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ナルキッスス・マルチネット



ナルキッスス・マルチネットはヒガンバナ科スイセン属の多年草である。
ヨーロッパで改良された園芸品種の1つである。
1985年に作出された。
イギリス王立園芸協会(Royal Horticultural Society)の分類では、「ジョンキラ系及びアポダンサス系」のグループに入れられている。
これは原種のジョンキラ水仙(Narcissus Jonquilla)及びアポダンサス水仙(Narcissus Apodanthus)の特徴を示すグループである。
その大きな特徴は強い香りがあることで、「芳香水仙」とも呼ばれる。
形状としては、1茎1~5花で、花被片は広がるか反り返る。
副花冠はカップ状か煙突状か朝顔状で、多くは横に広がる。
花茎を数本出すことが多い。
ナルキッスス・マルチネットはジョンキラ水仙の系統である。
ジョンキラ水仙というのは和名でいうと黄水仙(キズイセン)のことである。
草丈は30~40センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は3~4月である。
花は中輪の房咲きで、花被片は黄色で、副花冠はオレンジ色である。
花にはよい香りがある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Narcissus はギリシャ神話の青年の名からきている。泉に映った自分の姿に恋して死に、その後にこの花が咲き出した。
種小名の jonquilla は「イグサ属(Juncus)」の縮小形である。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Narcissus Jonquilla 'Martinette'


★芳しい香り伴い咲き出ずる
 マルチネッテは色も華やか




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柴柳(シバヤナギ)



柴柳(シバヤナギ)はヤナギ科ヤナギ属の落葉低木である。
本州の関東地方南部から愛知県にかけて分布し、山地や道端、礫地などに生える。
日本固有種で、フォッサマグナ要素の植物の1つである。
樹高は1~3メートルくらいである。
樹皮は灰褐色ないし褐色である。
枝は水平に出て、先がやや垂れ下がるものが多い。
葉は披針形で先が尖り、互い違いに生える(互生)。
若葉は紅色で裏面に白い毛が生えるが、やがて緑色になり毛も落ちる。
開花時期は3~4月である。
葉の展開と同時に開花をする。
雌雄異株である。
雄花穂は黄色で直立し、長さは4~5センチでブラシのように見える。
雄花には雄しべが2本ある。
雌花穂は緑色で長さは10センチくらいあり、先が垂れて尻尾のように見える。
雌花の花柱は短く、柱頭は2つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
別名を石柳(イシヤナギ)ともいう。
属名の Salix はケルト語の「sal(近い)+lis(水)」からきている。水辺に多いことから名づけられた。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は4月に小石川植物園で撮った雌花穂である。
学名:Salix japonica


★どこにでもある木ではない柴柳
 尻尾のような花穂たらして




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瑠璃唐草(ルリカラクサ)



瑠璃唐草(ルリカラクサ)はハゼリソウ科ルリカラクサ属(ネモフィラ属)の一年草である。
分類体系によってはムラサキ科とされる。
原産地はアメリカのカリフォルニア州である。
草地や林の中に生える。
学名のネモフィラ・メンジーシーでも流通している。
日本へは大正時代の初めに渡来し、春の花壇用の花となった。
草丈は30センチから40センチくらいである。
葉は羽状に深く裂ける。
開花時期は3月から5月である。
花径は2、3センチくらいである。
花びら(花弁)は5枚である。
それぞれの花びらのつけ根は白く、先は淡いブルーである。
雄しべは5本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
和名の由来は、花色が瑠璃色で、葉っぱが唐草模様に似ているところからきている。
属名の Nemophila はギリシャ語の「nemos(小さな森)+ phileo(愛する)」からきている。
種小名の menziesii はスコットランドの植物学者「メンジーズ(A. Menzies)さん」の名からきている。
写真は3月に京都府立植物園で撮った。
学名:Nemophila menziesii


★花びらの先はきれいな空の色
 彩る葉っぱ唐草模様




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羽衣金鳳花(ハゴロモキンポウゲ)



羽衣金鳳花(ハゴロモキンポウゲ)はキンポウゲ科キンポウゲ属の多年草である。
学名のラヌンキュルス・カランドリニオイデスでも流通している。
原産地はモロッコのアトラス山脈である。
草丈は15~30センチくらいである。
根際から生える葉は帯状である。
開花時期は2~3月である。
大輪の白い花をつける。
花びら(萼片)は5枚である。
花の真ん中には雄しべと雌しべがたくさんある。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Ranunculus はラテン語の「rana(蛙)」からきている。この属の水生の種が蛙の棲むような所に生えることから名づけられた。
種小名の calandrinioides は「(スベリヒユ科の)カランドリニア属(Calandrinia)に似た」という意味である。
写真は3月に川口市立グリーンセンターの野草展で撮った。
学名:Ranunculus calandrinioides


★早春のアトラスの山に花開く
 姿思いて鉢を眺めて




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洲浜草(スハマソウ)



洲浜草(スハマソウ)はキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草である。
本州(東北、関東)の太平洋側と四国に分布し、山地の日陰に生える。
雪割草(ユキワリソウ)と呼ばれるものの1つである。
早春に花茎を伸ばして雪を割るようにして咲き出すことからつけられた名である。
雪割草(ユキワリソウ)の原種は、日本に自生する三角草(ミスミソウ)、大三角草(オオスミソウ)、洲浜草(スハマソウ)、毛洲浜草(ケスハマソウ)の4種のほか、海外に9種ほどあるそうだ。
これらの交配によって、鮮やかで豪華な園芸品種が造り出されている。
洲浜草(スハマソウ)は草丈が10~20センチくらいである。
根際から生える葉は三角形で、浅く3つに裂け、先は円い。
花色は白が基本だが、ピンク、ブルー、薄紫など多彩である。
なお、花弁のように見えるのは萼片である。
萼片の数には幅があり、6~15枚くらいである。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
三角草(ミスミソウ)は、三つに裂けた葉の角が尖っている。
これに対して洲浜草(スハマソウ)は、葉の角が丸くなっている。
和名の由来は、葉の角が丸くなっているのを「洲浜」(弧状になった砂浜)に見立てたものである。
俳句の季語は春である。
属名の Hepatica はラテン語の「hepaticus(肝臓)」からきている。葉の形から名づけられたものである。
種小名の nobile は「気品のある」という意味である。
変種名の japonica は「日本の」という意味である。
品種名の variegata は「斑入りの」という意味である。
写真は3月に板橋区立赤塚植物園で撮った。
学名:Hepatica nobilis var. japonica f. variegata


★指ほどの高さに咲いて洲浜草
 土の温もりあるやあらぬや




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