ルエリア・コロラタ 冬の花 2011年11月24日 ルエリア・コロラタはキツネノマゴ科ルイラソウ属(ルエリア属)の常緑多年草である。属名の読み方は「リュエリア」とするものもある。原産地は中南アメリカである。ペルー、エクアドル、コロンビアなどに分布する。草丈は30~60センチくらいである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉には艶があり、先は細く尖る。開花時期は12~5月くらいである。葉の脇から花茎を伸ばし、たくさんの花をつける。赤く大きな部分は苞である。花は真ん中にあるオレンジ色の部分で、雄しべと雌しべが花筒から突き出す。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Ruellia はフランスの植物学者「リュエル(J. Ruelle)」の名からきている。種小名の colorata は「彩色された」という意味である。写真は2月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Ruellia colorata★赤々と燃え立つようなコロラタが 咲けば温室熱気溢れて花図鑑植物図鑑PR
立寒椿(タチカンツバキ) 冬の花 2011年11月23日 寒椿(カンツバキ)はツバキ科ツバキ属の常緑低木である。山茶花(サザンカ)を母種としたカンツバキ群の園芸品種である。枝が横に広がる傾向がある。これに対して枝が上に伸びるものは、立寒椿(タチカンツバキ)といって区別をする。庭園樹や公園樹などに利用される。樹高は3~5メートルくらいである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の色は暗い緑色で艶がある。開花時期は11~2月くらいである。花の色は紅色で、花径8センチくらいの八重咲きである。属名の Camellia はイエズス会の宣教師「カメル(G. J. Kamell)さん」の名からきている。マニラに住み、東アジアの植物を採集した。種小名の hiemalis は「冬季の」という意味である。写真は11月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。学名:Camellia x hiemalis 'Tachikantsubaki'★咲き時は今か今かと待ちかねて 大輪開く立寒椿花図鑑植物図鑑
常磐山査子(トキワサンザシ) 果実・野菜 2011年11月22日 常磐山査子(トキワサンザシ)はバラ科トキワサンザシ属(ピラカンサ属)の常緑低木である。原産地は東ヨーロッパや西アジアである。日本へは明治時代の中期に渡来した。名の由来は、山査子(サンザシ)に似て常緑であることからきている。樹高は1~5メートルくらいである。枝が蔓状に横に伸びる。葉は披針形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は丸く、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5~6月である。枝先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、直径1センチに満たない小さな白い花をたくさんつける。花弁は5枚、萼片も5枚である。花の後にできる実は球形の偽果(子房以外の部分が加わってできている果実)である。10~12月ころに鮮やかな紅色に熟する。園芸的には、属名からピラカンサとも呼ばれる。日本で流通しているピラカンサ属には、常磐山査子(トキワサンザシ)のほかに、中国の南西部原産で黄橙色の実をつける橘擬(タチバナモドキ)、ヒマラヤ原産で紅橙色の実をつけるヒマラヤ常磐山査子(ヒマラヤトキワサンザシ)があり、これらを交配させた園芸品種も多く出回っている。属名の Pyracantha はギリシャ語で「pyro(炎)+acantha(刺)」からきている。果実の色や枝にある棘を表している。種小名の coccinea は「赤い」という意味である。写真は12月に北の丸公園で撮った。学名:Pyracantha coccinea★赤々と燃え立つような紅の色 北風受けて頬染めながら花図鑑植物図鑑
通草葛(アケビカズラ) 観葉植物 2011年11月21日 通草葛(アケビカズラ)はガガイモ科マメヅタカズラ属の蔓性常緑多年草である。インド東部、マレーシア、メラネシア、オーストラリアなどに分布し、林の中で他の植物に絡みついて生育する着生植物である。年中スコールが降る地域にも、雨季と乾季が明瞭な地域にも生育する。別名を通草擬き(アケビモドキ)という。学名のディスキディア・ラフレシアナで表示するものもある。貯水嚢と呼ばれるアケビの実のような袋状の葉をつける。葉は成長するにつれて袋状となる。中に溜まった水や有機物から栄養分や水分を吸収する。また、この葉の中にアリが土を運び込んで巣をつくる。葉の中に生育している根には鎮咳作用があるという。属名の Dischidia はギリシャ語の「dischides(二つに裂けた)」からきている。種小名の rafflesiana はイギリス人の植民地経営者で博物学者の「ラッフルズ(T. S. Raffles)さんの」という意味である。写真は10月につくば植物園で撮った。学名:Dischidia rafflesiana★植物の多様な生き方面白く ためになるけど口もあんぐり花図鑑植物図鑑
イクソラ・サンキスト 四季咲きの花 2011年11月20日 イクソラ・サンキストはアカネ科サンタンカ属(イクソラ属)の常緑低木である。山丹花(サンタンカ:Ixora chinensis)などから改良された園芸品種である。イソクラ属は世界の熱帯に400種くらいある。山丹花(サンタンカ)の原産地は中国からマレーシアにかけた一帯である。沖縄でも古くから栽培され、日本へは沖縄経由で江戸時代の初期に渡来した。沖縄では三段花(サンダンカ)と呼ばれることが多い。樹高は1~2メートルである。葉は長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は日本では夏である。暖地では周年開花をする。枝先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、紅色の花をつける。花冠は筒形で先が4つに裂ける。花の色は橙色や白のものもある。イクソラ・サンキストの花の色は淡い黄緑色である。日本へは台湾から渡来した。属名の Ixora はサンスクリット語の「Iswara(シバ神)」からきている。品種名の Sunkist は元々はアメリカ産の果実・ジュースのブランド名で、sun-kissedに由来する。写真は1月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Ixora 'Sunkist'★黄緑の花が自慢のサンキスト 色が変わればムードも変わり花図鑑植物図鑑