コートダジュール 秋の花 2011年11月19日 コートダジュール(Cote d'Azur)はノボタン科メキシコノボタン属(ヘテロケントロン属)の常緑低木である。ヘテロケントロン・エレガンスの園芸品種である。ヘテロケントロン属(Heterocentron)はティボウキナ属(シコンノボタン属:Tibouchina)の近縁種である。原産地は中南アメリカである。樹高は1~3メートルである。葉は細い楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉は縦の葉脈が目立つ。開花時期は10~12月である。紫紺野牡丹(シコンノボタン)よりも小輪だが、明るい鮮やかな紫色で人気が出ている。花の真ん中が真っ白いのもアクセントになっている。5枚の花びらの幅が狭く、花びら同士が重ならないのも特徴である。花は一日花である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Heterocentron はギリシャ語の「heteros(異なる)+kentron(棘)」からきている。種小名の elegans は「優美な」という意味である。品種名の Cote d'Azur は「コートダジュール(フランス南部の海岸)」のことである。写真は11月に沖縄県具志川市の東南植物楽園で撮った。学名:Heterocentron elegans 'Cote d'Azur'★小粒でも凛としまった花姿 粋に咲きますコートダジュール花図鑑植物図鑑PR
黄実の蕃石榴(キミノバンジロウ) 果実・野菜 2011年11月18日 黄実の蕃石榴(キミノバンジロウ)はフトモモ科バンジロウ属の常緑低木である。蕃石榴(バンジロウ)というのは、トロピカルフルーツのグアバ(guava)のことである。ジュースやグアバ茶として知られる。分類上は、その近縁種の照葉蕃石榴(テリハバンジロウ)の変種ということになる。原産地は熱帯アメリカである。樹高は1~5メートルである。葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の先は尖り、表面には艶がある。開花時期は4~5月である。花は葉の脇から出る。花の色は白く、淡い紅色を帯びるものもある。たくさんの雄しべが外に飛び出す。結実期は9~10月である。実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、熟すと果皮は黄色くなり食べられる。生食にしたり、ジャムなどに利用される。英名はイエローストロベリーグアバ(Yellow strawberry guava)である。属名の Psidium はギリシャ語の「psidion(ざくろ)」からきている。種小名の littorale は「海浜に生える」という意味である。変種名の lucidum は「強い光沢のある」という意味である。写真は9月に北大植物園で撮った。花の写真は4月に箱根強羅公園で撮った。学名:Psidium littorale var. lucidum★面白い名前のついた蕃石榴 「黄実」がついたらなおユーモラス花図鑑植物図鑑
コクレアンテス・アマゾニカ 秋の花 2011年11月17日 コクレアンテス・アマゾニカはラン科コクレアンテス属の常緑多年草である。原産地はアマゾン川の上流地域で、コロンビア,エクアドル,ペルー,ブラジルに分布する。草丈は25センチくらいである。葉は披針形である。開花時期は冬から春である。株は小形だが、花径10センチくらいの大輪をつける。花は白く、紫色の筋が入る。扇状に展開する葉の姿から「ファンオーキッド」のニックネームで人気の高まっている南米産の蘭の一群がある。コクレアンテス属はその中核をなしている。属名の Cochleanthes はギリシャ語の「cochlos(貝)+anthos(花)」からきている。種小名の amazonica は「アマゾン川の」という意味である。写真は11月につくば植物園で撮った。学名:Cochleanthes amazonica★故郷はアマゾン川の奥深く 人知れず咲くコクレアンテス花図鑑植物図鑑
黒鉄黐(クロガネモチ) 果実・野菜 2011年11月16日 黒鉄黐(クロガネモチ)はモチノキ科モチノキ属の常緑高木である。本州の関東地方から沖縄にかけて分布し、山中に生える。また、庭木とされる。海外では、台湾、中国、朝鮮半島にも分布する。樹高は10~20メートルくらいである。樹皮は灰白色である。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉は革質で柄があり、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない(全縁)。葉の表面は濃い緑色、裏面は淡い緑色である。開花時期は5~6月である。雌雄異株である。葉の脇から散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、淡い紫色をした小さな花をつける。花の後にできる実は球形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)である。10~1月にかけて赤く熟する。和名の由来は、葉の柄と若い枝が黒紫色をしており、モチノキ科であるところからきている。属名の Ilex はholly(セイヨウヒイラギ)の古代ラテン名からきている。種小名の rotunda は「円形の」という意味である。写真は11月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Ilex rotunda★ぴかぴかと赤く輝く実をつけて 黒鉄黐は夢膨らませ花図鑑植物図鑑
ケラトスティリス・レティスクアマ 四季咲きの花 2011年11月15日 ケラトスティリス・レティスクアマはラン科ケラトスティリス属の常緑多年草である。フィリピンのルソン島、ミンダナオ島などに分布する着生種である。草丈は30センチくらいである。葉は線状の披針形(笹の葉のような形)で分厚い。開花時期は周年である。花径は2~3センチで、花の色は赤い。属名の Ceratostylis はギリシア語の「keratos(角)+stylis (形)」からきている。ずい柱が角状をしていることから名づけられた。種小名の retisquama は「網状の鱗の」という意味である。写真は1月に小石川植物園で撮った。学名:Ceratostylis retisquama★ひっそりと森を彩る赤い花 目立たぬけれど姿清しく花図鑑植物図鑑