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バシクルモン



バシクルモンはキョウチクトウ科バシクルモン属の多年草である。
日本固有種である。
面白い名前はアイヌ語に由来する。
「パスクル(カラス)」+「ムム(草)」の転訛したものである。
別名を忍路草(オショロソウ)ともいう。
これは小樽市の忍路海岸に生えることからきた名前である。
北海道と本州の青森県から新潟県にかけての日本海側に分布し、海岸の草地に生える。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は40~80センチくらいである。
根茎は太く、木質化して広がる。
茎は赤味を帯びていて直立し、上部でよく枝分かれをする。
葉は長さ2~5センチの長い楕円形で、短い柄がある。
枝分かれした部分では向かい合って生え(対生)、幹の部分では互い違いに生える(互生)。
開花時期は6~7月である。
茎先に円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、淡い紅紫色の小さな花をつける。
花冠は狭い鐘形で、先は5つに裂ける。
なお、本種の基本種は中国などに分布する羅布麻(ラマフ)である。
薬草として知られる。
属名の Apocynum はギリシャ語の「apo(去って)+cyno(犬)」からきている。「犬除け」の意味で、その毒性から名づけられた。
種小名の venetum はイタリアの「ベネト州(Veneto)の」という意味である。
変種名の basikurumon は日本語の「バシクルモン」からきている。
写真は6月に氷見市海浜植物園で撮った。
まだ蕾である。
学名:Apocynum venetum var. basikurumon(=Trachomitum venetum var. basikururmon)

★海岸の草地が好きなバシクルモン
 潮風好きと戯れ遊び




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捩木(ネジキ)



捩木(ネジキ)はツツジ科ネジキ属の落葉小高木である。
本州の岩手県から九州にかけて分布し、山地に生える。
海外では、台湾、中国にも分布する。
樹高は2~8メートルくらいである。
樹皮は白っぽい。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はなく、波打っている。
葉の先はよじれて尖る。
開花時期は5~6月である。
葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、小さな白い壺形の花をたくさん垂れ下げる。
花冠の長さは1センチくらいで、先は5つに浅く裂ける。
花の後にできる実は球形のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)で、上向きにつく。
和名の由来は、幹が捩れることからきている。
馬酔木(アセビ)と同様に葉には有毒成分を含む。
秋には紅葉をする。
属名の Lyonia はアメリカの植物収集家「ライオン(John Lyon, ?-1818)さん」の名からきている。
種小名の ovalifolia は「広楕円形の葉の」という意味である。
変種名の elliptica は「楕円形の」という意味である。
写真は5月に小石川植物園で撮った。
学名:Lyonia ovalifolia var. elliptica


★葉の陰に鈴蘭思わす壺形の
 花がずらりと居並ぶように




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アメリカ防風(アメリカボウフウ)



アメリカ防風(アメリカボウフウ)はセリ科アメリカボウフウ属の一年草ないし越年草である。
原産地は地中海沿岸地方からコーカサス地方にかけてである。
「アメリカ」の名がつくがアメリカ原産ではない。
「防風」は生薬に用いられる中国産のセリ科の植物名からきている。
別名をパースニップ(parsnip)という。
この名は英名からきている。
ギリシャ・ロ-マの時代から根菜として栽培されてきた。
草丈は70~110センチくらいである。
茎につく葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、互い違いに生える(互生)。
小葉の形は卵形である。
小葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、頂上葉は浅く裂ける。
根際から生える葉には長い柄があり、束生する。
開花時期は5~6月くらいである。
茎先に複数の散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、黄色い小さな花をたくさんつける。
花弁は5枚で内側に曲がる。
雄しべは5本である。
食用とされる根は長さが30~50センチくらいあり、人参(ニンジン)のような逆円錐形をしている。
色は黄白色で、甘みがある。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、2ブロックで構成される。
属名の Pastinaca はラテン語の「pastus(食物)」からきている。根茎を食用にすることから名づけられた。
種小名の sativa は「栽培された」という意味である。
写真は6月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Pastinaca sativa


★防風と思えぬような姿して
 だけど根っこは食べられるとさ




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ベロニカ・ゲンチアノイデス



ベロニカ・ゲンチアノイデスはゴマノハグサ科クワガタソウ属の多年草である。
分類体系によってはオオバコ科とされる。
原産地はイラン、トルコ、コーカサス地方などである。
山地の草地に生える。
日本へは昭和時代の初期に渡来した。
草丈は30~50センチくらいである。
根際から生える葉は楕円形ないし披針形(笹の葉のような形)で、ロゼット状(茎から葉が重なり合って出て地に接し、円座形になったもの)となる。
葉には艶があり、濃い緑色である。
茎につく葉は小さく、互い違いに生える(互生)。
開花時期は5~7月である。
花茎をのばして緩やかな総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、下から順に咲き上る。
花径は5ミリくらいで、花冠は4つに裂けて皿形に開く。
花の色は淡い青紫色で、花冠の内側には縦に青い筋が入る。
萼片は4枚、雄しべは2本、雌しべは1本である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Veronica は聖者ベロニカに捧げられた名である。
種小名の gentianoides は「リンドウ属(Gentiana)に似た」という意味である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Veronica gentianoides


★薄っすらと青みを帯びた花の色
 お洒落な筋がとても似合うよ




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ジャカランダ・プベルラ



ジャカランダ・プベルラはノウゼンカズラ科キリモドキ属の常緑低木ないし高木である。
キリモドキ属は南アメリカに50種くらいが分布する。
本種の原産地はブラジル、パラグアイ、アルゼンチンである。
一般名はカロベイラ(carobeira)という。
樹高は3~10メートルである。
葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は5~6月である。
花冠は漏斗状で、先が5つに裂ける。
花の色は淡い紫色である。
花の後にできる実は莢状のさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Jacaranda はブラジルでの呼び名からきている。
種小名の puberula は「短い軟毛で覆われた」という意味である。
写真は6月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Jacaranda puberula


★鬱蒼と垂れ下がる花ベルのよう
 傷みやすいが南国気分




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