深山鶉(ミヤマウズラ) 秋の花 2012年10月12日 深山鶉(ミヤマウズラ)はラン科シュスラン属の常緑多年草である。北海道から九州にかけて分布し、山地の林の中に生える。海外では、朝鮮半島、中国にも分布する。和名の由来は、葉にある白い斑点がウズラの羽根の模様に似ていることからきている。草丈は10~20センチくらいである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の質は革質で、先が尖る。開花時期は8~10月である。茎先に穂状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径1センチくらいの褐色を帯びた白い花をつける。属名の Goodyera はイギリスの植物学者「グッドイヤー(John Goodyer)さん」の名からきている。種小名の schlechtendaliana はドイツ人の植物学者「シュレクテンダール(D. von Schlechtendal)さんの」という意味である。写真は10月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。舞扇という房咲きの品種である。学名:Goodyera schlechtendaliana ★葉の姿どこか鶉に似てるかな 名のつけ方に笑みの浮かんで花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
小鮒草(コブナグサ) 秋の花 2012年10月11日 小鮒草(コブナグサ)はイネ科コブナグサ属の一年草である。漢字では「小舟草」とも書く。北海道から沖縄にかけて分布し、湿った草地や休耕田などに生える。海外では、朝鮮半島、中国などにも分布する。和名の由来は、葉の形を「小鮒」ないし「小舟」に見立てたものである。草丈は20~50センチくらいである。茎には節があり、そこから根を下ろして地を這う。節には毛が多い。葉は細めの卵形で、先は尖る。葉のつけ根は心形で茎を抱き、葉鞘(茎を鞘状に包むような形になった葉のつけ根)につながる。葉の縁は大きく波打っている。葉の縁や葉鞘には長めの毛が生えている。開花時期は9~11月である。茎先や葉の脇から枝分かれをして、小穂が列になってつく。花の後にできる実はえい果(イネ科の果実で薄い木質の果皮が種子に密着している)である。なお、八丈島ではこの草を刈安(カリヤス)と呼んで「黄八丈」の原料とする。しかし、刈安(カリヤス)というススキ属の植物も別にあるので紛らわしい(学名:Miscanthus tinctorius)。小鮒草(コブナグサ)を刈安(カリヤス)と呼ぶのは八丈島だけだそうである。属名の Arthraxon はギリシャ語の「arthron(関節)+axon(軸)」からきている。花軸に関節のあることから名づけられた。種小名の hispidus は「剛毛のある」という意味である。写真は9月に板橋区立赤塚植物園で撮った。学名:Arthraxon hispidus★地味だけど役に立つんだ小鮒草 知っているかい黄八丈を花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
紐蘭(ヒモラン) 観葉植物 2012年10月10日 紐蘭(ヒモラン)はヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属の常緑多年草である。本州の神奈川県から沖縄にかけて分布し、林の中の樹幹や岩の上に着生するシダ植物である。海外では、韓国の済州島、台湾、中国などにも分布する。環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。草丈は20~40センチくらいである。茎は細く紐状となり、二股状に枝分かれをする。葉は鱗片状で、長さ2ミリ以下と小さい。胞子嚢(胞子をつくる場所)は葉の脇につく。属名の Lycopodium はギリシャ語の「lycos(オオカミ)+podion(足)」からきている。鱗片状の葉が密生した茎が狼の足に似ていることから名づけられた。種小名の sieboldii はドイツ人で日本植物の研究者「シーボルト(P. F. von Siebold)さんの」という意味である。写真は10月につくば植物園の絶滅危惧植物展で撮った。学名:Lycopodium sieboldii★その姿まるで紐だね紐蘭は 採集されて今や幻花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
霧島野刈安(キリシマノガリヤス) 秋の花 2012年10月09日 霧島野刈安(キリシマノガリヤス)はイネ科ノガリヤス属の多年草である。日本固有種である。九州に分布し、火山性ガスの影響を受ける荒れ地や礫地に生える。熊本県、宮崎県、鹿児島県で絶滅危惧種に指定されている。また、伊豆七島にも分布する。草丈は20~60センチくらいである。葉は線形で、やや硬い。開花時期は8~10月である。茎先に疎らな円錘状の花穂を直立させる。花の色は緑色で、熟すと淡い褐色になる。「野刈安」は野に生える刈り取りやすい草ということで、「霧島」で見られるというのが和名の由来である。ノガリヤスの仲間は変異が多く、種類も多い。属名の Calamagrostis はギリシャ語の「calamos(アシ)+Agrostis(コヌカグサ属)」からきている。種小名の autumnalis は「秋咲きの」という意味である。写真は11月に小石川植物園で撮った。学名:Calamagrostis autumnalis★咲き場所はここと定めて育ちゆく 荒れた土地にも負けることなく花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
越谷星草(コシガヤホシクサ) 秋の花 2012年10月08日 越谷星草(コシガヤホシクサ)はホシクサ科ホシクサ属の多年草である。本州の関東地方(埼玉県と茨城県)に分布し、湿地に生えていた。環境省のレッドリスト(2007)では、野生絶滅(EW) とされている。現在、つくば植物園で野生に戻すための研究保全活動が環境省と共同で行われている。茎は水中で30~40センチに伸びて水面に出る。水面上に出る草丈は5~8センチくらいである。根際から生える葉は線形である。花茎には8~10の稜がある。開花時期は9~10月である。雄花と雌花がある。花茎は直立し、先に花径6~7ミリの頭状花序をつける。雄花は3枚の萼片が合体し、葯(雄しべの花粉を入れる袋)は白い。雌花も3枚の萼片が合体する。花序のつけ根の部分には総苞片(花序全体を包む葉の変形したもの)がある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Eriocaulon はギリシャ語の「erion(軟毛)+caulos(茎)」からきている。基準となった種の花茎のつけ根の部分に軟毛があったことから名づけられた。種小名の heleocharioides は「ハリイ属(Heleocharis)のような」という意味である。写真は10月につくば植物園で撮った。学名:Eriocaulon heleocharioides★野生では絶滅をした草の根と 知れば労苦の深さいかほど花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|