ミナロバータ 秋の花 2010年11月15日 ミナロバータ(Mina lobata)はヒルガオ科サツマイモ属(イポメア属)の蔓性多年草である。耐寒性がないので園芸上では一年草として扱われる。原産地はメキシコである。名は旧学名に由来する。英名はスパニッシュフラッグ(Spanish flag)である。大形の蔓性植物で、草丈は数メートルになることもある。葉は心形で3つに裂け、互い違いに生える(互生)。開花時期9月から11月である。茎先で2つに枝分かれして、壺形の花を並べてつける。咲き始めは赤い色をしているが、橙色、黄色、白と次第に変化する。写真は11月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Ipomoea lobata★少しずつ花色変えて伸びていく ミナロバータは彩り豊か今日の花ドットコム花図鑑PR
花梨(カリン) 果実・野菜 2010年11月14日 花梨(カリン)はバラ科カリン属(ボケ属)の落葉高木である。原産地は中国の東部である。漢名は「木瓜」である。日本へは1000年以上前に渡来したという。本州の東北地方から中国地方にかけて栽培が行われている。また、北海道から九州にかけて庭園樹や公園樹として植えられている。樹高は6メートルから10メートルくらいである。樹皮は鱗片状に剥がれるが、手触りは滑らかである。葉は倒卵形で、互い違いに生える(互生)。葉には柄があり、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。葉のつけ根の部分は円く、先は尖る。開花時期は3月から4月である。葉の展開と同時に花を咲かせる。枝先に1つずつ咲かせる花は、花径3センチくらいの淡い紅色をした5弁花である。雄しべは20本から22本、雌しべは5本である。結実期は10月から11月である。果実は長さが10センチくらいある長円形で洋梨のような形をしており、緑色から黄色に熟する。香りが強く、喉の薬として知られている。実はかなり固くて酸味も強いので、生食には適さない。加工されて、砂糖漬けやジャム、果実酒などに用いられる。古名を安蘭樹(アンランジュ)という。俳句では秋の季語である。実の写真は11月に板橋区立赤塚植物園で撮った。花の写真は3月に小石川植物園で撮った。学名:Pseudocydonia sinensis(=Chaenomeles sinensis)★ぼってりと青空抜けて花梨の実 見上げて触る幹はすべすべ今日の花ドットコム花図鑑
紅紐の木(ベニヒモノキ) 四季咲きの花 2010年11月13日 紅紐の木(ベニヒモノキ)はトウダイグサ科エノキグサ属(アカリファ属)の常緑低木である。原産地はインド、マレー半島、西インド諸島などである。樹高は2メートルから4メートルくらいである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の表面は暗い緑色で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6月から9月だが、暖地では周年性がある。花穂は赤く長い。花穂の長さは20センチから50センチくらいになる。花弁は退化していて無い。同属で草本のキャットテール(cat tail)とよく似ている。英名はシュニールプランツ(chenille plant)である。シュニールというのは、艶があって毛足の長いシュニール糸を指している。写真は11月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Acalypha hispida★温室に赤い花の穂垂れ下がる 紅紐の木の不思議な姿今日の花ドットコム花図鑑
紫式部(ムラサキシキブ) 果実・野菜 2010年11月12日 紫式部(ムラサキシキブ)はクマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木である。日本原産である。北海道の南部から沖縄にかけて分布し、山野に生える。樹高は2メートルから3メートルである。葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の縁には細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6月から7月である。葉の脇に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い紫色の小さな花をたくさんつける。花は筒状で先が4つに裂けて平らに開く。雄しべは4本、雌しべは1本で、花冠から飛び出る。結実期は10月から12月である。実は直径3、4ミリの球形で、きれいな紫色に熟する。材はまっすぐに伸びて強靱であることから、金槌などの道具の柄や杖として利用される。俳句では、「紫式部」や「実紫」が秋の季語、「紫式部の花」が夏の季語である。実の写真は11月に小石川植物園で撮った。花の写真は6月に向島百花園で撮った。学名:Callicarpa japonica★紫のそこはかとなき清らかさ 珠と結びて紫式部今日の花ドットコム花図鑑
吉祥草(キチジョウソウ) 秋の花 2010年11月11日 吉祥草(キチジョウソウ)はユリ科キチジョウソウ属の多年草である。本州の関東地方から九州にかけて分布し、林の中や林の縁などに生える。海外では、中国にも分布する。和名の由来は、吉事があると開花するという伝説からきている。草丈は10センチから30センチくらいである。根際から生える葉の形は広めの線形である。蛇の髭(ジャノヒゲ)に似ているが、葉の幅がそれより広く、明るい緑色をしている。開花時期は9月から12月である。淡い紅紫色の花が穂状につく。花は下から上へと咲き上がっていく。花びら(花被片)は6枚あり、まくれるように反り返る。花びらの外側は濃い紅紫色、内側は淡い紅紫色である。6本の雄しべと1本の雌しべが花の外に突き出している。花は葉より低いところにつくので、なかなか見つけにくい。花の後につく実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、赤紫に熟し動物に食べられて広がる。写真は12月に向島百花園で撮った。学名:Reineckea carnea★葉の陰にやさしい花を隠しつけ 吉祥草は薄暗闇に今日の花ドットコム花図鑑