雪割草(ユキワリソウ) 夏の花 2012年07月25日 雪割草(ユキワリソウ)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草である。日本固有種である。北海道と本州の関東地方、中部地方、四国、九州に分布し、山地の岩場に生える。草丈は7~16センチくらいである。根際から生える葉は長い楕円形である。葉の先は丸い。葉の縁はやや裏側に曲がり、鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の裏面は白っぽく、淡い黄色の粉をふく。開花時期は6~7月である。花径は10~15ミリくらいで、花の色は紅紫色である。花冠は5つに裂けて横に開き、裂片の先は浅く2つに裂ける。花冠の喉の部分は黄白色になる。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。和名の由来は、雪がとける時期に花が咲くということからきている。なお、キンポウゲ科の三角草(ミスミソウ)などを「雪割草」と呼ぶことがあるが、これは和名ではなく流通名である。属名の Primula はラテン語の「primos(最初)」の縮小形である。プリムラ・ベリスが早春に他の花に先駆けて咲くことから名づけられた。種小名の modesta は「内気な」という意味である。写真は4月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。学名:Primula modesta★名を知りつやっと出合えた雪割草 小さな花に思いを込めて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
ソラヌム・ウェンドランディー 夏の花 2012年07月24日 ソラヌム・ウェンドランディーはナス科ナス属の常緑蔓性低木である。原産地は中央アメリカのコスタリカである。属名の読み方は「ソラナム」とするものもある。種小名の読み方は「ヴェンドランディー」とするものもある。英名はポテトバイン(potato vine)である。蔓の長さは3~6メートルくらいになる。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉は羽状に裂けるものもある。開花時期は6~8月くらいである。葉の脇に集散花序(茎先に花がつき、少し下から横枝が出てその先にも花がつく)を出し、淡い紫色の花をつける。花冠は深く5つに裂ける。花の色はラベンダー色から白へと変化する。果実は暗い紫色をした球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。属名の Solanum はラテン語の「solamen(安静)」からきているという説がある。種小名の wendlandii は19世紀のドイツ人の植物採集家「ウェンドランド(H. Wendland)さんの」という意味である。写真は7月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Solanum wendlandii★ソラヌムの仲間もいろいろあるんだね 大きな花が人目をひくよ花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
御種人参(オタネニンジン) 夏の花 2012年07月23日 御種人参(オタネニンジン)はウコギ科トチバニンジン属の多年草である。原産地は朝鮮半島と中国である。朝鮮人参(チョウセンニンジン)、高麗人参(コウライニンジン)などの名で知られている。日本へ渡来したのは奈良時代であるが、栽培が始まったのは江戸時代の享保年間である。享保年間には幕府直営の薬草園で栽培されたが、その後、各大名に種苗が分け与えられた。現在では、長野県、島根県、福島県などで栽培されている。草丈は60~70センチくらいである。茎は直立する。茎先に3枚の小葉からなる手のひら状の複葉を数個輪になってつける(輪生)。成長すると5小葉になる。開花時期は5~6月である。茎頂に散形花序(茎先からたくさん枝が出て、その先に1個つずつ花がつく花序)を出し、淡い緑黄色の小花をたくさんつける。7~8月には、やや扁平な丸くて赤い実をつける。中には白い種子がある。根を強壮、健胃などの薬用にする。属名の Panax はギリシャ語の「pan(すべて)+akos(治癒)」からきている。万能薬の意味で、チョウセンニンジンの薬効から名づけられた。種小名の ginseng は中国語で「ニンジン」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Panax ginseng★薬効の世に知られたる人参は 赤い実つけて何食わぬ気に花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
オリガヌム・ミクロフィルム 夏の花 2012年07月21日 オリガヌム・ミクロフィルムはシソ科ハナハッカ属の多年草である。原産地は地中海のクレタ島である。オレガノ・ミクロフィラの名でも流通している。草丈は30~50センチくらいである。根際からよく枝分かれをする。葉は小さな卵形で、向かい合って生える(対生)。葉の色は灰白色である。開花時期は6~8月くらいである。花の色は濃い紅紫色である。花はよい香りがする。花の色が褪せないのでドライフラワーにも適している。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。属名の Origanum は、ギリシャ語の「oros(山)+ganos(喜び)」からきている。種小名の microphyllum は「小さい葉の」という意味である。写真は6月につくば植物園で撮った。学名:Origanum microphyllum★香りなら任せなさいとミクロフィラ ぽちっと咲いたピンク可愛く花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
醋甲藤(サッコウフジ) 夏の花 2012年07月20日 醋甲藤(サッコウフジ)はマメ科ナツフジ属の蔓性常緑低木である。鹿児島県の奄美諸島から沖縄にかけて分布する。海外では、台湾や中国の南部にも分布する。別名を紫夏藤(ムラサキナツフジ)ともいう。樹高は5メートルくらいまで育つ。葉は奇数羽状複葉(鳥の羽のように左右に小葉がいくつか並び、先に1つの小葉がついて1枚の葉が構成される)で、向かい合って生える(対生)。小葉の形は披針形である。葉の質は分厚く、艶がある。開花時期は6~8月である。葉の脇に上向きに円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、紅紫色をした蝶形の花をつける。花穂が垂れないのが特徴である。花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)である。属名の Millettia は中国で活動したフランス人の植物学者「ミレー(J. A. Millett)さん」の名からきている。種小名の reticulata は「網状の」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Millettia reticulata★おやこれは今ころ藤とよく見れば 花穂の姿どこか違って花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|