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チョコレートコスモス



チョコレートコスモスはキク科コスモス属の多年草である。
原産地はメキシコである。
コスモスは一年草だが、チョコレートコスモスは多年草で、地中にはダリアのような塊根ができる。
日本にも大正時代に輸入されたが、そのころは増えにくいため普及しなかったという。
草丈は40~60センチくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
茎の上部につく葉は羽状に切れ込むが、コスモスのように細かく切れ込むことはない。
開花時期は6~9月である。
花径は4センチくらいで、舌状花は8枚である。
花の色はチョコレート色である。
香りもチョコレートにそっくりである。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Cosmos はギリシャ語の「cosmos(飾り)」からきている。
種小名の atrosanguineus は「濃い血のように赤い色の」という意味である。
写真は7月に国営昭和記念公園で撮った。
学名:Cosmos atrosanguineus


★色も香もチョコレートを思わせる
 不思議な花が虫を集めて




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長葉北薊(ナガバキタアザミ)



長葉北薊(ナガバキタアザミ)はキク科トウヒレン属の多年草である。
北方領土を含む北海道から本州の岩手県(早池峰山が南限)にかけて分布し、亜高山や高山の砂礫地や草地に生える。
青森県、岩手県ではRDBのAランクに指定されている。
海外では、クルリ列島のウルップ島にも分布する。
草丈は10~40センチくらいである。
葉は三角状の卵形で、互い違いに生える(互生)。
葉のつけ根の部分は細い翼状になって茎につながる。
開花時期は7~8月である。
茎先に散房花序を出し(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)、淡い紅紫色をした花(頭花)をたくさんつける。
属名の Saussurea はスイスの科学者「ソシュール(H. B. de Saussure)さん」の名からきている。
種小名の riederii は採集者「リーデル(Rieder)さんの」という意味である。
亜種名の yezoensis は「北海道の」という意味である。
写真は8月に北大植物園で撮った。
学名:Saussurea riederii subsp. yezoensis


★北の地で撮った変種も数多い
 花の姿を惚れ惚れ眺め




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セロジネ・ベッカリー



セロジネ・ベッカリーはラン科セロジネ属の多年草である。
ニューギニア島、ソロモン諸島、ビスマルク諸島に分布し、標高1500メートルまでの地域に生える着生種である。
草丈は50センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)である。
開花時期は夏である。
花径は7~8センチあり大輪である。
花の色はクリーム色である。
唇弁は白く、つけ根のほうは赤褐色をしている。
属名の Coelogyne はギリシャ語の「coelos(空洞)+gyne(雌)」からきている。柱頭が窪んでいることから名づけられた。
種小名の beccarii はイタリア人の植物学者「ベッカリ(O. Beccari)さんの」という意味である。
写真は9月につくば植物園で撮った。
学名:Coelogyne beccarii


★涼しげなクリーム色の大輪が
 とても目を引く南国の花




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深山塔花(ミヤマトウバナ)



深山塔花(ミヤマトウバナ)はシソ科トウバナ属の多年草である。
北海道から本州の近畿地方にかけて分布し、山地や亜高山の林の中や林の縁に生える。
海外では、サハリンにも分布する。
草丈は20~70センチくらいである。
茎は直立する。
葉は下部は幅広い卵形、上部は細長い卵形で、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)があり、向かい合って生える(対生)。
開花時期は7~9月である。
茎先や葉の脇に淡い紅紫色をした唇形の花を数段輪生状につける。
上唇は浅く2つに裂け、下唇は3つに裂ける。
萼は5つに裂け、裂片は尖る。
萼には疎らに毛が生える。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
属名の Clinopodium はギリシャ語の「cline(床)+podion(小足)」からきている。
種小名の sachalinensis は「サハリンの」という意味である。
写真は8月に岩手県の八幡平で撮った。
学名:Clinopodium sachalinense


★膝屈めそっと覗いて見てごらん
 深山塔花段々に咲く




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千手岩菲(センジュガンピ)



千手岩菲(センジュガンピ)はナデシコ科センノウ属の多年草である。
日本固有種である。
本州の東北地方から中部地方にかけて分布し、山地や亜高山の林の中などに生える。
和名の由来は、花が岩菲(ガンピ)に似ており、また花弁が千手観音の手を思わせることからきている。
中禅寺湖の千手ガ浜で発見されたからという説もある。
草丈は30~100センチくらいである。
葉は長い披針形(笹の葉のような形)で、向かい合って生える(対生)。
開花時期は7~8月である。
花径2センチくらいの白い5弁花を咲かせる。
花びらの先は浅く切れ込んでいる。
茎が細くしなやかなので、風に揺られて咲いている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Lychnis はギリシャ語の「lychnos(ランプ)」からきている。アリストテレスの弟子のテオフラストスが用いた。
種小名の gracillima は「非常に細長い」という意味である。
上の写真は7月に箱根湿生花園で撮った。
下の写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。
学名:Lychnis gracillima


★しなやかに千手岩菲は風に揺れ
 涼しさ運ぶ林の中に











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