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季節の花

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カルドン



カルドン(cardoon)はキク科チョウセンアザミ属の多年草である。
原産地は地中海沿岸地方である。
草丈は150~200センチくらいである。
葉は羽状に深く裂け、互い違いに生える(互生)。
葉の柄には棘がたくさんある。
開花時期は7~9月である。
茎先に花径10~15センチくらいある淡い紫色の大きな花(頭花)をつける。
総包片(萼のところにある棘のような葉)は棘状となる。
近縁種の朝鮮薊(チョウセンアザミ)の場合は棘状とならない。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
ヨーロッパでは、葉の柄や根が食用とされる。
属名の Cynara はギリシャ語の「cyno(犬)」からきている。総苞の周りの棘が犬の歯に似ていることから名づけられた。
種小名の cardunculus は「小さいアザミ」という意味である。
写真は7月につくば植物園で撮った。
学名:Cynara cardunculus


★カルドンが仁王立ちする夏の午後
 幻影かもと目をこすりつつ




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菊芋擬き(キクイモモドキ)



菊芋擬き(キクイモモドキ)はキク科キクイモモドキ属(ヘリオプシス属)の多年草である。
原産地は北アメリカである。
日本へは明治時代の半ばに渡来した。
ヒマワリ属の菊芋(キクイモ)によく似た花を咲かせることからこの名がついた。
しかし、菊芋(キクイモ)と違って根塊はできない。
別名を姫向日葵(ヒメヒマワリ)という。
属名のヘリオプシス(Heliopsis)の名でも流通している。
また、逸出したものが野生化している。
草丈は50~150センチくらいである。
葉は卵形で、向かい合って生える(対生)。
茎や葉には短くて固い毛が生えている。
開花時期は7~10月である。
黄色または橙黄色の花(頭花)をいっぱい咲かせる。
花径は5~6センチあり、八重咲きのものもある。
舌状花は8~15枚である。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Heliopsis はギリシャ語の「helios(太陽)+opsis(似た)」からきている。頭花の形からつけられた名である。
種小名の helianthoides は「ヒマワリのような花の」という意味である。
写真は7月に小石川植物園で撮った。
学名:Heliopsis helianthoides


★花びらをぐいと広げて咲き誇る
 花の姿は向日葵に似て




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大車(オオグルマ)



大車(オオグルマ)はキク科オグルマ属の多年草である。
原産地はヨーロッパからコーカサス地方にかけてである。
日本でも江戸時代から薬用として栽培されている。
和名は小車(オグルマ)に似て大形であることからつけられた。
草丈は1~3メートルである。
茎にも葉にも軟毛が生える。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~8月である。
茎先に黄色い筒状花と舌状花からなる頭花をつける。
向日葵(ヒマワリ)によく似ている。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
根を生薬で土木香(どもっこう)といい、発汗、利尿、去痰の薬効がある。
英名はエリキャンペーン(elecampane)である。
属名の Inula はオオグルマの古代ラテン名からきている。
種小名の helenium はトロイの「ヘレン(Helena)」の名からきている。
写真は7月に小石川植物園で撮った。
学名:Inula helenium


★夏の陽を一杯浴びて人様の
 役に立てれば言うことはなし




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伊吹九蓋草(イブキクガイソウ)



伊吹九蓋草(イブキクガイソウ)はゴマノハグサ科クガイソウ属の多年草である。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
分類上は、本州に広く分布する九蓋草(クガイソウ)の変種とされている。
伊吹山の固有種で、基本種よりも背丈が低い。
草丈は50センチくらいである。
茎は直立する。
葉は披針形で、4~8枚が輪生して何段もの層になる。
葉は先が尖り、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~8月である。
茎先に穂状の長い総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の小さな花をたくさんつける。
花冠は筒状をしていて、先が浅く4つに裂ける。
萼片は5枚で先が尖る。
雄しべは2本、雌しべは1本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Veronicastrum はラテン語の「Veronica(クワガタソウ属)+astrum(似ている)」からきている。
種小名の japonicum は「日本の」という意味である。
変種名の humile は「背が低い」という意味である。
写真は8月に伊吹山で撮った。
学名:Veronicastrum japonicum var. humile


★背が低く同じ花とは思えない
 なるほど分ける見方もあるか




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神威ビランジ(カムイビランジ)



神威ビランジ(カムイビランジ)はナデシコ科マンテマ属の多年草である。
北海道固有種である。
日高山脈と十勝地方に分布し、高山の岩礫地に生える。
環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。
和名の由来は、日高山脈のカムイエクウチカウシ山で発見されたことからきている。
なお、「ビランジ」の名の由来は不明である。
牧野富太郎博士も由来不明としている。
草丈は5~10センチくらいである。
根際から生える葉は披針形で、そこから茎が束生する。
葉には柄はなく、葉の縁に疎らに短い毛が生える。
茎につく葉は向かい合って生える(対生)。
開花時期は8月である。
茎先に普通は1輪の淡い紅紫色の花をつける。
花びらは5枚で、花びらの先は少しへこむ。
萼は筒形で、ほとんど毛は生えておらず、先は5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Silene はギリシャ神話の「シレネス(Silenes、バッカスの養父)」からきている。この属には粘液性の分泌液を出すものが多いので、これを酔って泡だらけになった様子にたとえた。
種小名の hidaka-alpina は「日高山脈に生える」という意味である。
写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Silene hidaka-alpina


★険しくて人寄せつけぬ峰に咲く
 北国の花夏は短く




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