スノーランド 冬の花 2011年11月29日 スノーランド(Snowland)はキク科フランスギク属の一年草である。原種はレウカンテムム・パルドサム(Leucanthemum paludosum)という。原産地はスペイン、ポルトガルなど地中海沿岸地方である。ほかにノースポール(North Pole)などの品種がある。スノーランドは、中でも大輪で矮性の品種である。日本へは1970年代に渡来した。草丈は20~30センチくらいである。葉は羽状で、互い違いに生える(互生)。開花時期は11~5月である。秋から春まで長く花を楽しめる。舌状花は白く、筒状花は黄色い。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Leucanthemum はギリシャ語の「leukos(白)+anthemon(花)」からきており、「白い花」を意味する。種小名の paludosum は「沼地に生える」という意味である。写真は10月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Leucanthemum paludosum 'Snowland'★身をかがめ覗いてみれば清楚なる スノーランドの花に出合いて花図鑑植物図鑑PR
晩白柚(バンペイユ) 果実・野菜 2011年11月28日 晩白柚(バンペイユ)はミカン科ミカン属の常緑低木である。原産地はマレー半島である。日本へは昭和時代の初期に渡来した。文旦(ブンタン)やザボンの仲間で、実はとても大きい。現在では熊本県の特産品となっている。「白柚」というのは文旦(ブンタン)のことで、晩生である(完熟期が遅い)ことからこの名がつけられた。樹高は3メートルくらいである。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は4~5月である。花は白い5弁花で、花径は5~7センチくらいある。花の後にできる実は柑果(多心皮性の液果)で、直径が20センチ以上ある。果肉は生食され、果皮は砂糖漬けやジャムに利用される。属名の Citrus はレモンに対する古い呼び名である。種小名の grandis は「大きな」という意味である。写真は12月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Citrus grandis★大きな実ネットで支えた姿見て これは何かと色めき立って花図鑑植物図鑑
白実の唐橘(シロミノカラタチバナ) 果実・野菜 2011年11月27日 唐橘(カラタチバナ)はヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木である。本州の茨城県から沖縄にかけて分布し、林の中に生える。海外では、台湾や中国にも分布する。別名を百両(ヒャクリョウ)ともいい、おめでたい木とされる。白実の唐橘(シロミノカラタチバナ)はその品種の1つである。特徴は、実の色が白いことである。樹高は30~50センチくらいである。幹は直立するが、万両(マンリョウ)のように上部で枝分かれをしない。葉は細くて大きな披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。葉には短い柄があり、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は7月である。葉の脇に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、淡い黄を帯びた白い花をまばらにつける。花弁は5枚で下向きに咲き、花弁の先が反り返る。萼片は5枚、雄しべ5本、雌しべ1本である。この花が橘(タチバナ)に似ているというのが名の由来である。花の後にできる実は球形で、9~10月ころに白く熟し、翌年まで落ちない。名の Ardisia はギリシャ語の「ardis(鎗先)」からきている。雄しべ葯の形が似ていることから名づけられた。種小名の crispa は「縮れた」という意味である。品種名の leucocarpa は「白い果実の」という意味である。写真は12月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Ardisia crispa f. leucocarpa★白い実もどこ渋いね黄味帯びて 唐橘は古典植物花図鑑植物図鑑
豆金柑(マメキンカン) 果実・野菜 2011年11月26日 豆金柑(マメキンカン)はミカン科キンカン属の常緑低木である。原産地は中国で、中国南東部や香港、台湾に分布している。金豆(キンズ)や姫金柑(ヒメキンカン)などの別名がある。樹高は1~3メートルくらいである。枝は細くて鋭い棘がある。葉は楕円形ないし披針形で小さく、互い違いに生える(互生)。開花時期は6~7月である。小さな白い花を咲かせる。果実は直径1センチほどの球形で、橙色に熟する。果実の中には大きな種子が入っていて、果肉はほとんどない。食用には向かず、もっぱら観賞用とされる。属名の Fortunella はイギリス人の植物学者「フォーチュン(R. Fortune)さん」の名からきている。種小名の hindsii はイギリス人の植物学者「ハインズ(R. B. Hinds)さんの」という意味である。写真は3月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。学名:Fortunella hindsii★秋の陽を浴びて黄金に輝いて たわわに実る豆金柑は花図鑑植物図鑑
アメリカ楓(アメリカフウ) 紅葉・黄葉 2011年11月25日 アメリカ楓(アメリカフウ)はマンサク科フウ属の落葉高木である。原産地は北アメリカや中央アメリカである。日本へは大正時代に渡来した。街路樹や公園樹とされている。別名を紅葉葉楓(モミジバフウ)という。樹高は15~20メートルくらいである。葉は手のひら状に切れ込み、互い違いに生える(互生)。葉の形の似たカエデの仲間は、向かい合って生える(対生)。また、近縁種の台湾楓(タイワンフウ)の場合は、葉が3つに裂ける。雌雄同株である。開花時期は4月である。雄花も雌花も花弁はなく目立たない。雄花序は総状につき、雌花序は枝の下のほうから伸びた柄の先につく。実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)がたくさん集まった集合果である。落葉後も残る。秋には紅葉をする。属名の Liquidambar はラテン語の「liquidus(液体)」とアラビア語の「 ambar(琥珀色)」からきている。樹液の様子から名づけられた。種小名の styraciflua は「樹脂を含む」という意味である。写真は11月に川口市立グリーンセンターで撮った。学名:Liquidambar styraciflua★紅葉の姿がとてもきれいだよ 高い樹だから花はどうかな花図鑑植物図鑑