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藤野寒葵(フジノカンアオイ)



藤野寒葵(フジノカンアオイ)はウマノスズクサ科カンアオイ属の多年草である。
奄美大島の固有種である。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は10~20センチくらいである。
葉は卵形で、先は尖る。
葉には艶があるが、普通は斑が入らない。
開花時期は12~5月である。
花径は3~4センチくらいあり、仲間の中で大きい。
萼筒は緑色を帯び、上部は少しくびれる。
萼の裂片は黄緑色で、縁はあまりうねらない。
属名の Asarum はギリシャ語の「asaron(枝を打たぬ)」からきているが、関係は不明だという。
種小名の fudsinoi は明治時代の植物学者「藤野寄命さんの」という意味である。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Asarum fudsinoi


★堂々と開いた花の迫力に
 固唾を呑みつカメラに収め




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琉球馬酔木(リュウキュウアセビ)



琉球馬酔木(リュウキュウアセビ)はツツジ科アセビ属の常緑低木である。
沖縄本島の固有種である。
従来は奄美馬酔木(アマミアセビ)と同一と考えられていたが、奄美馬酔木(アマミアセビ)は2010年に新種とされた。
環境省のレッドリスト(2007)では、琉球馬酔木(リュウキュウアセビ)として「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。
もともと個体数が少ない上に園芸目的の採取によって自生地では絶滅寸前である。
樹高は2メートルから5メートルくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互生(互い違いに生える)。
葉の先は尖り、縁には先のほうに浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は2月から4月くらいである。
枝先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、壺形の白い小さな花をたくさんつける。
花冠の先は浅く5つに裂ける。
雄しべは10本である。
花の後にできる実は扁球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、上向きにつく。
属名の Pieris はギリシャ神話の詩の女神ミューズが住んでいたマケドニアの地名「ピエリス(Pieris)」 からきている。
種小名の koidzumiana は「小泉源一さんの」という意味である。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Pieris koidzumiana


★咲きかけの馬酔木の花に笑み漏れる
 蕾ゆるりと開くを待ちて




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マグノリア・キャンベリー



マグノリア・キャンベリーはモクレン科モクレン属の落葉高木である。
種小名の読み方は「カンプベルリー」とするものもある。
中国の南西部、ミャンマー、ヒマラヤ、インドのアッサム地方などに分布する。
「マグノリアの女王」と呼ばれ、多くの園芸品種の交配親とされている。
樹高は15~30メートルくらいである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の長さは30センチくらいあって大きい。
開花時期は3月くらいである。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
花の色は紅紫色で、花径も20センチくらいあって大きい。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
属名の Magnolia はフランスの植物学者「マニョルさん(P. Magnol)」の名にちなむ。
種小名の campbellii は19世紀のインドのダージリンの医師「キャンベル(A. Campbell)さんの」という意味である。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Magnolia campbellii


★女王と呼ばれる花が咲いている
 どんどん育て天に向かって




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有明菫(アリアケスミレ)



有明菫(アリアケスミレ)はスミレ科スミレ属の多年草である。
北海道から九州にかけて分布し、道端や草地、荒れ地などに生える。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
草丈は5~15センチくらいである。
葉は細長いほこ形で、5~8センチくらいの長さがある。
葉の表面には艶がある。
白菫(シロスミレ)と間違いやすいが、葉身が葉柄よりも長いことで区別できる。
開花時期は4~5月である。
立坪菫(タチツボスミレ)のような立ち上がる地上茎はなく、花は根元から出る。
花径は15~20ミリくらいである。
花の色には変異が多いが、白い花に紫色の筋がたくさん入るというものが多い。
淡い紫色がかったものもある。
なお、スミレ属は普通5弁花で左右対称形である。
上の1対のペアを「上弁」、下の1対のペアを「側弁」、下につく1枚を「唇弁」という。
有明菫(アリアケスミレ)の場合は、側弁の根元にたくさん毛が生えている。
唇弁の後ろに突き出ている部分は「距」という。
有明菫(アリアケスミレ)の距は太く短い。
属名の Viola はラテン語の「viola(菫)」からきている。
種小名の betonicifolia は「ベトニー(Stachys betonica)のような葉の」という意味である。
変種名の albescens は「白っぽい」という意味である。
写真は4月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Viola betonicifolia var. albescens


★有明の空の白さに譬えしか
 爽やかに咲く有明菫




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ナルキッスス・レプレット



ナルキッスス・レプレットはヒガンバナ科スイセン属の多年草である。
ヨーロッパで改良された園芸品種の1つである。
国際的な分類では八重咲き水仙(ヤエザキズイセン)の1つとされる。
八重咲き水仙(ヤエザキズイセン)というのは、イギリス王立園芸協会(Royal Horticultural Society)の定義では、1茎1花で、大きな八重か半八重の花をつけるもののことである。
ただし、小輪では房咲きのものもある。
本種は大輪で一輪咲きである。
草丈は30~40センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は3~4月である。
白い花びらとサーモンピンクの花びらが交互に重なる。
欠陥は花もちが悪いことで、3~4日しかもたない。
属名の Narcissus はギリシャ神話の青年の名からきている。泉に映った自分の姿に恋して死に、その後にこの花が咲き出した。
品種名の Replete は「満たされた」という意味である。
写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Narcissus 'Replete'


★花びらは白とピンクを交々に
 フリルかわいいレプレットの花




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