花筏(ハナイカダ) 夏の花 2011年05月31日 花筏(ハナイカダ)はミズキ科ハナイカダ属の落葉低木である。北海道の南部から九州にかけて分布し、やや湿り気のある林の中に生える。海外では、朝鮮半島、中国にも分布する。樹高は1~2メートルである。葉は長さ6~12センチくらいの長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尾状に尖り、縁には芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)状のぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は5~6月である。葉の表面の中央に淡い緑色をした3~4弁の小さな花をつける。雌雄異株である。雄株では葉の上に数個の雄花が集まってつく。雄しべは3~4本ある。雌株には雌花が通常は1個、稀に2~3個つく。雌しべは1本で、柱頭は4つに裂ける。花の後にできる実は直径7~9ミリの球形の液果(果皮が肉質で液汁が多い実)で黒く熟し、甘味がある。和名の由来は、葉の上に載った花や実を筏に乗った人に見立てたものである。若い芽は食用になる。また、葉や果実つきの葉は生薬名を青莢葉(せいきょうよう)といい、下痢止めの薬効がある。ママッコ、嫁の涙(ヨメノナミダ)などの別名がある。属名の Helwingia はドイツの牧師「ヘルウィング(G. A. Helwing)さん」の名からきている。種小名の japonica は「日本の」という意味である。写真は5月に日比谷公園の野草展(むさしの山草会)で撮った。学名:Helwingia japonica★葉の上に鎮座まします花筏 どうなってるのと首をかしげて今日の花ドットコム花図鑑PR