丁子莢迷(チョウジガマズミ) 春の花 2011年04月19日 丁子莢迷(チョウジガマズミ)はスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木である。本州(中国地方)、四国(香川県)、九州(福岡県)に分布し、海岸の岩場に生える。海外では、朝鮮半島の南部にも分布する。満鮮要素植物の1つである。中国東北部から朝鮮、対馬を経て伝わったが海没によって孤立した植物群である。なお、「迷」の字は正しくはクサカンムリがつくのだが仮に用いている。環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。樹高は1~3メートルである。株立ち状になる。樹皮は灰褐色をしている。若い枝には星状毛(放射状に伸びる毛)がある。葉は向かい合って生え(対生)、広い卵形ないし狭い楕円形で、裏面には星状毛がある。開花時期は4~5月である。白ないし淡いピンク色で小さな花を枝先に散房状につける。花冠は直径8~13ミリくらいの漏斗状で、先は5つに裂ける。雄しべは5本である。花はよい香りがする。花の後にできる実は核果(水分を多く含み中に種が1つある)である。属名の Viburnum はこの属1種のラテン古名だが意味はわかっていない。種小名の carlesii は人名に由来する言葉である。変種名の bitchuense は「備中(岡山県)の」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った。紅葉の写真は12小石川植物園で撮った。学名:Viburnum carlesii var. bitchuense★春の香を運ぶがごとく咲き出づる 丁子莢迷愛らしき花今日の花ドットコム花図鑑PR