紫千振(ムラサキセンブリ) 秋の花 2011年10月13日 紫千振(ムラサキセンブリ)はリンドウ科センブリ属の一年草である。本州の関東地方から九州にかけて分布し、乾いた草丈の低い草地や道端に生える。環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。草丈は50~70センチくらいである。茎は太く、暗い紫色を帯びる。葉は線状の披針形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は9~11月である。茎先や葉の脇から円錐花序(下のほうになるほど枝分かれする回数が多く、全体をみると円錐形になる)を出し、淡い紫色の花をつける。花は合弁花で、花冠が5つに深く裂ける。雄しべは5本、雌しべは1本である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。千振(センブリ)と同様に苦味があるが、薬用にはされない。属名の Swertia はオランダの植物学者「スワート(E. Swert)さん」の名からきている。種小名の pseudochinensis は「中国産に似た」という意味である。写真は11月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Swertia pseudochinensis★千振の花の不思議を受け継いで 色も床しき紫千振花図鑑植物図鑑PR