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獅子葉谷渡り(シシバタニワタリ)



獅子葉谷渡り(シシバタニワタリ)はウラボシ科エゾデンダ属の常緑多年草である。
エゾデンダ属は世界に160種くらいあり、日本にも7種分布する着生種である。
基本種は文目羊歯(アヤメシダ)といい、台湾や中国の南部からオーストラリアにかけて世界の熱帯・亜熱帯地方に広く分布する。
草丈は1メートルくらいである。
文目羊歯(アヤメシダ)の葉は披針形(笹の葉のような形)の単葉で、艶のある緑色をしている。
葉の質は硬く、一見すると大谷渡り(オオタニワタリ)に似ている。
胞子嚢群は点状で、葉の先のほうの裏面に散在する。
獅子葉谷渡り(シシバタニワタリ)はその園芸品種である。
特徴は、葉の先がとさか状に細かく分かれることである。
日本では鉢植えの観葉植物や花材として流通している。
属名の Polypodium はギリシャ語の「polys(多)+pous(足)」からきている。枝分かれした根茎がたくさんあることから名づけられた。
種小名の punctatum は「斑点のある」という意味である。
園芸品種名の Grandiceps は「大きな頭の」という意味である。
写真は1月に新宿御苑で撮った。
学名:Polypodium punctatum 'Grandiceps'(syn. Microsorum punctatum 'Grandiceps')

★羊歯の葉もいろんな変異があるようだ
 とても気になる獅子葉の由来




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エピデンドルム・ケントラデニウム



エピデンドルム・ケントラデニウムはラン科エピデンドルム属の多年草である。
エピデンドルム属はカトレアの近縁種で、中南アメリカに1000種くらい分布する着生種である。
属名の読み方は「エピデンドラム」とするものもある。
分類の仕方によってはオエルステデラ属(Oerstedella)とされることもある。
本種の原産地は中央アメリカである。
ニカラグア、コスタリカ、パナマに分布し、標高1300~1500メートルくらいの湿った森の樹上に生える。
種小名の読み方は「セントラデニウム」とするものもある。
草丈は20~50センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)である。
開花時期は冬から春である。
花径2センチくらいの花を3~5輪くらいつける。
花の色は濃いピンクである。
桜姫千鳥(サクラヒメチドリ)という流通名もあるようである。
属名の Epidendrum はギリシャ語の「epi(上) + dendron(木)」からきている。着生種であることを示すために名づけられた。
種小名の centradenium はギリシャ語の「centron(真ん中) + aden(大きい)」からきている。
写真は1月に新宿御苑で撮った。
学名:Epidendrum centradenium(syn. Oerstedella centradenia)

★この地区の蘭の分類難しい
 日本だけしか通じぬ名前も




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菱形蓬莱羊歯(ヒシガタホウライシダ)



菱形蓬莱羊歯(ヒシガタホウライシダ)はホウライシダ科ホウライシダ属の常緑多年草である。
分類体系によってはイノモトソウ科とされる。
中南アメリカに分布し、熱帯雨林に生えるシダ植物である。
日本にも分布する孔雀羊歯(クジャクシダ)などと同じ仲間である。
草丈は30センチから100センチくらいである。
茎や葉軸は細くて硬い針金状で、黒褐色をしている。
葉は2~3回羽状複葉である。
小葉はやや厚手で艶があり、菱形をしている。
胞子嚢群は小葉の裏面の縁に並ぶ。
属名の Adiantum はギリシャ語の「a(無)+dianotos(濡れる)」からきている。雨を弾いて濡れない葉ということから名づけられた。
種小名の trapeziforme は「不等辺四辺形の」という意味である。
写真は1月に新宿御苑で撮った。
学名:Adiantum trapeziforme

★大形で葉っぱの形も変わってる
 羊歯と思えぬ姿だけれど




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琉球豆蔦(リュウキュウマメヅタ)



琉球豆蔦(リュウキュウマメヅタ)はウラボシ科マメヅタ属の常緑多年草である。
マメヅタ属は日本からインドにかけて10種くらいが分布する。
本種は奄美大島から沖縄にかけて分布し、山地の林の中や山道沿いで樹木や岩に茎を這わせて着生するシダ植物である。
海外では、台湾、中国南部などにも分布する。
分類上は豆蔦(マメヅタ)の変種とされている。
基本種に比べて大形で葉が細長いのが特徴である。
ただし、基本種と区別しない考え方もある。
栄養葉は楕円形で、互い違いに疎らに生える(互生)。
葉の質は肉厚で、水分を多く蓄えている。
胞子葉はへら形で細長く、やや立ち上がる。
胞子嚢群は中肋の両側につく。
栄養葉は長さが5センチくらい、胞子葉は長さが7センチくらいまで成長する。
属名の Lemmaphyllum はギリシャ語の「lemma(皮)+phyllon(葉)」からきている。葉が皮質で乾いていることから名づけられた。
種小名の microphyllum は「小さい葉の」という意味である。
変種名 obovatum は「倒卵形の」という意味である。
写真は5月に神戸市の六甲高山植物園の山野草展で撮った。
学名:Lemmaphyllum microphyllum var. obovatum

★シダだけど丸い葉っぱが面白く
 姿ぽってり愛嬌備え




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プロテア・キナロイデス



プロテア・キナロイデスはヤマモガシ科プロテア属の常緑低木である。
プロテア属は、南アフリカを中心に115種くらいが分布する。
本種の原産地は南アフリカの西ケープ州である。
南アフリカ共和国の国花とされている。
英名はキングプロテア(king protea) である。
また、YListでは英名を踏襲したキングプロテアを標準和名としている。
日本では切り花やフラワーアレンジメントに利用されている。
樹高は1~2メートルである。
枝は硬く、赤色を帯びる。
葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は革質で分厚い。
葉には長い柄がある。
自生地での開花時期は5~6月くらいである。
木の先に球形の頭状花序(枝を介さずにたくさんの花がまとまって咲く)を出し、たくさんの花が集まった集合花をつける。
花序径は20~30センチくらいある。
花の色は白やピンクで、周りを総苞(花序全体を包む葉の変形したもの)が囲んでいる。
花の後にできる実は堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)である。
属名の Protea はギリシャ神話に登場する海神「プロテウス(Proteus) 」の名からきている。この属に幅広い変異のあることから自在に姿を変えるプロテウスにちなんで名づけられた。
種小名の cynaroides は「チョウセンアザミ属(Cynara)に似た」という意味である。
上の写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
下の写真は1月につくば植物園で撮った。
学名:Protea cynaroides

★咲く花と蕾を比べてみるだけで
 得心が行く変化の姿





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