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姫萩(ヒメハギ)



姫萩(ヒメハギ)はヒメハギ科ヒメハギ属の多年草である。
北海道から沖縄にかけて分布し、山野に生える。
海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。
和名の由来は、花が萩(ハギ)に似ていて全体が小形なことからきている。
草丈は10~30センチである。
茎は硬く、つけ根の部分で枝分かれをして地を這い、先で立ち上がる。
全体に毛は生えておらず、紅紫色を帯びる。
葉は長さ1センチくらいの楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の先とつけ根は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
葉の縁と葉の裏面の主脈は紅紫色を帯びる。
開花時期は4~7月である。
茎の上部に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、数輪の花をつける。
花の大きさは3~8ミリくらいで、花の色は紅紫色である。
5枚の萼片が花弁のように見える。
そのうちの2枚が大きな卵形で、左右にはり出す。
残る3枚は披針形である。
花弁は筒状になっている。
これは3枚の花弁が合着したものである。
花弁の先は房状となる。
花の後にできる実は円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、広い翼がついている。
属名の Polygala はギリシャ語の「polys(多)+gala(乳)」からきている。この属の1種が乳の分泌をよくすると考えられ名づけられた。
種小名の japonica は「日本の」という意味である。
写真は4月に京都府立植物園で撮った。
学名:Polygala japonica


★姫の名がうってつけだよ姫萩は
 小さく咲いて姿やさしく





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瓔珞躑躅(ヨウラクツツジ)



瓔珞躑躅(ヨウラクツツジ)はツツジ科ヨウラクツツジ属の落葉低木である。
日本固有種である。
九州の熊本県、大分県、宮崎県に分布し、山地に生える。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
「瓔珞」というのは、仏像の天蓋などにつける垂飾りのことである。
和名の由来は、「瓔珞」に似た花を咲かせる躑躅ということから名づけられた。
樹高は1~3メートルくらいである。
幹はよく枝分かれをする。
葉は長さ4センチくらいの楕円形で、枝先に集まって互い違いに生える(互生)。
葉の質は薄く、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
葉の表面や縁には腺毛(粘着物質を出す毛)が生える。
開花時期は5~6月である。
枝先に濃い紅紫色の花が数個ずつ下向きにつく。
花冠は長さ12~14ミリくらいの筒形で、先が浅く4つに裂ける。
花冠の内側には短い毛が密生する。
裂片の縁には腺毛(粘着物質を出す毛)が生える。
萼片は4枚である。
雄しべは8本である。
花糸には毛が生えている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Menziesia はイギリス人の医師で博物学者の「メンジーズ(Archibald Menzies, 1754-1842)さん」の名からきている。バンクーバーへ旅行した際にこの植物の1種を持ち帰った。
種小名の purpurea は「紫色の」という意味である。
写真は5月に川口市立グリーンセンターの山野草展で撮った。
学名:Menziesia purpurea


★壺形の小さな花が微笑を
 もらすがごとく瓔珞躑躅




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ロサ・キネンシス・ミニマ



ロサ・キネンシス・ミニマはバラ科バラ属の常緑小低木である。
庚申薔薇(コウシンバラ:Rosa chinensis)の変種で、矮性種である。
原産地は中国である。
学名の読み方はロサ・シネンシス・ミニマとするものもある。
樹高は30~50センチくらいである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は、細長い卵形である。
園芸品種のミニ薔薇(ミニバラ)の交配親であり、四季咲き性がある。
一重咲きや八重咲きのものがあり、花の色にも濃淡がある。
花の後にできる実は球形の偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)で、熟すと赤くなる。
属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。
種小名の chinensis は「中国の」という意味である。
変種名の minima は「最も小さい」という意味である。
写真は5月につくば植物園で撮った。
学名:Rosa chinensis var. minima


★ミニバラのご先祖様と聞かされて
 思いを馳せる彼の地の庭に




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大葉溝酸漿(オオバミゾホオズキ)



大葉溝酸漿(オオバミゾホオズキ)はゴマノハグサ科ミゾホオズキ属の多年草である。
分類体系によってはハエドクソウ科とされる。
北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山の水湿地に生える。
海外では、サハリンにも分布する。
草丈は10~30センチくらいである。
地下茎を横に伸ばして群落をつくる。
茎の断面は四角形で直立し、枝分かれをしない。
もう少し低い山地に生える近縁種の溝酸漿(ミゾホオズキ)は枝分かれをする。
葉は長さ3~6センチくらいの卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉には柄はなく、縁には棘状の鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉脈は平行脈である。
開花時期は6~8月である。
葉の脇から花柄を伸ばし、長さ25~30ミリくらいの黄色い筒形の花をつける。
花冠の先は唇形に裂ける。
上の唇は2つに裂け、下の唇は3つに裂ける。
下の唇の内側には褐色の斑点がある。
萼片は5枚である。
雄しべは4本あり、そのうちの2本が長い。
雌しべは1本である。
花の後にできる実は楕円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、萼に包まれる。
和名の由来は、萼につつまれた実の様子を「酸漿」になぞらえたものである。
属名の Mimulus はラテン語で「mimus(道化者)」の縮小形である。歯をむき出すような花冠の形と模様から名づけられた。
種小名の sessilifolius は「柄のない葉の」という意味である。
写真は7月に尾瀬で撮った。
学名:Mimulus sessilifolius


★めずらしい花の形が個性的
 湿地を照らす明かりのように




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シベリアン・アイリス



シベリアン・アイリス(Siberian Iris)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。
原産地は北アジア、東ヨーロッパ、中央ヨーロッパである。
別名をシベリア文目(シベリアアヤメ)という。
学名のイリス・シビリカで表示するものもある。
草丈は50~120センチくらいである。
根際から生える葉は線形である。
開花時期は5~6月である。
花の色は青紫色で、花径は10センチくらいある。
花被片は6枚である。
文目(アヤメ:Iris sanguinia)との交配で多くの園芸品種が生まれている。
園芸品種は、花色も花型もバラエティーに富んでいる。
属名の Iris はギリシャ語で虹を意味する。
種小名の sibirica は「シベリアの」という意味である。
写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。
学名:Iris sibirica


★華やかな網目模様がよく似合う
 清楚に咲いたシベリアンアイリス




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