畔唐菜(アゼトウナ) 秋の花 2011年10月06日 畔唐菜(アゼトウナ)はキク科アゼトウナ属の多年草である。漢字では「畔冬菜」とも書く。日本固有種である。本州の静岡県から九州にかけて分布し、太平洋側の海岸の岩場に生える。草丈は5~15センチくらいである。根際から生える葉は分厚い倒卵形で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、先は丸い。茎につく葉は小さく、互い違いに生える(互生)。開花時期は8~12月である。枝分かれをした茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、花径15ミリくらいの黄色い花(頭花)をつける。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。花は薬師草(ヤクシソウ)とよく似ている。また、日本海側の海岸にはよく似た細葉海菜(ホソバワダン)が咲く。属名の Crepidiastrum はギリシャ語の「Crepis(フタマタタンポポ属)+astrum(似た)」からきている。種小名の keiskeanum は明治初期の植物学者「伊藤圭介さんに関係した」という意味である。写真は9月に小石川植物園で撮った。学名:Crepidiastrum keiskeanum★岩肌に貼りつくように畔冬菜 海の青さと響き合い咲く花図鑑植物図鑑PR