まい瑰(マイカイ) 春の花 2012年05月28日 まい瑰(マイカイ)はバラ科バラ属の落葉低木である。漢字もあるのだが、作字をしないと表示できないので平仮名交じりとする。マイは「攻」の字の偏を「王」にしたものを充てる。原産地は中国である。日本へは江戸時代に渡来した。日本にも分布する浜梨(ハマナス)の近縁種である。かつては両者が同一であると考えられていた時代もある。現在では、本種は浜梨(ハマナス)の変種であると考えられている。また、牧野富太郎博士は両者がまったくの別物であると考え、異なる種小名をつけた。樹高は1メートルくらいである。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は5月である。花は中輪で半八重咲きである。花の色は濃い紅紫色で、よい香りがする。花や蕾を干したものはローズ油の原料とされる。また、蕾を干したものは中国茶に利用される。花の後にできる実は偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)である。属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。種小名の odorata は「よい香りのする」という意味である。変種名の ihea は江戸時代の園芸家「伊藤伊兵衛さんの」という意味である。写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。薬用植物園での学名表示は牧野説をとっている。学名:Rosa odorata var. ihea(=Rosa rugosa var. plena)★薄っすらとその名は知っていたけれど 実物を見てほっと溜め息花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
唐種招霊(カラタネオガタマ) 夏の花 2012年05月27日 唐種招霊(カラタネオガタマ)はモクレン科オガタマノキ属の常緑低木である。別名を唐招霊(トウオガタマ)とも言う。原産地は中国南部である。日本へは江戸時代の中期に渡来した。神社・仏閣などに植えられていることが多い。樹高は2~5メートルになる。葉の形は長い楕円形で、長さは4~8センチくらいである。先は尖っておらず、ぎざぎざ(鋸歯)もない。葉には艶と厚味があり、互い違いに生える。開花時期は5~6月である。葉の脇に花径3センチくらいの6弁花をつける。花弁と萼はアイボリーがかった色をしており、縁だけ紅色になる。中心部に雌しべがあり、回りを雄しべが取り巻いている。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)で、互いに離れるのが特徴である。花にはバナナのような香りがあって、香料としても用いられる。また、鎮咳、去痰などの効果もあるという。和名の由来は、日本に自生する招霊(オガタマ)の仲間で中国から来たことからきている。属名の Michelia はスイスの植物学者「ミケーリさん(M. Micheli)」にちなむ。種小名の figo は実の形が似ているイチジクのポルトガル語表記からきている。写真は5月に鎌倉の円覚寺松嶺院で撮った。学名:Michelia figo★庭に咲く唐招霊が手招きす 不思議の色と不思議の香り
桃色昼咲き月見草(モモイロヒルザキツキミソウ) 夏の花 2012年05月26日 桃色昼咲き月見草(モモイロヒルザキツキミソウ)はアカバナ科マツヨイグサ属の多年草である。原産地は北アメリカである。日本でも観賞用として渡来したものが逸出して野生化している。草丈は30~50センチくらいである。葉は披針形で、互い違いに生える(互生)。縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5~7月である。花径4~5センチのピンクの花を咲かせる。花びらの数は4枚で、つけ根のところは筒状になる。雄しべは8本ある。雌しべの柱頭は十字状に裂ける。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。マツヨイグサの仲間にはめずらしく昼間に開花するのでこの名がついた。属名の Oenothera はギリシャ語の「oinos(酒)+ther(野獣)」からきている。根にブドウ酒のような香気があり、野獣が好むということから名づけられた。種小名の speciosa は「華やかな」という意味である。変種名の childsii はアメリカの植物収集家「チャイルズ(J. L. Childs)さんの」という意味である。写真は5月に都立木場公園の外来植物園で撮った。学名:Oenothera speciosa var. childsii★咲くのなら昼がよいぞと決意して 仲間と違う道をたどって植物図鑑花図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
那須の檜扇文目(ナスノヒオウギアヤメ) 夏の花 2012年05月25日 那須の檜扇文目(ナスノヒオウギアヤメ)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。栃木県に分布し、那須高原の貯水池や水田の用水路に生える。北海道から本州の中部地方にかけて分布する檜扇文目(ヒオウギアヤメ)の変種である。基本種との違いは、全体に大形で、外花被片も幅が広い。環境省のレッドリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。なお、那須の檜扇文目(ナスノヒオウギアヤメ)の名称は2007年版レッドリストから採用されたものである。それ以前は那須檜扇文目(ナスヒオウギアヤメ)と呼ばれており、Ylistでもこの名称である。草丈は80センチから100センチくらいである。葉は剣状で、幅が2センチから3センチくらいあり、檜扇(ヒオウギ)に似る。開花時期は5月から6月である。茎先で枝分かれしてて花径8センチくらいの青紫色の花をつける。外花被片は3枚あり、円形ないし心形で大きい。文目(アヤメ)と同様の網目模様が入る。内花被片は文目(アヤメ)よりも短く、へら形をしている。花は一日花で、朝開き夕方にはしぼんでしまう。実は結ばない。属名の Iris はギリシャ語で虹を意味する。種小名の setosa は「棘状の」という意味である。変種名の nasuensis は「那須の」という意味である。写真は5月につくば植物園で撮った。学名:Iris setosa var. nasuensis★地元ではしっかり育てているらしい 滅多に見られぬ花に出合って花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
藪空木(ヤブウツギ) 夏の花 2012年05月24日 藪空木(ヤブウツギ)はスイカズラ科タニウツギ属の落葉低木である。日本固有種である。本州の関東地方から中国地方の太平洋側と四国に分布し、山地に生える。樹高は2~4メートルくらいである。樹皮は灰褐色ないし灰黒色である。葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の表面は緑色、裏面は灰緑色である。葉の先は尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の両面には毛が生えている。開花時期は5~6月である。葉の脇に長さ25~35ミリくらいの紅紫色をした漏斗状の花を数輪ずつつける。花の先は5つに裂けている。雄しべは5本である。長い雌しべが花冠から突き出している。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、わずかに湾曲する。なお、毛空木(ケウツギ:Weigela sanguinea)の別名を「藪空木」という。この学名を本種の異名とする見解と異種とする見解がある。属名の Weigela はドイツの科学者「ウェイゲル(Weigel)さん」の名からきている。種小名の floribunda は「花の多い」という意味である。写真は5月につくば植物園で撮った。学名:Weigela floribunda★濃い色の花の写真が多いけど これはピンクだいつこうなるの花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|