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辺塚蘭(ヘツカラン)

辺塚蘭(ヘツカラン)

辺塚蘭(ヘツカラン)はラン科シュンラン属の多年草である。
鹿児島県から沖縄県にかけて分布し、常緑樹林内の樹上に生える着生蘭である。
海外では、台湾、中国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ヒマラヤ、インドなどにも分布する。
台湾からインドにかけて分布する寒鳳蘭(カンポウラン)の変種で、やや小形ある。
和名の由来は、鹿児島県肝属郡佐多町辺塚で発見されたことからきている。
しかし、自生地では愛好家による乱獲によって絶滅状態に近いという。
環境省のレッドデータリスト(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。
草丈は30~40センチくらいである。
線形の葉が5~6枚出て、緩やかに反り返る。
葉は革質で艶がある。
開花時期は10~12月である。
花茎が弓状に下垂する。
3枚の萼片と花弁のうち2枚は白く、中央に紅紫色の筋が入る。
もう1枚の花弁を唇弁という。
唇弁は黄白色で、浅く3つに裂ける。
2枚の側裂片には赤紫色の筋が数本入る。
真ん中の裂片には幅の広い赤紫色の縁取りが入る。
花径は4~5センチである。
属名の Cymbidium はギリシャ語の「cymbe(舟)+eidso(形)」からきている。唇弁の形から名づけられた。
種小名の dayanum はイギリス人のラン愛好家「ダイ(John Day)さんの」という意味である。
変種名の austro-japonicum は「南日本の」という意味である。
写真は10月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Cymbidium dayanum var. austro-japonicum


★南国のムード伝える赤い筋
 燃えるがごとく辺塚蘭咲く


辺塚蘭(ヘツカラン)

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