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黄花碇草(キバナイカリソウ)

黄花碇草(キバナイカリソウ)

黄花碇草(キバナイカリソウ)はメギ科イカリソウ属の多年草である。
北海道と東北地方北部、それに近畿地方以北の本州の日本海沿岸に分布し、山地の林の中や林の縁に生える。
海外では、朝鮮半島にも分布する。
草丈は20~40センチくらいである。
葉は2回3出複葉といって、3つに枝分かれした先にそれぞれ3出複葉(1つの葉が3枚の小さな葉に分かれた形)をつける。
小葉は大きく、卵形で先が尖り、縁には刺状の毛がたくさんついている。
開花時期は4~5月である。
花の色は淡い黄色である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出してたくさんの花をつけ、下についた花から開いていく。
花びらは4枚、萼片は8枚、雄しべは4本ある。
距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)は四方に長く伸びる。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
属名の Epimedium は地名に由来する言葉。イカリソウに転用された。
種小名の koreanum は「高麗(朝鮮)の」という意味である。
写真は4月に箱根湿生花園で撮った。
学名:Epimedium koreanum


★ちょっと見は目立たないけど個性的
 よくよく見てね不思議な姿


黄花碇草(キバナイカリソウ)

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三槲(ミツガシワ)

三槲(ミツガシワ)

三槲(ミツガシワ)はミツガシワ科ミツガシワ属の多年草である。
漢字では「三柏」とも書く。
ミツガシワ属には三槲(ミツガシワ)1種のみしか存在しない。
いわゆる氷河期の遺存植物の1つと言われている。
北方領土を含む北海道から九州にかけて分布し、山地や低地の沼地や湿地に生える。
海外では、北半球に広く分布し、「極地周辺植物」といわれるものの1つである。
草丈は15~40センチくらいである。
葉は3出複葉(1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形)で、互い違いに生える(互生)。
葉には長い柄がある。
小葉の形は卵形で、縁は波打っている。
開花時期は4~5月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径1センチくらいの小さな白い花を10~20輪くらいつける。
花は下から順に咲いていく。
花冠は深く5つに裂け、裂片の内側には白い縮れた毛をたくさんつけている。
萼片は5枚である。
雄しべは5本、雌しべは1本である。
株によって、雄しべのほうが長い花を咲かせるものと、雌しべのほうが長い花を咲かせるものがある。
長花柱花(雌しべのほうが長い花)が結実する。
花の後にできる実は丸いさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、黄赤色に熟する。
和名の由来は、3枚ある葉の形が「柏の葉」に似ている、あるいは家紋の「三柏」に似ているというところからきている。
「丸に三柏」の家紋は山内一豊が用いたものである。
葉には苦味成分が含まれ、生薬で睡菜(すいさい)といって江戸時代には健胃薬として用いられたという。
別名を水半夏(ミズハンゲ)という。
属名の Menyanthes はギリシャ語の「menyein(表現する)+anthos(花)」からきている。花が徐々にひらいていくことから名づけられた。
種小名の trifoliata は「三葉の」という意味である。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Menyanthes trifoliata


★古の名残を秘めて三槲
 湿原に咲く人里離れ


三槲(ミツガシワ)

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天塩小桜(テシオコザクラ)

天塩小桜(テシオコザクラ)

天塩小桜(テシオコザクラ)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草である。
北海道の固有種である。
天塩川と問寒別川流域に分布し、蛇紋岩や石灰岩地帯に生える。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は10~15センチくらいである。
全体にやわらかな毛が生えている。
葉は根元から生え、手のひら形に浅く裂けている。
自生地での開花時期は5~6月である。
白くて真ん中の部分が黄緑色をした花を2~3輪つける。
和名の由来は、北海道の手塩で最初に見つかったことからきている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Primula はラテン語の「primos(最初)」縮小形である。プリムラ・ベリスが早春に他に花に先駆けて咲くことから名づけられた。
種小名の takedana は高山植物の研究家「武田久吉さんの」という意味である。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Primula takedana


★北の地に春の歓びひそやかに
 伝え花咲く天塩小桜


天塩小桜(テシオコザクラ)

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桷(ズミ)

桷(ズミ)

桷(ズミ)はバラ科リンゴ属の落葉小高木である。
北海道から九州にかけて分布し、山地や原野に生える。
また、街路や公園、庭などに植えられる。
海外では、朝鮮半島にも分布する。
漢字では「棠梨」ないし「酢実」とも書く。
和名の由来は、染み(ソミ)の転訛で、樹皮を煮出して黄色の染料に用いたことからきているという。
樹高は3~8メートルくらいである。
よく枝分かれし、小枝はしばしば棘状になる。
若枝には毛がある。
葉は円形または楕円形で、時に3つに裂け、互い違いに生える(互生)。
開花時期は4~6月である。
蕾の時は紅色をしているが、花が開くとほぼ白くなる。
稀に淡いピンクのものもある。
花弁数は5枚である。
果実が成熟するのは9~10月である。
果実は小球形で赤く熟する。
材は櫛、器具材などに利用される。
小林檎(コリンゴ)、小梨(コナシ)、姫海棠(ヒメカイドウ)、三葉海棠(ミツバカイドウ)などの別名がある。
属名の Malus はギリシャ語の「malon(リンゴ)」からきている。
種小名の sieboldii は日本植物の研究者「シーボルトの」という意味である。
花の写真は4月につくば植物園で撮った。
実の写真は9月に北大植物園で撮った。
学名:Malus sieboldii


★桷の実の熟す姿の愛らしく
 思わず知らず頬を緩めて


桷(ズミ)
桷(ズミ)

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小葉の三葉躑躅(コバノミツバツツジ)

小葉の三葉躑躅(コバノミツバツツジ)

小葉の三葉躑躅(コバノミツバツツジ)はツツジ科ツツジ属の落葉低木である。
日本固有種である。
本州の中部地方から九州にかけて分布し、山地に生える。
「三葉」は葉が3枚ということであり、「小葉」は近縁種と比べて葉が小さいということである。
樹高は1~3メートルである。
普通は枝先に長さ3~5センチの菱形をした3枚の葉を輪になってつける(輪生)。
葉の裏面に網目模様がある。
開花時期は4~5月である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
花径は3センチくらいで、漏斗状をした紅紫色の花である。
花の柄や萼には毛が多い。
上側の花びらの内側には色の濃い斑点がある。
雄しべは10本あり、5本は長く5本は短い。
属名の Rhododendron はギリシャ語の「rhodon(バラ)+dendron(樹木)」からきている。紅色の花をつける木という意味で名づけられた。
種小名の reticulata は「網状の」という意味である。
写真は4月につくば植物園で撮った。
学名:Rhododendron reticulatum


★花の前に咲かす花色美しく
 賑わい誘う躑躅の季節


小葉の三葉躑躅(コバノミツバツツジ)

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