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ヒヨス



ヒヨスはナス科ヒヨス属の一年草である。
原産地はヨーロッパ、北アフリカ、シベリア、ヒマラヤ、中国などである。
日本には野生種はなく、製薬原料として栽培されている。
草丈は20~100センチくらいである。
茎は直立し、上部で疎らに枝分かれをする。
全体に腺毛(粘着物質を出す毛)が密生する。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は5~9月である。
花は黄色い漏斗形で、花冠の内側には紫色の脈がある。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
ヒヨスチアミンなどのアルカロイドを含み、葉を鎮痛、鎮静、鎮痙薬とする。
ただし、劇薬である。
ホメロスの「オデッセイヤ」やシェークスピアの「ハムレット」の中にもヒヨスは登場する。
また、魔女とのつながりも深いそうである。
和名の由来は、属名であるヒヨスキアムス(Hyoscyamus)の上の部分からつけられたものである。
属名の Hyoscyamus はギリシャ語の「hyos(豚)+cyamos(豆)」からきている。豚にも毒の効き目があるという意味で名づけられた。
種小名の niger は「黒い」という意味である。
写真は8月に小石川植物園で撮った。
学名:Hyoscyamus niger


★この花の色の深さがどことなく
 魔界思わすふと誘われて




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