ネーブル 果実・野菜 2011年12月30日 ネーブル(navel)はミカン科ミカン属の常緑低木である。原産地はインドのアッサム地方である。中国を経てリスボンに伝わり、そこから世界中に伝播した。別名をネーブルオレンジ、甘橙(アマダイダイ)とも言う。樹高は1~2メートルである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は5~6月である。白い5弁花である。実は柑果(多心皮性の液果)で、頂部にへそ(ネーブル)があるのが特徴である。多汁で甘味が強い。ポルトガルからブラジルに伝わったものの中から、へそがあって種がない枝変わりが生まれ、それがワシントンにある合衆国農務省の温室で増殖された。これをワシントンネーブルといい、日本での流通の中心となっている。属名の Citrus はレモンに対する古い呼び名である。種小名の sinensis は「中国の」という意味である。変種名の brasiliensis は「ブラジルの」という意味である。写真は12月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。学名:Citrus sinensis var. brasiliensis★ネーブルの味の記憶をたどりつつ 手にとってみる冬の日の午後花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
エリカ・クリスマスパレード 冬の花 2011年12月29日 エリカ・クリスマスパレードはツツジ科エリカ属の常緑小低木である。南アフリカ原産のヒエマリス系の園芸品種である。樹高は30~100センチくらいである。葉は杉の葉に似た柔らかな針形である。開花時期は11~4月である。花は長さ3センチくらいの筒状で、淡い紅色をしている。枝の周りに輪状にびっしりと花をつける。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Erica はギリシャ語の「erion(軟毛)」からきている。全体に軟毛が生える種類の多いことから名づけられた。種小名の hiemalis は「冬季の」という意味である。写真は3月に川口グリーンセンターで撮った。学名:Erica x hiemalis 'Christmas Parade'★賑やかにお祭り騒ぎするように 押すな押すなと薄紅の花花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
マホニア・ナリヒラ 冬の花 2011年12月28日 マホニア・コンフーサはメギ科ヒイラギナンテン属(マホニア属)の常緑低木である。原産地は中国の西部で、貴州省、湖北省、四川省などに分布する。ナリヒラ(Narihira)はその園芸品種である。業平柊南天(ナリヒラヒイラギナンテン)の名でも流通している。樹高は1~2メートルである。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、枝先に集まって互い違いに生える(互生)。小葉の形は細長い楕円形である。小葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の質が軟らかいので、触っても近縁種の柊南天(ヒイラギナンテン)の葉のように痛くはない。開花時期は10~12月くらいである。枝先に複数の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い小さな花をたくさんつける。花の少ない時期に咲くことから人気がある。花弁は6枚、萼片は9枚、雄しべは6本である。花の後にできる実は球形の液果(水分が多く柔らかい果皮をもつ果実)で、4~6月くらいに黒紫色に熟する。属名の Mahonia はアメリカの植物学者「マクマホン(B. Mc. Mahon)さん」の名からきている。種小名の confusa は「混乱した」という意味である。写真は11月に埼玉県花と緑の振興センターで撮った。学名:Mahonia confusa 'Narihira'★花のない季節彩る業平は 花穂きらめく小春日の午後花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
辺塚蘭(ヘツカラン) 秋の花 2011年12月27日 辺塚蘭(ヘツカラン)はラン科シュンラン属の多年草である。鹿児島県から沖縄県にかけて分布し、常緑樹林内の樹上に生える着生蘭である。海外では、台湾、中国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ヒマラヤ、インドなどにも分布する。台湾からインドにかけて分布する寒鳳蘭(カンポウラン)の変種で、やや小形ある。和名の由来は、鹿児島県肝属郡佐多町辺塚で発見されたことからきている。しかし、自生地では愛好家による乱獲によって絶滅状態に近いという。環境省のレッドデータリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。草丈は30~40センチくらいである。線形の葉が5~6枚出て、緩やかに反り返る。葉は革質で艶がある。開花時期は10~12月である。花茎が弓状に下垂する。3枚の萼片と花弁のうち2枚は白く、中央に紅紫色の筋が入る。もう1枚の花弁を唇弁という。唇弁は黄白色で、浅く3つに裂ける。2枚の側裂片には赤紫色の筋が数本入る。真ん中の裂片には幅の広い赤紫色の縁取りが入る。花径は4~5センチである。属名の Cymbidium はギリシャ語の「cymbe(舟)+eidso(形)」からきている。唇弁の形から名づけられた。種小名の dayanum はイギリス人のラン愛好家「ダイ(John Day)さんの」という意味である。変種名の austro-japonicum は「南日本の」という意味である。写真は10月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。学名:Cymbidium dayanum var. austro-japonicum★南国のムード伝える赤い筋 燃えるがごとく辺塚蘭咲く花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
靫葛(ウツボカズラ) 観葉植物 2011年12月26日 靫葛(ウツボカズラ) はウツボカズラ科ウツボカズラ属(ネペンテス属)の常緑蔓性低木である。原産地はスマトラ島、カリマンタン島などである。調査が進むにつれて新種が次々に発見されているという。代表的な食虫植物で、壷状の袋に落ちた虫を消化して栄養にする。生育している場所が十分な栄養のとれない環境なので、足りない養分を虫を食べて補っているのである。樹高は1~2メートルである。葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉は薄い革質である。葉の先が細長く伸び、その先端に壷状の捕虫器をつける。雌雄異株で、雄花と雌花は別の株につく。花は小さく、目立たない。名の由来は、壷状の袋を靫(矢を入れる筒状の容器)に見立てたものである。日本では、観賞用として温室栽培されている。属名の Nepenthes はギリシャ語の「ne(無)+penthos(憂)」からきている。捕虫嚢にある液体を例えたものと思われる。写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Nepenthes sp.★おびき寄せ虫を捕らえる不思議花 靫葛は静けさの中花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|