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コダマギク



コダマギクはキク科ヤマハハコ属の多年草である。
ヒマラヤ山脈の固有種である。
中国の南西部からアフガニスタンにかけて分布し、高山の岩礫地に生える。
アナファリス・トリプリネルビスの変種である。
この変種にだけ和名があるのが不思議だが、恐らく日本の学者が何らかの関与しているのであろう。
和名といっても一般に知られているわけではないので、漢字でどう書くのかもわからない。
学名のアナファリス・トリプリネルビス・モノケファラで表示するものもある。
草丈は40~60センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
葉には灰白色の軟毛が生える。
開花時期は7~8月である。
茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、白い苞に包まれた黄色い花(頭花)をつける。
頭花には舌状花はなく、筒状花だけからなる。
属名の Anaphalis はギリシャ語の「Gnaphalium(ハハコグサ)」からきている。語中の文字を並べ替えて作った。
種小名の triplinervis は「3つの脈のある」という意味である。
変種名の monocephala は「一輪咲きの」という意味である。
写真は5月に神代植物公園の野草展(東京山草会)で撮った。
学名:Anaphalis triplinervis var. monocephala

★ヒマラヤの岩場に生えるモノケファラ
 ドライフラワー思わすように




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ムッサエンダ・フィリピカ



ムッサエンダ・フィリピカはアカネ科コンロンカ属の蔓性常緑低木である。
コンロンカ属は熱帯アジアやアフリカに200種くらいが分布する蔓性の常緑低木である。
本種の原産地はフィリピンやニューギニアである。
熱帯地方では街路樹や庭木とされるが、日本では温室で植栽される。
樹高は2~5メートルである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉には軟らかい毛が生える。
開花時期は6~9月くらいである。
花弁状の白い大きな萼片に特徴がある。
漏斗状で先が5つに裂けた小さな黄色い花をつける。
園芸品種が多く、萼片の色はピンクや赤のものもある。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
属名の Mussaenda はスリランカでの現地名からきている。
種小名の philippica は「フィリピンの」という意味である。
写真は10月に川口市立グリーンセンターで撮った。
学名:Mussaenda philippica

★崑崙花思わすような姿だが
 違いはどこと興味の湧いて




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蔓金虎の尾(ツルキントラノオ)



蔓金虎の尾(ツルキントラノオ)はキントラノオ科スティグマフィロン属の蔓性常緑低木である。
原産地は南アメリカである。
他の樹木などに絡みついて伸び、蔓の長さは5メートルくらいになる。
葉は幅の広い卵形で先が尖り、互い違いに生える(互生)。
葉の表面は艶があり、葉の縁には棘のようなぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~10月くらいである。
葉の脇から散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、小さな黄色い5弁花をつける。
花弁の縁が襞状になる。
花弁がラン科のオンシジウムに似ていることからオーキッドバイン(orchid vine)の英名がある。
また、産地と形状からブラジリアンゴールデンバイン(Brazilian golden vine)とも呼ばれる。
属名の Stigmaphyllon はギリシャ語の「stigma(柱頭)+ phyllon(葉)」からきている。葉のような柱頭を持つことから名づけられた。
種小名の ciliatum は「縁毛のある」という意味である。
写真は6月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Stigmaphyllon ciliatum

★葉の脇に煌くような花つけて
 元気に伸びる蔓金虎の尾




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サザンクロス



サザンクロス(southern cross)はミカン科クロウエア属の常緑小低木である。
原産地はオーストラリア南東部のニューサウスウェールズ州で、森林地帯に生える。
表記の名は日本での流通名である。
南十字星を意味し、花が星形でオーストラリア産というところから名づけられた。
属名のクロウエアでも流通している。
英名はウィロウリーフクロウエア(willow leaf crowea)である。
樹高は70~100センチくらいである。
葉は披針形(笹の葉のような形)で、互い違いに生える(互生)。
葉の質は厚く艶がある。
葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。
揉むと柑橘系の香りがする。
開花時期は5~11月である。
葉の脇からピンク色をした星形の小さな5弁花を咲かせる。
蝋質で、花の色は稀に白いものもある。
なお、近縁種のクロウエア・エクサラタ(Crowea exalata)やこの2種の交配種もサザンクロスの名で流通している。
属名の Crowea は、イギリス人の医師で植物学者の「クロウ(James Crowe, 1750-1807)さん」の名からきている。
種小名の saligna は「ヤナギのような」という意味である。
写真は5月に北大植物園で撮った。
3枚目は11月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った白花種である。
学名:Crowea saligna

★スマートな星形の花ピンク色
 サザンクロスの輝き放ち












ディアンツス・グラキアリス



ディアンツス・グラキアリスはナデシコ科ナデシコ属の多年草である。
属名の読み方は「ダイアンサス」、種小名の読み方は「グラシアリス」とするものもある。
原産地はヨーロッパである。
標高2000~3000メートルの高山の草地に生える。
流通名を氷河撫子(ヒョウガナデシコ)という。
草丈は5~10センチくらいである。
葉は線形で、向かい合って生える(対生)。
葉の質は肉質で分厚い。
開花時期は7~9月くらいである。
花は紅紫色をした5弁花で、花弁の先は切れ込む。
花径は15~20ミリくらいである。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Dianthus はギリシャ語の「Dios(ジュピター)+anthos(花)」からきている。「ジュピターの花」の意味で、花の美しさを称えて名づけられた。
種小名の glacialis は「氷河地帯に生える」という意味である。
写真は10月に大阪市の咲くやこの花館で撮った。
学名:Dianthus glacialis

★アルプスのお花畑に咲く姿
 いかばかりかと思いめぐらし




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