花丁字(ハナチョウジ) 四季咲きの花 2011年10月10日 花丁字(ハナチョウジ)はゴマノハグサ科ハナチョウジ属の常緑低木である。原産地はメキシコである。草丈は1~2メートルである。葉は退化して小さく、鱗片状(葉の変形したもの)である。開花時期は5~10月である。沖縄などでは周年開花する。花は紅色で筒状である。枝先にまとまってつくので、細い枝は枝垂れる。花冠の先は4つに裂け、横から見ると「丁」の字のように見える。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名のラッセリア(Russelia)の名でも流通している。属名の Russelia はフランスの植物学者「ラッセル(A. Russell)さん」の名からきている。 種小名の equisetiformis は「トクサ属(Equisetum)のような形の」という意味である。写真は12月に沖縄県本部町の熱帯・亜熱帯都市緑化植物園で撮った。学名:Russelia equisetiformis★枝垂れ咲く景色艶やか花丁字 南国ムード伝えるように花図鑑植物図鑑PR
アラマンダ・ビオラケア 四季咲きの花 2011年10月09日 アラマンダ・ビオラケアはキョウチクトウ科アリアケカズラ属(アラマンダ属)の蔓性常緑低木である。種小名の読み方は「ヴィオラケア」や「ウィオラケア」とするものもある。原産地はブラジルである。沖縄では地植えしたものが見られる。和名は紫有明葛(ムラサキアリアケカズラ)である。細い枝を這わせて伸びる。葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。3~4枚が輪生する場合もある。葉の色は明るい緑色で、軟らかい毛が生える。開花時期は5~10月くらいである。温度さえ合えば周年開花をする。花径7~8センチセンチの紅紫色をした漏斗形の花をつける。花冠の先は5つに裂ける。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。属名の Allamanda はスイス人の植物学者「アラマン(J. N. S. Allamand)さん」の名からきている。種小名の violacea は「菫色の」という意味である。写真は9月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Allamanda violacea★紫の色が眩しいアラマンダ 色の違いでイメージ違い花図鑑植物図鑑
屋久島繻子蘭(ヤクシマシュスラン) 秋の花 2011年10月08日 屋久島繻子蘭(ヤクシマシュスラン)はラン科シュスラン属の多年草である。九州の南部と屋久島に分布し、山地の林の中に生える。草丈は10~20センチくらいである。茎はつけ根の部分が地を這い、上部は立ち上がる。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の中央に白い筋が入る。開花時期は10月である。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い小さな花を密につける。唇弁のつけ根の膨れた部分が白くなる。和名の由来は、屋久島で発見され葉に「繻子」のような艶があるというところからきている。基本種は八丈繻子蘭(ハチジョウシュスラン)で、同一とする見解もある。属名の Goodyera はイギリスの植物学者「グッドイヤー(John Goodyer)さん」の名からきている。種小名の hachijoensis は「八丈島の」という意味である。変種名の yakushimensis は「屋久島の」という意味である。写真は10月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。学名:Goodyera hachijoensis var. yakushimensis★土地土地に少し異なる花がある 自然の示す不思議ここにも花図鑑植物図鑑
ネリネ・プラティペタラ 秋の花 2011年10月07日 ネリネ・プラティペタラはヒガンバナ科ネリネ属の常緑多年草である。原産地は南アフリカである。北部のムプマランガ州に分布し、沼地に生える。草丈は30~50センチくらいである。根際から生える葉は線形である。開花時期は9~10月である。茎先に散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、花径2センチくらいの淡い紅紫色の花をつける。花被片は反り返らない。花の柄には毛が生えている。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Nerine はギリシャ神話の海の女神「ネレイス(Nereis)」からきている。種小名の platypetala は「広い花弁の」という意味である。写真は9月につくば植物園で撮った。学名:Nerine platypetala★謎秘めた花に出合ってご満悦 原種ならばの魅力に触れて花図鑑植物図鑑
畔唐菜(アゼトウナ) 秋の花 2011年10月06日 畔唐菜(アゼトウナ)はキク科アゼトウナ属の多年草である。漢字では「畔冬菜」とも書く。日本固有種である。本州の静岡県から九州にかけて分布し、太平洋側の海岸の岩場に生える。草丈は5~15センチくらいである。根際から生える葉は分厚い倒卵形で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、先は丸い。茎につく葉は小さく、互い違いに生える(互生)。開花時期は8~12月である。枝分かれをした茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、花径15ミリくらいの黄色い花(頭花)をつける。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。花は薬師草(ヤクシソウ)とよく似ている。また、日本海側の海岸にはよく似た細葉海菜(ホソバワダン)が咲く。属名の Crepidiastrum はギリシャ語の「Crepis(フタマタタンポポ属)+astrum(似た)」からきている。種小名の keiskeanum は明治初期の植物学者「伊藤圭介さんに関係した」という意味である。写真は9月に小石川植物園で撮った。学名:Crepidiastrum keiskeanum★岩肌に貼りつくように畔冬菜 海の青さと響き合い咲く花図鑑植物図鑑