庭梅(ニワウメ) 春の花 2015年03月24日 庭梅(ニワウメ)はバラ科サクラ属(ニワウメ亜属)の落葉低木である。原産地は中国の北部と朝鮮半島である。日本へは古い時代に渡来し、庭木として植栽されてきた。万葉集にも唐棣花(はねず)の名で詠まれている。樹高は1メートルから2メートルである。株立ち状になる。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁には重鋸歯(大きなぎざぎざに更に細かなぎざぎざがある)がある。葉の表面は緑色で毛がなく、裏面には毛がある。開花時期は3月から4月である。葉の展開に先立って淡い紅色の花をつける。花弁数は5枚で、花の中央にたくさんの雄しべがあり、真ん中に緑色の子房(果実や種子ができるところ)が見え、そこから雌しべの花柱が伸びている。花の後にできる実は直径1センチくらいの丸い核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、赤く熟する。生で食べることができ、果実酒ともされる。種子は生薬名を郁李仁(いくりにん)といい、便秘薬とされる。根は郁李根(いくりこん)といい、歯ぐきが腫れたときに効く。俳句では「庭梅の花」が春の季語である。花言葉は「願望」である。属名の Prunus はラテン語の「plum(スモモ)」からきている。種小名の japonica は「日本の」という意味である。写真は3月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。学名:Prunus japonica(syn. Microcerasus japonica)★庭梅を愛でて安らぎ覚えつつ そっと噛み締む春の歓び花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
斑入り蕗(フイリブキ) 未選択 2015年03月23日 蕗(フキ)はキク科フキ属(ペタシテス属)の多年草である。ペタシテス属は東アジアやヨーロッパ、北アメリカなどに数種の原種と交配種が分布する。日本にも蕗(フキ)などが分布し、属名の和名をフキ属という。斑入り蕗(フイリブキ)はその園芸品種である。葉を楽しむ観葉植物として栽培される。草丈は20センチから70センチくらいである。開花時期は3月から5月である。雌雄異株である。花はいわゆる蕗の薹(フキノトウ)である。雄花は黄色っぽく、雌花は白っぽい。花の後に、長い柄のある腎心形の大きな葉が生える。そこにクリーム色の斑が入る。新葉の季節が特に美しい。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Petasites はギリシャ語の「petasos(つば広の帽子)」からきている。葉が広く大きいことから名づけられた。種小名の japonicus は「日本の」という意味である。園芸品種名の Variegatus は「斑入りの」という意味である。写真は4月に小石川植物園で撮った。学名:Petasites japonicus 'Variegatus'★柔らかな葉の色見せて斑入り蕗 灰汁の強さは身の内に秘め花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
泰平(タイヘイ) 春の花 2015年03月22日 梅(ウメ)はバラ科サクラ属の落葉小高木である。中国原産で、日本へは古代に渡来した。泰平(タイヘイ)は梅(ウメ)の栽培品種の1つである。樹高は3メートルから6メートルくらいである。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は2月から3月である。葉の展開に先立って花を咲かせる。豊後系・豊後性の白い一重咲きの中輪(20から25ミリ)である。実梅の1つで、白加賀(シロカガ)の受粉樹として適している。属名の Prunus は「plum(スモモ)」を意味する。種小名の mume は「梅」のことである。写真は3月に水戸市の偕楽園で撮った。学名:Prunus mume 'Taihei'★泰平の由来はいかに素朴なる 花の姿に思い重ねて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
アラビス・スノーキャップ 春の花 2015年03月18日 アラビス・カウカシカはアブラナ科ヤマハタザオ属(アラビス属)の多年草である。アラビス属は世界に180種くらいが分布する。日本にも山旗竿(ヤマハタザオ)などが分布し、属名の和名はヤマハタザオ属という。なお、属名の和名はハタザオ属とするものもある。本種の原種は和名を庭旗竿(ニワハタザオ)とするものもある。原産地は南ヨーロッパや地中海沿岸地方である。スノーキャップ(Snowcap)はその園芸品種である。草丈は20~30センチである。茎は地面を這う。根際から生える葉は幅の広い楕円形で、灰色を帯びる。開花時期は3月から5月くらいである。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い4弁花を咲かせる。雄しべは6本、雌しべは1本である。花の後にできる実は長角果(アブラナなどの果実で細長いもの)である。属名の Arabis は国名の「Arabia(アラビア)」からきている。種小名の caucasica は「コーカサス地方の」という意味である。園芸品種名の Snowcap は「冠雪」という意味である。写真は3月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Arabis caucasica 'Snowcap' ★アブラナの仲間と聞いてなるほどな 花の姿はどこか見慣れて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
高野水木(コウヤミズキ) 春の花 2015年03月14日 高野水木(コウヤミズキ)はマンサク科トサミズキ属(コリロプシス属)の落葉低木である。コリロプシス属は東アジアを中心に30種くらいが分布する。本種は本州の中部地方から九州にかけて分布し、蛇紋岩地の岩場に生える。海外では朝鮮半島にも分布する。和名の由来は高野山が発見地の1つであることからきている。別名を深山土佐水木(ミヤマトサミズキ)という。環境省のレッドリストには登録されていないが、多くの府県で絶滅危惧種に指定されている。樹高は2~5メートルくらいである。葉は卵円形ない円形で、互い違いに生える(互生)。葉には柄があってつけ根は心形である。葉の縁には先が芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)状になった浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の表面には毛はなく、裏面には白くて長い毛が疎らに生える。開花時期は3~4月である。葉の展開に先立って花を咲かせる。枝先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、垂れ下がるように花をつける。花序の軸や萼に毛は生えていない。花序は長さが3センチから4センチあり、花の色は淡い黄色である。花弁は5枚、萼片も5枚である。雄しべは花弁と同じくらいかそれよりも長い。裂開する前の葯(雄しべの花粉を入れる袋)は暗い紅紫色をしている。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Corylopsis はギリシャ語の「Corylus(ハシバミ属)+opsis(似た)」からきている。葉の形が似ていることから名づけた。種小名の gotoana は「五島列島の」という意味である。写真は3月につくば植物園で撮った。学名:Corylopsis gotoana★俯いてさり気なく咲く花の芯 仄かに赤く個性を見せて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|