支那水木(シナミズキ) 春の花 2011年04月14日 支那水木(シナミズキ)はマンサク科トサミズキ属の落葉低木である。中国の中西部からヒマラヤにかけて分布する。樹高は1~5メートルくらいである。葉は幅の広い卵形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は3~4月である。葉の展開に先立って花を咲かせる。枝から穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を垂らし、淡いクリーム色の花を10~15輪くらいつける。近縁種の土佐水木(トサミズキ)に比べて1つの花が大きく、また一総につく花の数も多い。そして、花にはよい香りがある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。葉は秋には見事に黄葉をする。流通名を匂い土佐水木(ニオイトサミズキ)ともいう。属名の Corylopsis はギリシャ語の「Corylus(ハシバミ属)+opsis(似た)」からきている。葉の形が似ていることから名づけた。種小名の sinensis は「中国の」という意味である。写真は3月に小石川植物園で撮った。学名:Corylopsis sinensis★豪快にクリーム色に枝埋めて 芳香を放ち支那水木咲く今日の花ドットコム花図鑑PR
東国三葉躑躅(トウゴクミツバツツジ) 春の花 2011年04月13日 東国三葉躑躅(トウゴクミツバツツジ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。本州の東北地方から近畿地方にかけて分布し、山地に生える。三葉躑躅(ミツバツツジ)よりも高いところに生え、開花時期も遅い。樹高は2メートルくらいである。葉が枝先に3枚ずつ輪生するのが特徴で、これが名の由来でもある。開花時期は4~6月である。葉の展開前または葉と同時に開花する。枝先につく花は紅紫色の花である。花径は4~5センチで5つに深く裂け、広い漏斗状をしている。雄しべは10本である。雌しべの花柱の下部には腺毛(粘着物質を出す毛)が生えるのが特徴である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。種小名の wadanum は採集者「和田治衛さんの」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った。学名:Rhododendron wadanum★びっしりとラッパのような花つけて 東国三葉は今花盛り今日の花ドットコム花図鑑
白花菫(シロバナスミレ) 春の花 2011年04月12日 白花菫(シロバナスミレ)はスミレ科スミレ属の多年草である。別名を白菫(シロスミレ)ともいう。北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、やや標高の高い草原に生える。海外では、朝鮮半島、中国東北部、サハリン、シベリアなどにも分布する。草丈は10~15センチくらいである。地上茎はなく、根際から葉と花柄を出す。葉は長い披針形で、先は尖らない。葉には長い柄があり、縁には低く平らなぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は4~6月である。花径は15~20ミリくらいで、花の色は白い。上弁という上の1対の花びらは後ろに反り返る。側弁という下の1対の花びらには毛が生える。唇弁という下に垂れる花びらには筋が入る。花の後ろに突き出した距は3~4ミリで短い。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Viola はラテン語の「viola(菫)」からきている。種小名の patrinii はフランスの植物採集家「パトラン(E. L. M. Patrin)さんの」という意味である。写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園の菫展で撮った。学名:Viola patrinii★寒地でも元気に咲くよ白菫 春の訪れ知らせるように今日の花ドットコム花図鑑
大和連翹(ヤマトレンギョウ) 春の花 2011年04月11日 大和連翹(ヤマトレンギョウ)はモクセイ科レンギョウ属の落葉低木である。日本固有種である。中国地方の岡山県と広島県に分布し、石灰岩地に生える。日本には本種と小豆島連翹(ショウドシマレンギョウ)が自生する。違いは、本種が葉の展開に先立って花を咲かせることである。環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。樹高は1~2メートルである。葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。雌雄異株である。開花時期は4~5月である。花弁は4枚で、花の色は黄色い。花径は25ミリくらいあり大きいが、花のつき方は疎らである。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Forsythia はイギリスの園芸家「フォーサイス(W. A. Forsyth)さん」の名からきている。種小名の japonica は「日本の」という意味である。写真は3月につくば植物園で撮った。学名:Forsythia japonica★ぽつぽつと数えるほどの花つけて 異質に映る大和連翹今日の花ドットコム花図鑑
姫梶苺(ヒメカジイチゴ) 春の花 2011年04月10日 姫梶苺(ヒメカジイチゴ)はバラ科キイチゴ属の落葉低木である。梶苺(カジイチゴ)と苦苺(ニガイチゴ)の交雑種である。本州の関東地方から四国にかけて分布し、海岸近くの山地に生える。樹高は1~3メートルくらいである。枝には棘がある。葉は手のひら状に3つから5つに裂け、互い違いに生える(互生)。葉のつけ根の部分は心形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は3~5月である。枝先に花径2~3センチの白い5弁花を咲かせる。花の後にできる実は直径1~2センチのキイチゴ状果(集合核果)で、5~6月に赤く熟する。和名の由来は、葉がクワ科の梶の木(カジノキ)に似ることからきており、小形なので「姫」がつく。属名の Rubus はラテン語の「ruber(赤)」からきている。赤い実がなることから名づけられた。種小名の medius は「中間の」という意味である。写真は3月に小石川植物園で撮った。学名:Rubus x medius★実の色はやっぱり赤がいいのよと 言うがごとくに姫梶苺今日の花ドットコム花図鑑