大丸葉の保呂之(オオマルバノホロシ) 夏の花 2012年08月18日 大丸葉の保呂之(オオマルバノホロシ)はナス科ナス属の多年草である。北方領土を含む北海道から本州の広島県にかけて分布し、低山の湿原などに生える。海外では、サハリンにも分布する。「保呂之」というのは同じナス科の鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)の古名である。大きい丸葉の鵯上戸(ヒヨドリジョウゴ)ということでこの名がついた。草丈は30~70センチくらいである。茎は柔らかく蔓状である。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にぎざぎざはない(全縁)。開花時期は7~9月である。茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い紫色の花を数個つける。花径は10~15ミリくらいである。花冠は5つに深く切れ込み、先は反り返る。花の真ん中は淡い緑色をしている。花の後にできる実は楕円形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で、赤く熟してきれいだが有毒である。属名の Solanum はラテン語の「solamen(安静)」からきているという説がある。種小名の megacarpus は「大きな実の」という意味である。写真は8月に日光植物園で撮った。学名:Solanum megacarpus★紫の茄子そっくりの花咲かせ 蔓を伝って居場所広げて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
着せ綿(キセワタ) 夏の花 2012年08月17日 着せ綿(キセワタ)はシソ科メハジキ属の多年草である。北海道から九州にかけて分布し、山地の草原に生える。海外では、朝鮮半島、中国、中国東北部、ウスリー地方などにも分布する。和名の由来は、白い毛が花を覆っている様子を「花に着せた綿」に見立てたものである。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の質は紙質で、粗い毛が生える。近縁種の目弾き(メハジキ)の場合は葉が切れ込む。開花時期は7~9月くらいである。上部の葉の脇に段状に数個ずつ淡い紅紫色をした花をつける。花冠は筒状で、先は唇形に裂ける。上の唇の上部には白い毛が生える。下の唇は3つに裂ける。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。属名の Leonurus はギリシャ語の「leon(ライオン)+oura(尾)」からきている。長い花序の形から名づけられた。種小名の macranthus は「大きな花の」という意味である。写真は7月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Leonurus macranthus★着せ綿の姿はどこか愛らしく 産毛なりやと花に見入って花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
石弔蘭(シシンラン) 夏の花 2012年08月16日 石弔蘭(シシンラン)はイワタバコ科シシンラン属の多年草である。日本固有種である。本州の伊豆半島及び京都府以西、四国、九州に分布し、木の幹や岩の上に着生する。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は20~50センチくらいである。茎は木や岩に着生する苔(コケ)の中を這い、疎らに枝分かれをする。葉は肉厚の楕円形で、向かい合って生える(対生)。3~4枚が輪になって生える(輪生)場合もある。葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は7~8月である。枝の上部の葉の脇に白ないし淡い紫色の花をつける。花は長さが4~5センチの筒状で、先が唇形になる。上唇は2つに裂け、下唇が3つに裂ける。雄しべは4本で、2本が長い。花の後にできる実は細長いさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Lysionotus はギリシャ語の「lysis(分離)+notos(背)」からきている。実の長い鞘が裂ける様子からつけられた名である。種小名の pauciflorus は「少数花の」という意味である。写真は9月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Lysionotus pauciflorus★這いながら花ぶら下げる石弔蘭 自然のものを見つけてみたい植物図鑑花図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
黄蓮華升麻(キレンゲショウマ) 夏の花 2012年08月15日 黄蓮華升麻(キレンゲショウマ)はユキノシタ科キレンゲショウマ属の多年草である。キレンゲショウマ属は1属1種である。分類体系によってはアジサイ科とされる。紀伊半島、四国山地、九州山地などの限られた地域に生える。自生地はブナ林帯の林床や湿った石灰岩地などである。海外では、朝鮮半島、中国にも分布する。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は80~120センチくらいである。葉は大型の円心形で手のひら状の切れ込みがあり、向かい合って生える(対生)。茎の下部につくはには柄があり、上部につく葉には柄がない。開花時期は7~8月である。葉の脇に疎らな円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、筒状の黄色い花を斜め下向きに数輪つける。花弁は5枚である。肉厚で、平開はしない。雄しべは15本、雌しべの花柱は3本である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。和名の由来はキンポウゲ科の蓮華升麻(レンゲショウマ)に似た花ということだが、実際にはあまり似ていない。属名の Kirengeshoma は日本語の「キレンゲショウマ」からきている。種小名の palmata は「手のひら状の」という意味である。写真は9月に富山県中央植物園で撮った。学名:Kirengeshoma palmata★そっと咲く黄蓮華升麻どことなく ひ弱なるゆえなお愛らしく花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
イビケラ・ルテア 夏の花 2012年08月14日 イビケラ・ルテアはツノゴマ科イビケラ属の一年草である。1属1種である。属名の読み方は「イビセラ」とするものもある。原産地はブラジル、アルゼンチンである。植物体全体に細かい腺毛(粘着物質を出す毛)があり、粘液を出して小さな昆虫を捕らえる。1989年に食虫植物として認められた。アメリカのカルフォルニア州、オーストラリア、南アフリカなどに帰化している。和名は黄花の角胡麻(キバナノツノゴマ)という。草丈は50センチくらいである。根際から生える葉は円心形で、フキの葉に似る。開花時期は7~9月くらいである。葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、黄色い釣鐘形をした花をたくさんつける。花冠の先が5つに裂ける。花冠の内側には黄褐色の斑点がたくさんある。花径は5センチくらいである。実は熟すと緑色の外果皮がむけて、先が2本のかぎ爪のような形をした姿が現れる。実は長さが15センチくらいあり、大きい。属名の Ibicella はラテン語の「ibex(アイベックス:ヤギ)+cella(群れ)」からきている。ヤギの角のような果実の形状をたとえたものである。種小名の lutea は「黄色の」という意味である。写真は9月に京都府立植物園で撮った。学名:Ibicella lutea★花見れば特に怖くはないけれど 果実の形どこか不気味で花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|