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唐樒(トウシキミ)



唐樒(トウシキミ)はシキミ科シキミ属(イリキウム属)の常緑高木である。
分類体系によっては(APGIII)マツブサ科とされる。
イリキウム属は東アジアや北アメリカに40種くらいが分布する。
日本にも樒(シキミ)などが分布し、属名の和名をシキミ属という。
本種の原産地は、中国の広西チワン族自治区やベトナムの北部である。
また、中国の南部やベトナム、インドなどで商品栽培されている。
別名を、大茴香(ダイウイキョウ)や八角(ハッカク)という。
英名はスターアニス(star anise)である。
古くから中華料理の香辛料として用いられてきた。
また、生薬名を大茴香(だいういきょう)といい、健胃薬、鎮痛薬としても利用される。
最近では、インフルエンザの治療薬タミフルの原料として脚光を浴びている。
樹高は10メートルから15メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は3月から5月で、秋にも花を咲かせる。
花は球形の両性花である。
花の色は黄白色、赤、濃い紅色などがある。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)で、6個から8個が放射状につく集合果である。
実の形が有毒な樒(シキミ)と紛らわしいため誤食事故が起きている。
属名の Illicium はラテン語の「illicio(誘惑する)」からきている。植物体に芳香があることから名づけられた。
種小名の verum は「純正の」という意味である。
写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Illicium verum

★なるほどねこれがいわゆる唐樒
 欠かせぬ味を中華に添えて




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