紫御殿(ムラサキゴテン) 秋の花 2010年10月16日 紫御殿(ムラサキゴテン)はツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年草である。原産地はメキシコである。日本へは1955年に導入された。草丈は30センチから60センチくらいである。葉は細長い卵形で、互い違いに生える(互生)。葉や茎は鮮やかな黒紫色をしていて、表面には白っぽい毛が生える。葉は肉質で分厚い。葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はなく、つけ根の部分は茎を抱く葉鞘となる。開花時期は5月から11月と長い。花径2センチくらいの紅紫色をした3弁花である。真ん中に6本の雄しべと1本の雌しべが立ち上がる。葯(雄しべの花粉を入れる袋)の色は黄色い。英名をパープルハート(purple heart)という。写真は10月に川口市立グリーンセンターで撮った。学名:Tradescantia pallida cv. Purpurea(=Setcreasea pallida cv. Purpurea)★紫の葉が目を奪う変わり種 紫御殿は三角の花今日の花ドットコム花図鑑PR
柳葉向日葵(ヤナギバヒマワリ) 秋の花 2010年10月15日 柳葉向日葵(ヤナギバヒマワリ)はキク科ヒマワリ属(ヘリアンサス属)の多年草である。原産地は北アメリカである。草丈は80センチから120センチくらいである。葉が細く、それが名の由来にもなっている。開花時期は9月から10月である。茎先に花径5センチくらいの向日葵(ヒマワリ)に似た黄色い花(頭花)をたくさんつける。舌状花は淡い黄色で、筒状花は褐色をしている。英名をゴールデンピラミッド(Gorden pyramid)という。属名のヘリアンサスの名でも流通している。写真は9月に京都府立植物園で撮った。学名:Helianthus salicifolius★茎先に煌くような花つけて 秋の実りや柳葉向日葵今日の花ドットコム花図鑑
渋川白菊(シブカワシロギク) 秋の花 2010年10月14日 渋川白菊(シブカワシロギク)はキク科シオン属の多年草である。愛知県と静岡県に分布し、蛇紋岩地に稀に生える。分類上は、沢白菊(サワシロギク)の変種とされている。「渋川」というのは静岡県引佐町の渋川温泉のあるあたりの地名で、周辺には岩が露出し植物が生育しにくい蛇紋岩地域がある。環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。草丈は30センチから60センチくらいである。葉は披針形で艶があり、互い違いに生える(互生)。基本種と違って開花時期にも根生葉が残る。開花時期は8月から10月くらいである。舌状花ははじめは白く、後に淡い紅色を帯びる。花径は3センチくらいである。写真は10月につくば植物園で撮った。学名:Aster rugulosus var. shibukawaensis★渋川と言えばもちろん蛇紋岩 変わった草木を育む地形今日の花ドットコム花図鑑
岩菊(イワギク) 秋の花 2010年10月13日 岩菊(イワギク)はキク科キク属の多年草である。北海道から九州にかけて点々と隔離分布をし、海岸の岩場や山地の岸壁などに生える。海外では、朝鮮半島、中国やシベリアなどに幅広く分布する。大陸とつながっていた時代の遺存植物と考えられている。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は20センチから50センチくらいである。葉は長い柄がある幅の広い卵形である。葉はやや肉質で、表面には艶がある。葉は手のひら状に深く裂け、その裂片がさらに羽状に裂ける。開花時期は8月から11月である。茎先に花径3センチから5センチくらいの花(頭花)をつける。舌状花は白く、筒状花は黄色である。写真は10月につくば植物園で撮った。学名:Chrysanthemum zawadskii★逃げ道を失い残りし山の上 岩菊の花絶えることなく今日の花ドットコム花図鑑
黄花の石斛(キバナノセッコク) 秋の花 2010年10月12日 黄花の石斛(キバナノセッコク)はラン科セッコク属の多年草である。四国から沖縄にかけてと八丈島に分布する着生種である。海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。茎は普通は下垂し、長さが15センチから40センチくらいになる。葉は披針形で、数枚が互い違いに生える(互生)。開花時期は7月から10月くらいである。淡い黄緑色をした数輪の花をつける。唇弁には紅紫色の斑紋が入る。写真は10月につくば植物園の絶滅危惧植物展で撮った。学名:Dendrobium stricklandianum(=Dendrobium tosaense)★小振りでもしっかりとした花の色 静かに咲いた黄花の石斛今日の花ドットコム花図鑑