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鶴頂蘭(カクチョウラン)



鶴頂蘭(カクチョウラン)はラン科ガンゼキラン属の多年草である。
鹿児島県の種子島から沖縄県にかけて分布し、山地の草原や林の中に生える。
海外では、台湾や中国南部、インドネシア、マレーシア、南太平洋、オーストラリアなどに分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
和名の由来は、花の形を鶴の頭に見立てたものである。
草丈は60~120センチくらいである。
偽球茎(バルブ)は円錐形で、数個が接して並ぶ。
葉は披針形で、茎先に4~6枚がつく。
開花時期は4~5月である。
偽球茎のつけ根の部分から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、4~10輪くらいの花をつける。
花は外側が白く、内側が赤褐色である。
唇弁は長さが4~5センチで、先は紅紫色、つけ根のほうは白い。
つけ根の部分には2列の板状隆起があり、2つに浅く裂ける距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)とつながる。
蕚片と花弁は長さが4~6センチの披針形である。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Phaius はギリシャ語の「phaios( 暗い)」からきている。カクチョウランの花の色が暗い褐色をしていることから名づけられた。
種小名の tankervilleae はイギリス人の蘭愛好家「タンカルビル(E. Tankerville)さんの」という意味である。
写真は1月につくば植物園で撮った。
学名:Phaius tankervilleae


★大輪の内に秘めたる紅の色
 妖しく揺れる鶴頂蘭は




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