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庚申薔薇(コウシンバラ)

庚申薔薇(コウシンバラ)

庚申薔薇(コウシンバラ)はバラ科バラ属の常緑低木である。
原産地は中国の四川省、雲南省である。
日本でも江戸時代以前に渡来して栽培され、多くの園芸品種がある。
基本種は一重咲きである。
学名からロサ・キネンシスないしロサ・シネンシスとも呼ばれる。
和名の由来は庚申月(つまり隔月)に咲くということからきており、四季咲き性がある。
樹高は1~2メートルである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は卵形で、縁には鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉にはやや艶があり、裏面は白っぽい。
開花時期は5~11月くらいである。
枝先に1輪ずつ花をつける。
花径は5~7センチくらいで、花弁は5枚である。
八重咲きのものもある。
花の色は紅紫色から桃色で、色には濃淡がある。
萼片は5枚である。
雄しべはたくさんあり、葯(雄しべの花粉を入れる袋)の色は黄色い。
花の後にできる実は球形の偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)で、熟すと赤くなる。
属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。
種小名の chinensis は「中国の」という意味である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Rosa chinensis


★花びらを重ねる薔薇もいいけれど
 原種の渋さ一際目立ち


庚申薔薇(コウシンバラ)

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マダガスカルジャスミン

マダガスカルジャスミン

マダガスカルジャスミン(Madagascar jasmine)はガガイモ科シタキソウ属の常緑蔓性多年草である。
ジャスミンの名がつくがジャスミンの仲間とは異なる。
こうした命名法は英名ではよく見られるので注意が必要である。
原産地はマダガスカル島である。
蔓性で草丈は5メートルくらいまで伸びる。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
葉の質は分厚く、艶がある。
開花時期は5~9月くらいである。
葉の脇から散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、白い筒状の花をつける。
花冠の先は5つに裂ける。
花にはジャスミンのような香りがある。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
属名からきたステファノティスの名でも流通している。
属名の Stephanotis はギリシャ語の「stepan(冠)+otis(耳)」からきている。雄しべが変形した副冠が耳状になることから名づけられた。
種小名の floribunda は「花の多い」という意味である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Stephanotis floribunda


★爽やかな香り漂う白花に
 思わず知らず笑みの浮かんで


マダガスカルジャスミン

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アグロステンマ

アグロステンマ

アグロステンマはナデシコ科ムギセンノウ属の一年草である。
原産地はヨーロッパで、草原や麦畑に生える。
日本へは明治時代に渡来した。
草丈は60~90センチくらいである。
細い茎が直立し、葉は麦のような線形をしている。
このため、和名を麦仙翁(ムギセンノウ)という。
開花時期は5~7月である。
花径は5~7センチで、5弁の花びらは軽く外側にカールする。
花びらには放射状に筋が入る。
花の色は濃いピンク、ピンク、白などである。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
種子はサポニン配糖体を含み有毒である。
属名の Agrostemma はギリシャ語の「agros(野原)+ stemma(冠)」からきている。
種小名の githago はラテン語の古名である。
写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Agrostemma githago


★可憐なる花びらくるりカールする
 アグロステンマ微笑むように
☆ふんわりと何に掛けたか花びらを
 アグロステンマ優しき花よ


アグロステンマ

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斑入り鈴蘭(フイリスズラン)

斑入り鈴蘭(フイリスズラン)

ドイツ鈴蘭(ドイツスズラン)はユリ科スズラン属の多年草である。
分類体系によってはスズラン科とされる。
原産地はヨーロッパである。
日本に自生する在来種の鈴蘭(スズラン)と比べて耐暑性がある。
また、大形で香りも強く、花が葉の陰に隠れないなどの利点がある。
そのため、市場に流通するものはほとんどが本種であるという。
斑入り鈴蘭(フイリスズラン)はその園芸品種である。
特徴は、葉にクリーム色の縞斑が入ることである。
ほかに覆輪斑が入るものもある。
草丈は20~30センチくらいである。
葉は卵状の楕円形で、2~3枚が根際から出てつけ根の部分は茎を包む。
開花時期は5~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、10数個の白い鐘形の花をつける。
花の長さは10ミリくらい、花径は10~15ミリくらいである。
花被片はつけ根の部分で合着する。
雄しべは6本、雌しべは1本ある。
花の後には球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)ができ、秋には赤く熟する。
属名の Convallaria はラテン語の「convallis(谷)+leirion(ユリ)」からきている。
種小名の majalis は「5月に咲く」という意味である。
品種名の Albostriata は「白い縞模様の」という意味である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園の山野草展で撮った。
学名:Convallaria majalis 'Albostriata'


★斑入りの葉強く目を惹き鈴蘭の
 可愛い花は後景に引き


斑入り鈴蘭(フイリスズラン)

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山査子(サンザシ)

山査子(サンザシ)

山査子(サンザシ)はバラ科サンザシ属の落葉低木である。
原産地は中国である。
日本へは江戸時代の享保年間に薬用植物として渡来した。
庭木や盆栽にもされる。
樹高は1~3メートルくらいになる。
よく枝分かれをし、枝の変形である棘がある。
葉は倒卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根の部分はくさび形をしている。
開花時期は4~5月である。
枝先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、白い5弁花をつける。
果期は9~10月である。
花の後にできる実は球形のナシ状果で、赤色や黄色に熟する。
食用になり、観賞もできる。
また、生薬名を山査子(さんざし)といい、健胃・整腸剤として利用される。
俳句では「山査子の花」が春の季語である。
属名の Crataegus はギリシャ語の「kratos(力)+agein(持つ)」からきている。材が堅いことから名づけられた。
種小名の cuneata は「くさび形の」という意味である。
花の写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
実の写真は10月に鎌倉の長谷寺で撮った。
学名:Crataegus cuneata


★渡来して江戸の薬師が珍重す
 山査子の実はときめきの色


山査子(サンザシ)

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