に富山県中央植物園で撮った。
学名:Quercus serrata

★生活とつながり深い小楢の木
 雄花垂らして風に揺ら揺ら




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霧島岩杪羅(キリシマイワヘゴ)



霧島岩杪羅(キリシマイワヘゴ)はオシダ科オシダ属の常緑多年草である。
「羅」の文字にはキヘンがつくが、ここでは仮に用いている。
徳島県、宮崎県に分布し、山地の林の中や渓流沿いに生えるシダ植物である。
海外では、中国の浙江省にも分布する。
ニホンジカの食害で個体数を急速に減らしている。
環境省のレッドリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。
根茎は短くて直立する。
葉身は披針形(笹の葉のような形)で、長さは35~60センチくらいある。
上部の半分くらいが幅が広く、先のほうは鋭く尖る。
胞子嚢群は中筋と葉の縁の間に並ぶ。
属名の Dryopteris はギリシャ語の「dry(樫)+pteris(羊歯)」からきている。樫の木に着生するということから名づけられた。
種小名の hangchowensis は中国の「杭州の」という意味である。
写真は10月につくば植物園で撮った。
学名:Dryopteris hangchowensis

★その数がどんどん減っているようだ
 シダの仲間も大変だよね




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孟宗竹(モウソウチク)



孟宗竹(モウソウチク)はイネ科マダケ属の常緑高木である。
原産地は中国である。
日本へは1736年に中国から薩摩藩に伝えられたという。
現在では、北海道の松前から南西諸島にかけて各地に植栽され、竹林を形成している。
しかし、伝わった場所の影響で西に多い。
和名の由来は、病床にある母のために寒中に筍を掘った三国時代の人物、孟宗にちなむ。
樹高は10~20メートルくらいになる。
葉の長さは4~8センチで、枝先に8枚くらいまでつける。
「竹の秋」という言葉があるように春に黄葉し、新しい葉に入れ替わる。
開花するのは数10年に一度で、開花すると枯れる。
俳句では、「竹の秋」が春の季語、「筍」が夏の季語である。
属名の Phyllostachys はギリシャ語の「phullon(葉)+ stachys(穂)」からきている。葉片のついた苞に包まれた花穂の形から名づけられた。
種小名の edulis は「食用の」という意味である。
写真は5月に鎌倉の長谷寺で撮った。
学名:Phyllostachys edulis

★話には聞いていたけど凄いのは
 孟宗竹の伸びる勢い




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マクロザミア・パウリグイリエルミ



マクロザミア・パウリグイリエルミはソテツ科オニザミア属(マクロザミア属)の常緑小低木である。
分類体系によってはザミア科とされる。
原産地はオーストラリアの北東部である。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(Ver.3.1, 2001)では絶滅危惧IB類(EN)に指定されている。
幹は主に地中生である。
葉は羽状複葉で、長さが1メートルくらいである。
小葉の形は幅の狭い線形である。
属名の Macrozamia はギリシャ語の「macros(大きい)+Zamia(ザミア属)」からきている。
種小名の pauli-guilielmi は人名由来と思われるがまだ解明できていない。
写真は1月に新宿御苑で撮った。
学名:Macrozamia pauli-guilielmi

★背は低く地中深くに根を張って
 羽を広げる原始の姿




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