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鬼サルビア(オニサルビア)



鬼サルビア(オニサルビア)はシソ科アキギリ属の越年草である。
原産地は南ヨーロッパから西アジアである。
英名をクラリセージ(clary sage)という。
草丈は60~90センチくらいである。
葉は長さが15センチくらいの大きな楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~7月である。
茎先に長くて大きな総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、ピンクの苞(花のつけ根につく葉の変形したもの)に包まれた花を咲かせる。
花の色には、淡い青紫色や桃色などのものがある。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。
葉から採る精油は調味料や香料のほか、薬用にも用いられる。
また、葉もスープに入れたりして食べる。
属名の Salvia はラテン語の「salvare(治療)」からきている。薬用になるものが多いことから名づけられた。
種小名の sclarea は「清浄な」という意味である。
写真は6月につくば植物園で撮った。
学名:Salvia sclarea


★ふくよかな香り漂う花の精
 鬼サルビアの咲くころとなり




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鼬萩(イタチハギ)



鼬萩(イタチハギ)はマメ科イタチハギ属の落葉低木である。
原産地は北アメリカで、カナダからメキシコにかけて分布する。
英名はインディゴ・ブッシュ(indigo bush)である。
日本へは砂防用、護岸用として大正時代に渡来した。
現在は野生化しており、繁殖するのでほかの植物に影響をおよぼす恐れがある。
そのため日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。
外来生物法でも要注意外来生物に指定されている。
樹高は1~4メートルくらいである。
枝には弱い棘がある。
葉はやや大きな奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は卵形である。
葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
開花時期は5~6月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、暗い紫色をした小さな蝶形の花をたくさんつける。
黄色の葯(雄しべの花粉を入れる袋)が目立つ。
花の後にできる実は長さ1センチくらいの豆果(莢の中に種子が入るもの)で、種子が1個あり、熟しても弾けない。
和名の由来は、花序の姿からイタチの尾を連想したものである。
別名を黒花槐(クロバナエンジュ)という。
属名の Amorpha はギリシャ語の「amorphos(不格好な)」からきている。花が旗弁のみで、翼弁や竜骨弁がないことから名づけられた。
種小名の fruticosa は「低木状の」という意味である。
写真は5月に小石川植物園で撮った。
学名:Amorpha fruticosa


★イタチの尾ぴんと伸ばして咲く姿
 変わってるねと首をかしげて
☆イタチの尾花粉をつけてにょきにょきと
 花と思わず奇妙な姿




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シレネ・ビリディフローラ



シレネ・ビリディフローラはナデシコ科マンテマ属の多年草である。
原産地は中央アジアである。
草丈は40~70センチくらいである。
茎はよく枝分かれをする。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は5~8月である。
細長くて緑色がかったクリーム色の花びらが反り返って茎から垂れ下がる。
花弁は5枚だが、それぞれの花弁が深く2つに裂けているので、10枚の花びらのように見える。
筒状の萼は緑色である。
花の雰囲気は霞草(カスミソウ)に似ている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Silene はギリシャ神話の「シレネス(Silenes、バッカスの養父)」からきている。この属には粘液性の分泌液を出すものが多いので、これを酔って泡だらけになった様子にたとえた。
種小名の viridiflora は「緑色の花の」という意味である。
写真は6月に富山県中央植物園で撮った。
同植物園では平成17年に種子交換でフランスのブザンソン大学植物園から入手したという記録が公開されている。
学名:Silene viridiflora


★謎多い花の秘密を知りたくて
 鍵はどこかとネットをめぐり




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ヒヨス



ヒヨスはナス科ヒヨス属の一年草である。
原産地はヨーロッパ、北アフリカ、シベリア、ヒマラヤ、中国などである。
日本には野生種はなく、製薬原料として栽培されている。
草丈は20~100センチくらいである。
茎は直立し、上部で疎らに枝分かれをする。
全体に腺毛(粘着物質を出す毛)が密生する。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~9月である。
花は黄色い漏斗形で、花冠の内側には紫色の脈がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
ヒヨスチアミンなどのアルカロイドを含み、葉を鎮痛、鎮静、鎮痙薬とする。
ただし、劇薬である。
ホメロスの「オデッセイヤ」やシェークスピアの「ハムレット」の中にもヒヨスは登場する。
また、魔女とのつながりも深いそうである。
和名の由来は、属名であるヒヨスキアムス(Hyoscyamus)の上の部分からつけられたものである。
属名の Hyoscyamus はギリシャ語の「hyos(豚)+cyamos(豆)」からきている。豚にも毒の効き目があるという意味で名づけられた。
種小名の niger は「黒い」という意味である。
写真は8月に小石川植物園で撮った。
学名:Hyoscyamus niger


★この花の色の深さがどことなく
 魔界思わすふと誘われて




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白藜(シロザ)



白藜(シロザ)はアカザ科アカザ属の一年草である。
分類体系によってはヒユ科とされる。
原産地はヨーロッパである。
日本へは旧い時代に渡来した。
現在は日本全土に分布し、道端や畑地に生える。
北海道ブルーリストでは、Bランクに登録されている。
草丈は60~150センチくらいである。
葉は下部は菱形状の卵形、上部は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には波形の切れ込みがある。
若葉の真ん中は白い粉粒に覆われ、白く見える。
開花時期は9~10月である。
黄緑色をした粒状の花を穂状につける。
花の後にできる実は球形の胞果(薄皮のような果皮の中に種子が1個入っているもの)である。
変種に藜(アカザ:Chenopodium album var. centrorubrum)がある。
属名の Chenopodium はギリシャ語の「chen(ガチョウ)+podion(小さい足)」からきている。葉の形から名づけられた。
種小名の album は「白い」という意味である。
写真は6月に木場公園の外来植物園で撮った。
学名:Chenopodium album


★白粉と言うには少し野暮だけど
 まま事ならばそれもまた善し





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