楷樹(カイノキ) 紅葉・黄葉 2011年11月14日 楷樹(カイノキ)はウルシ科カイノキ属の落葉高木である。原産地は台湾、中国、フィリピンなどである。孔子と縁の深い木で、学問の聖木とされる。日本へは大正時代に渡来した。樹高は20~30メートルである。葉は1回羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並んで1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)が交じる。小葉の形は披針形で先は鋭く尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。雌雄異株である。開花時期は4~5月である。葉に先立って花を咲かせる。雄花は淡い黄色、雌花は紅色である。花の後にできる実は球形で房状になり、赤から紫色に熟する。秋には美しく紅葉をする。属名の Pistacia はペルシャ語の「pistak(ピスタチオナッツ)」からきている。種小名の chinensis は「中国の」という意味である。写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Pistacia chinensis★孔子とは切っても切れぬ縁のある 楷樹の葉は真っ赤に燃えて花図鑑植物図鑑PR
ペルシカリア・レッドドラゴン 秋の花 2011年11月13日 ペルシカリア・ミクロケファラはタデ科イヌタデ属(ペルシカリア属)の多年草である。原産地はヒマラヤである。レッドドラゴン(Red Dragon)はその園芸品種である。特徴は、葉に暗い紅紫色や灰色のV字形をした斑が入ることである。観葉植物として愛好されている。草丈は1メートルくらいである。茎の色は紅紫色である。葉は長い卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖る。開花時期は5~11月くらいである。茎先で枝分かれをして穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、花径1センチくらいの白い小さな花をたくさんつける。花びらのように見えるのは5枚の萼片である。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Persicaria はラテン語の「persica(モモ)」からきている。この属の植物の葉がモモの葉に似ていることから名づけられた。種小名の microcephala は「小さい頭の」という意味である。品種名の Red Dragon は「赤い竜」という意味である。写真は11月に千葉市花の美術館で撮った。学名:Persicaria microcephala 'Red Dragon'★迷彩をほどこすような葉の色に どうつくるのか興味が湧いて花図鑑植物図鑑
オクシストフィルム・アトロルベンス 冬の花 2011年11月12日 オクシストフィルム・アトロルベンスはラン科オクシストフィルム属の常緑多年草である。マレー半島、カリマンタン島に分布し、標高900~1500メートルの森に生える着生種である。デンドロビウム属(Denerobium)に近い仲間である。草丈は10センチくらいである。葉は披針形(笹の葉のような形)で、重なり合うようにつく。葉の質は分厚く、淡い緑色をしている。開花時期は冬である。茎先に花径1センチくらいの小さな暗い赤色の花をつける。属名の Oxystophyllum はギリシャ語の「oxys(鋭い)+phyllum(葉)」からきている。種小名の atrorubens は「暗赤色の」という意味である。写真は12月につくば植物園で撮った。学名:Oxystophyllum atrorubens★小さくてランとは思えぬ地味な花 葉っぱのほうが目立っているよ花図鑑植物図鑑
枸杞(クコ) 秋の花 2011年11月11日 枸杞(クコ)はナス科クコ属の落葉低木である。北海道から沖縄にかけて分布し、道端や川岸などに生える。海外では、台湾、中国、朝鮮半島にも分布する。樹高は1~2メートルくらいである。枝は蔓状で細く、棘がある。葉は長さ2~3センチの長めの楕円形で軟らかく、向かい合って生える(対生)。開花時期は7~11月である。葉の脇に花径は1センチくらいの紫色ないし淡い紫色の花を1~4個くらいつける。花は「茄子」の花を小形にした感じである。花冠は鐘形で、先が5つに裂ける。萼片は5枚、雄しべは5本、雌しべは1本である。実は楕円形をした液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、熟すと赤くなる。実は枸杞子(くこし)と呼ばれ、生薬や枸杞酒、枸杞茶に用いられる。根皮は地骨皮(じこつぴ)と呼ばれ、解熱剤とする。葉は枸杞葉(くこよう)と呼ばれ、強壮薬とする。俳句では「枸杞の花」が春、「枸杞の実」が秋の季語である。属名の Lycium は中央アジアに生えていた「lycion(潅木名)」からきている。棘が多いという共通点があって転用された。種小名の chinense は「中国の」という意味である。写真は10月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Lycium chinense★実のことが気になることはわかるけど 忘れないでね花も咲くこと花図鑑植物図鑑
エイクホルニア・アズレア 四季咲きの花 2011年11月10日 エイクホルニア・アズレアはミズアオイ科ホテイアオイ属の多年草である。属名の読み方は「アイヒホルニア」とするものもある。原産地は北アメリカの南部である。池や沼などに生える。水中に展開している葉は細長く、互い違いに生える(互生)。水上に広がる葉は大きく丸い。草丈は20~100センチくらいである。開花時期は周年である。茎先に青紫色の6弁花をつける。布袋葵(ホテイアオイ)に似るが、花弁の縁にぎざぎざがあるのが特徴である。花は一日花である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Eichhornia はドイツの政治家「アイヒホルン(Eichhorn)さん」の名からきている。種小名の azurea は「淡い青色の」という意味である。写真は9月に大阪市大植物園で撮った。学名:Eichhornia azurea★水草もいろんな仲間いるものと 驚きながらあれこれ眺め花図鑑植物図鑑