姫萩(ヒメハギ) 夏の花 2013年06月06日 姫萩(ヒメハギ)はヒメハギ科ヒメハギ属の多年草である。北海道から沖縄にかけて分布し、山野に生える。海外では、朝鮮半島、台湾、中国などにも分布する。和名の由来は、花が萩(ハギ)に似ていて全体が小形なことからきている。草丈は10~30センチである。茎は硬く、つけ根の部分で枝分かれをして地を這い、先で立ち上がる。全体に毛は生えておらず、紅紫色を帯びる。葉は長さ1センチくらいの楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先とつけ根は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。葉の縁と葉の裏面の主脈は紅紫色を帯びる。開花時期は4~7月である。茎の上部に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、数輪の花をつける。花の大きさは3~8ミリくらいで、花の色は紅紫色である。5枚の萼片が花弁のように見える。そのうちの2枚が大きな卵形で、左右にはり出す。残る3枚は披針形である。花弁は筒状になっている。これは3枚の花弁が合着したものである。花弁の先は房状となる。花の後にできる実は円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、広い翼がついている。属名の Polygala はギリシャ語の「polys(多)+gala(乳)」からきている。この属の1種が乳の分泌をよくすると考えられ名づけられた。種小名の japonica は「日本の」という意味である。写真は4月に京都府立植物園で撮った。学名:Polygala japonica★姫の名がうってつけだよ姫萩は 小さく咲いて姿やさしく植物図鑑花図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
瓔珞躑躅(ヨウラクツツジ) 夏の花 2013年06月05日 瓔珞躑躅(ヨウラクツツジ)はツツジ科ヨウラクツツジ属の落葉低木である。日本固有種である。九州の熊本県、大分県、宮崎県に分布し、山地に生える。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。「瓔珞」というのは、仏像の天蓋などにつける垂飾りのことである。和名の由来は、「瓔珞」に似た花を咲かせる躑躅ということから名づけられた。樹高は1~3メートルくらいである。幹はよく枝分かれをする。葉は長さ4センチくらいの楕円形で、枝先に集まって互い違いに生える(互生)。葉の質は薄く、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。葉の表面や縁には腺毛(粘着物質を出す毛)が生える。開花時期は5~6月である。枝先に濃い紅紫色の花が数個ずつ下向きにつく。花冠は長さ12~14ミリくらいの筒形で、先が浅く4つに裂ける。花冠の内側には短い毛が密生する。裂片の縁には腺毛(粘着物質を出す毛)が生える。萼片は4枚である。雄しべは8本である。花糸には毛が生えている。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Menziesia はイギリス人の医師で博物学者の「メンジーズ(Archibald Menzies, 1754-1842)さん」の名からきている。バンクーバーへ旅行した際にこの植物の1種を持ち帰った。種小名の purpurea は「紫色の」という意味である。写真は5月に川口市立グリーンセンターの山野草展で撮った。学名:Menziesia purpurea★壺形の小さな花が微笑を もらすがごとく瓔珞躑躅花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
ロサ・キネンシス・ミニマ 夏の花 2013年06月04日 ロサ・キネンシス・ミニマはバラ科バラ属の常緑小低木である。庚申薔薇(コウシンバラ:Rosa chinensis)の変種で、矮性種である。原産地は中国である。学名の読み方はロサ・シネンシス・ミニマとするものもある。樹高は30~50センチくらいである。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。小葉の形は、細長い卵形である。園芸品種のミニ薔薇(ミニバラ)の交配親であり、四季咲き性がある。一重咲きや八重咲きのものがあり、花の色にも濃淡がある。花の後にできる実は球形の偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)で、熟すと赤くなる。属名の Rosa はケルト語の「rhodd(赤色)」からきている。種小名の chinensis は「中国の」という意味である。変種名の minima は「最も小さい」という意味である。写真は5月につくば植物園で撮った。学名:Rosa chinensis var. minima★ミニバラのご先祖様と聞かされて 思いを馳せる彼の地の庭に花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
大葉溝酸漿(オオバミゾホオズキ) 夏の花 2013年06月03日 大葉溝酸漿(オオバミゾホオズキ)はゴマノハグサ科ミゾホオズキ属の多年草である。分類体系によってはハエドクソウ科とされる。北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、亜高山の水湿地に生える。海外では、サハリンにも分布する。草丈は10~30センチくらいである。地下茎を横に伸ばして群落をつくる。茎の断面は四角形で直立し、枝分かれをしない。もう少し低い山地に生える近縁種の溝酸漿(ミゾホオズキ)は枝分かれをする。葉は長さ3~6センチくらいの卵形で、向かい合って生える(対生)。葉には柄はなく、縁には棘状の鋭いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉脈は平行脈である。開花時期は6~8月である。葉の脇から花柄を伸ばし、長さ25~30ミリくらいの黄色い筒形の花をつける。花冠の先は唇形に裂ける。上の唇は2つに裂け、下の唇は3つに裂ける。下の唇の内側には褐色の斑点がある。萼片は5枚である。雄しべは4本あり、そのうちの2本が長い。雌しべは1本である。花の後にできる実は楕円形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、萼に包まれる。和名の由来は、萼につつまれた実の様子を「酸漿」になぞらえたものである。属名の Mimulus はラテン語で「mimus(道化者)」の縮小形である。歯をむき出すような花冠の形と模様から名づけられた。種小名の sessilifolius は「柄のない葉の」という意味である。写真は7月に尾瀬で撮った。学名:Mimulus sessilifolius★めずらしい花の形が個性的 湿地を照らす明かりのように花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
シベリアン・アイリス 夏の花 2013年06月02日 シベリアン・アイリス(Siberian Iris)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。原産地は北アジア、東ヨーロッパ、中央ヨーロッパである。別名をシベリア文目(シベリアアヤメ)という。学名のイリス・シビリカで表示するものもある。草丈は50~120センチくらいである。根際から生える葉は線形である。開花時期は5~6月である。花の色は青紫色で、花径は10センチくらいある。花被片は6枚である。文目(アヤメ:Iris sanguinia)との交配で多くの園芸品種が生まれている。園芸品種は、花色も花型もバラエティーに富んでいる。属名の Iris はギリシャ語で虹を意味する。種小名の sibirica は「シベリアの」という意味である。写真は6月に札幌市の百合が原公園で撮った。学名:Iris sibirica★華やかな網目模様がよく似合う 清楚に咲いたシベリアンアイリス花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|