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丁子莢迷(チョウジガマズミ)

丁子莢迷(チョウジガマズミ)

丁子莢迷(チョウジガマズミ)はスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木である。
本州(中国地方)、四国(香川県)、九州(福岡県)に分布し、海岸の岩場に生える。
海外では、朝鮮半島の南部にも分布する。
満鮮要素植物の1つである。
中国東北部から朝鮮、対馬を経て伝わったが海没によって孤立した植物群である。
なお、「迷」の字は正しくはクサカンムリがつくのだが仮に用いている。
環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。
樹高は1~3メートルである。
株立ち状になる。
樹皮は灰褐色をしている。
若い枝には星状毛(放射状に伸びる毛)がある。
葉は向かい合って生え(対生)、広い卵形ないし狭い楕円形で、裏面には星状毛がある。
開花時期は4~5月である。
白ないし淡いピンク色で小さな花を枝先に散房状につける。
花冠は直径8~13ミリくらいの漏斗状で、先は5つに裂ける。
雄しべは5本である。
花はよい香りがする。
花の後にできる実は核果(水分を多く含み中に種が1つある)である。
属名の Viburnum はこの属1種のラテン古名だが意味はわかっていない。
種小名の carlesii は人名に由来する言葉である。
変種名の bitchuense は「備中(岡山県)の」という意味である。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
紅葉の写真は12小石川植物園で撮った。
学名:Viburnum carlesii var. bitchuense


★春の香を運ぶがごとく咲き出づる
 丁子莢迷愛らしき花


丁子莢迷(チョウジガマズミ)
丁子莢迷(チョウジガマズミ)

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黒船躑躅(クロフネツツジ)

黒船躑躅(クロフネツツジ)

黒船躑躅(クロフネツツジ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。
原産地は朝鮮半島、中国北部、東シベリアなどである。
日本へは1668(寛文8)年に朝鮮から渡来した。
安土桃山時代から日本に来航する外国船は黒船と呼ばれていた。
その黒船で持ち込まれた躑躅というのが名の由来である。
現在では日本の各地に分布して山地の林の中に生え、また植栽されている。
樹高は2~5メートルくらいである。
若い枝には腺毛(粘着物質を出す毛)が密生する。
葉は倒卵形で、枝先に5枚ほど集まって輪生状に互い違いに生える(互生)。
開花時期は5月である。
葉の展開と同時に花を咲かせる。
花径は6センチくらいと大きく、花冠は漏斗形で先が5つに裂ける。
花の色は淡い紅色で、上部の裂片の内側には赤い斑が入る。
雄しべは10本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
別名を唐躑躅(カラツツジ)ともいう。
属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。
種小名の schlippenbachii はロシアの軍人「シュリッペンバッハ(B. A. von Schlippenbach)さんの」という意味である。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
学名:Rhododendron schlippenbachii


★女王と呼ばれるほどの大輪を
 見事開いて黒船躑躅


黒船躑躅(クロフネツツジ)

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合田草(ゴウダソウ)

合田草(ゴウダソウ)

合田草(ゴウダソウ)はアブラナ科ゴウダソウ属(ルナリア属)の越年草である。
原産地はヨーロッパの中央部である。
日本では1901年(明治34年)に東京美術学校教授の合田清氏がパリから種子を持ち帰ったのが始まりである。
それが名の由来でもある。
観賞用の栽培が中心であるが、北海道などの寒冷地では逸出して道端などで野生化しているという。
草丈は40~90センチくらいである。
全体に粗い毛がたくさん生えている。
茎は直立している。
葉には柄があるが、上部の葉は柄が短く、柄のないものもある。
葉の形はハート形で、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)があり、互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~5月である。
茎先に(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径2センチくらいの紫色ないし白の4弁花をつける。
アブラナ科特有の十字形の花びらで、雄しべは6本ある。
4本が長く、2本が短い。
花の後になる実は薄く半透明で団扇のような形をしている。
実はドライフラワーとして人気がある。
実の形から、銀扇草(ギンセンソウ)、銀貨草(ギンカソウ)、大判草(オオバンソウ)などの別名がある。
また、学名からルナリアとも呼ばれる。
属名の Lunaria はラテン語の「Luna(月)」からきている。実の形から名づけられたものである。
種小名の annua は「一年生の」という意味である。
花の写真は4月に小石川植物園で撮った。
実の写真は6月に小石川植物園で撮った。
学名:Lunaria annua


★個性ある実が面白い合田草
 名前を知って身近に感じ


合田草(ゴウダソウ)

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愛鷹躑躅(アシタカツツジ)

愛鷹躑躅(アシタカツツジ)

愛鷹躑躅(アシタカツツジ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。
静岡県だけに分布するフォッサマグナ要素の植物で、愛鷹山や天子岳に自生する。
純粋種は800~1500メートルの高さに分布する。
低山になると山躑躅(ヤマツツジ)との交配種が多くなるそうである。
裾野市の「市の花」に指定されている。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
樹高は2メートルから3メートルである。
葉は幅の広い披針形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁に褐色の毛が生える。
開花時期は5~6月である。
花径は3センチくらいで、花冠は5つに裂ける。
小振りだが、たくさんの花がつく。
花の色は紅紫色で、上部の裂片の内側には少し濃い色の斑が入る。
これは蜜標と呼ばれるもので、虫に蜜の在り処を知らせるためのものである。
雄しべは10本ある。
花糸(雄しべの花粉を入れる袋についている柄)の下半部に毛が生える。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
和名は最初の発見地にちなんで牧野富太郎博士が命名した。
属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
学名:Rhododendron komiyamae


★この花を見たいがために自生地は
 人が群がる愛鷹躑躅


愛鷹躑躅(アシタカツツジ)

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長葉紅葉苺(ナガバモミジイチゴ)

長葉紅葉苺(ナガバモミジイチゴ)

長葉紅葉苺(ナガバモミジイチゴ)はバラ科キイチゴ属の落葉低木である。
本州の中部地方から九州にかけて分布し、山野に普通に生える。
海外では、朝鮮半島、中国にも分布する。
東日本には近縁種の紅葉苺(モミジイチゴ)が分布する。
樹高は1~2メートルである。
幹や枝には棘が多い。
葉は幅の狭い卵形で、互い違いに生える(互生)。
稀に手のひら状に3つに裂けるものがある。
葉のつけ根の部分は心形で、縁は重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)である。
開花時期は4~5月である。
葉の展開直後に葉の脇に白い花を下向きにつける。
集まった雄しべは柱状に直立する。
花びらは5枚である。
萼筒は杯形で、萼片の先は尖る。
花の後にできる実は直径1センチくらいのキイチゴ状果(集合核果)で、6~7月に黄橙色に熟する。
秋には美しく紅葉する。
属名の Rubus はラテン語の「ruber(赤)」からきている。赤い実がなることから名づけられた。
種小名の palmatus は「手のひら状の」という意味である。
写真は4月に小石川植物園で撮った。
学名:Rubus palmatus


★紅葉の姿もきっと見に来てね
 小さな花が呟くように


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