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八重咲き草の王(ヤエザキクサノオウ)



草の王(クサノオウ)ケシ科クサノオウ属(ケリドニウム属)の越年草である。
ケリドニウム属については狭義の見解と広義の見解がある。
違いはアジアに分布するものとヨーロッパに分布するものを区別するかどうかである。
広義の場合は1属1種としてとらえる。
狭義の場合は、日本と朝鮮半島、中国に分布するものだけを草の王(クサノオウ)と呼ぶ。
日本では北海道から九州にかけて分布し、林の縁や土手などに生える。
これに対してヨーロッパから西アジアにかけて分布するを洋種草の王(ヨウシュクサノオウ:Chelidonium majus subsp. majus)と呼んでいる。
八重咲き草の王(ヤエザキクサノオウ)はこの洋種草の王(ヨウシュクサノオウ)から作出された園芸品種である。
草丈は30センチから90センチくらいである。
茎は中空である。
葉は羽状に1回から2回深く切れ込み、互い違いに生える(互生)。
開花時期は5月から9月である。
葉の脇から散形花序(枝先に1個つずつ花がつく)を出し、数輪の花をつける。
花の色は鮮やかな黄色で、雄しべが花弁化している。
花径は3センチくらいである。
茎や葉の黄色の汁液にはアルカロイドを含み、有毒である。
なお、「草の王」の名の由来については、「薬草の王様」説などいくつかの説がある。
属名の Chelidonium はギリシャ語の「chelidon(ツバメ)」からきている。母ツバメがこの草の汁で雛鳥の眼を洗って視力を強めるとされた。
種小名と亜種名の majus は「巨大な」という意味である。
園芸品種名の Flore Pleno は「八重咲きの花の」という意味である。
写真は4月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。
学名:Chelidonium majus subsp. majus 'Flore Pleno'

★八重咲きの姿はどこか洋風か
 草の王とは思えぬ姿




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